【ウィーン=田中孝幸】ローマ教皇フランシスコが2月に収録されたスイスのテレビ局のインタビューで、ロシアの侵攻を受けるウクライナに戦闘での敗北を認め、和平交渉を始めるよう促したことが明らかになった。侵略行為に融和的と受け取られかねない発言で、波紋を広げそうだ。ロイター通信が9日、20日に放映予定のインタビューの一部を報じた。教皇はウクライナ侵攻に関し「最も強いのは、状況を見つめて国民のことを考え
【キーウ共同】ローマ教皇フランシスコは9日公開のスイスメディアのインタビューで、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し「白旗を揚げて交渉する」ように呼びかけ、戦闘の外交的な解決を訴えた。 「白旗」は一般的に降伏を示すときに用いられる。バチカン公式メディアによると、教皇庁のマッテオ・ブルーニ報道官は声明で、教皇は「敵対行為の停止や勇気ある交渉で達成された停戦を示す」ために使ったと説明し、ウクライナに降伏を呼びかける趣旨ではなかったと釈明した。 ウクライナのゼレンスキー大統領は全領土奪還を目指しており、停戦交渉を否定。教皇はインタビューで「国民のことを考えて、白旗を揚げる勇気を持って交渉する人が強い」と指摘。パレスチナ自治区ガザ情勢にも触れ「交渉は降伏ではない」とも述べた。 トルコなど仲介役の力を借りることができるとし「事態がさらに悪化する前に交渉するのは恥ではない」と強調。自身が仲介役を担うこ
ロシアを特徴づける「膨張主義」 ──ロシアの歴史が始まったのは1000年以上前です。かつては、現在のウクライナ周辺の公国の緩やかな連合でしたが、いまは1700万平方キロメートルもの広大な領土を持つ大国となっています。20世紀には領土が2200万平方キロメートルもありました。 ロシアの膨張主義を理解したいなら、まずは地図を見るべきです。ロシアの子供たちは地図を見ると、世界一大きな国であることを誇りに思う一方、不安にも駆られます。こんなに広大な領土はとても守りきれないのではないかと考えるのです。 ロシアでは、16世紀に領土を広げたイヴァン雷帝の時代から、「防衛的膨張主義」がよく見られます。同国には自分たちを守る山や海や大河がありません。だから領土を広げると、そこを守るために、さらにその先の土地も征服しなければならないと感じてしまうのです。 プーチンが2016年のロシア地理学協会のイベントで口に
オデッサにミサイル、大聖堂破壊 ロシアが連日攻撃、20人死傷―ウクライナ 2023年07月23日20時21分配信 23日、ウクライナ南部オデッサで、ロシアのミサイル攻撃を受け損壊した救世主顕栄大聖堂の内部(ロイター時事) ウクライナ南部オデッサに23日未明(日本時間同日午前)、ロシア軍の大規模なミサイル攻撃があり、正教会の救世主顕栄大聖堂が破壊された。港湾施設や住宅も被害を受け、地元知事は1人が死亡、子供を含む19人が負傷したと明らかにした。 双方がクラスター弾使用か ロシア・ドイツの記者ら死傷―ウクライナ 「黒海の真珠」と呼ばれるオデッサの歴史地区は今年1月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。ウクライナ外務省は攻撃を「戦争犯罪」と指摘。ゼレンスキー大統領は「ロシアの悪に弁解の余地はない」と述べた。 プーチン政権は、対ロシア制裁が解除されないことに反発し、ウクライ
ウクライナの首都キーウにあるキーウ洞窟大修道院前で、訪問者の所持品を検査するウクライナ保安局(SBU)の職員(2022年11月22日撮影)。(c)Sergei CHUZAVKOV / AFP 【11月23日 AFP】ウクライナ保安局(SBU)は22日、ロシア情報機関との関係が疑われるとして、首都キーウにある歴史的な修道院を家宅捜索したと発表した。 捜索を受けたのは、11世紀に建立され、国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の世界遺産(World Heritage)に登録されているキーウ洞窟大修道院(Kyiv Pechersk Lavra)。ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)に属しているが、同正教会はロシアによるウクライナ侵攻が始まった後、ロシアとの関係を断っていた。 今回の捜索の意図についてSBUは、大修道院が「ロシア世界」の中心地となったり、「破壊工作・情報組織」の潜伏先や武
<ウクライナを「非ナチ化」するための特別軍事作戦は、いつの間にか世界の「悪魔主義」との戦いへとロジックが変化、ロシア正教会もプーチンを「首席エクソシスト」に任命するなど危険な兆候が露わになってきた> モスクワ赤の広場でウクライナ4州の併合を宣言して世界を敵に回したプーチン(9月30日、テレビ中継)REUTERS/REUTERS PHOTOGRAPHER ロシア正教会はこのほど、同国のウラジーミル・プーチン大統領を、悪魔祓いをする「首席エクソシスト」に任命した。 【映像】「靴も、お金も、マットレスも盗まれた」ロシア軍キャンプの絶望的な有様 ロシア政府は、ウクライナへの軍事侵攻の目標を「再定義」しようとしているようだ。2月24日に「特別軍事作戦」としてウクライナへの侵攻を開始した時、プーチンはその目標をウクライナの「非ナチ化」だと述べていた。だがロシア政府の最高意思決定機関である安全保障会議は
モスクワ赤の広場でウクライナ4州の併合を宣言して世界を敵に回したプーチン(9月30日、テレビ中継)REUTERS/REUTERS PHOTOGRAPHER <ウクライナを「非ナチ化」するための特別軍事作戦は、いつの間にか世界の「悪魔主義」との戦いへとロジックが変化、ロシア正教会もプーチンを「首席エクソシスト」に任命するなど危険な兆候が露わになってきた> ロシア正教会はこのほど、同国のウラジーミル・プーチン大統領を、悪魔祓いをする「首席エクソシスト」に任命した。 ロシア政府は、ウクライナへの軍事侵攻の目標を「再定義」しようとしているようだ。2月24日に「特別軍事作戦」としてウクライナへの侵攻を開始した時、プーチンはその目標をウクライナの「非ナチ化」だと述べていた。だがロシア政府の最高意思決定機関である安全保障会議は今、それを「脱サタン化」という言葉にすり変えつつある。 安全保障会議のアレクセ
ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州のセベロドネツクをめぐる攻防で「ウクライナ側に致命的な損失を与えた」として戦闘で優位に立っていると強調しました。 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、東部ドネツク州にある歴史的に価値の高い修道院を、ロシア軍が破壊したと非難し、ロシアをユネスコから除名するよう呼びかけました。 ウクライナ東部のルハンシク州とドネツク州では、2州の完全掌握を目指すロシア軍と、抵抗するウクライナ軍との間で一進一退の攻防が続いています。 ルハンシク州のガイダイ知事は4日、ウクライナ側の主要な拠点とされるセベロドネツクについて「激しい戦闘が行われている。ロシア軍は全兵力を投入し、街の大部分が掌握された」と述べました。 そのうえで「ロシア軍は橋を爆破し、ウクライナの部隊の増強を食い止めようとしている」と述べ、ロシア軍がウクライナ軍の補給路を断とうとしているとの見方を示しました。
ロシア正教会のゲオルギー・エデリシュテイン司祭。ロシア・コストロマ州ノボベールイカーメニ村の自宅で(2022年4月25日撮影)。(c)Yuri KADOBNOV / AFP 【5月4日 AFP】ロシア正教会のゲオルギー・エデリシュテイン(Georgy Edelshtein)司祭(89)は、ウクライナでのロシアの軍事作戦に反対している。だが、異論を唱える人との議論は歓迎だ。自宅の居間の肘掛け椅子を指さし、「反対派の1人や2人はここに座っていてほしい」と話す。 ウクライナ侵攻に反対の声を上げたロシア正教会の聖職者は、一握りしかいない。白いひげをたくわえ、黒い祭服を着たエデリシュテイン司祭は震える声で、しかし、ためらうことなく主張する。「私は、悪い司祭なのだと思う。すべての戦争に反対してきたわけではないが、侵略戦争には常に反対してきた」 「(ウクライナは)独立国家だ。彼らが必要と考える国家を築か
ロシア正教のトップであるキリル総主教は、ロシアがウクライナに侵攻した2月の数日後、「祖国防衛の日」として発表した。キリル総主教は、プーチン大統領の「ロシア国民への奉仕」を祝福し、兵役を賞賛している(注1)。ウクライナで続く戦争については、正義と悪の「黙示録的戦い」に他ならないとさえ語ってもいる。キリル総主教にとって、この戦争の結末は「神のご加護を受けられるか否かという人類の行方」を決めることになるようだ(注2) ロシア正教会が国家の軍事に口をだすというのは、今にはじまったことではない。シリア内戦にロシアが介入した時はもっとはっきりと「キリスト教徒を解放する聖戦」とキリル総主教は発言している(注3) このように教会人が軍事行動を祝福するのは、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)の文化を色濃く受け継いだものと思われる(注4)。ビザンツ帝国時代は、皇帝と総主教を中心とする独特の信仰体系で権威が作り上げら
無謀な戦争を仕掛けた裏にはロシア正教会の“闇”があった!/文・古川英治(在ウクライナジャーナリスト)「最も安全」と言われた大修道院が…ウクライナ西部の都市リビウで、春の日差しうららかな週末の街の空気が一変した。空襲警報が鳴り響くと間もなく爆音が響き、中心部に近い通信塔の方から黒煙が上がった。けたたましくサイレンを鳴らす消防車が現場に向かい、母親たちは慌てて子供を抱えて走る。呆然と空を見上げる老女がつぶやいた。「狂ってる」。こんな光景はウクライナ各地で常態化している。侵略に突き進むロシア大統領ウラジーミル・プーチンにとって、これは「聖戦」なのか。 そうした中、首都キーウではロシア軍の侵攻が始まる前、「最も安全」と言われてきた避難場所がある。ドニエプル川を望む丘に建つ世界遺産、ペチェールシク大修道院だ。 ペチェールシク大修道院は東スラブ民族の最初の国家であるキーウ公国の下、11世紀ごろに創建さ
ロシア正教会は「ウクライナ民族を地球上から抹殺するのが貴方たちの任務である」と書かれた配布物をロシア軍の兵士に配っていると報じられている。 参考:Moscow Patriarchate tells Russian troops: “Your task is to wipe the Ukrainian nation off the face of the earth” 参考:The West must show Putin its collective strength 非ナチ化の正体はロシアを拒否するウクライナ人の抹殺を意味しているのだろうブリャンスク管区のロシア正教会が作成した配布物には「貴方はロシアの戦士である、貴方の任務はウクライナの民族主義から祖国を守ることだ、貴方の任務はウクライナ民族を地球上から抹殺することだ、貴方の敵は人間の魂に罪深い損害を与えるイデオロギーだ」と書かれており
Χρόνος Ανάγνωσης: < 1 λεπτό 「全世界の安和と、神の聖なる諸教会の堅立、および衆人の合一の為に主に祈らん」 (聖体礼儀の典礼文より 日本ハリストス正教会訳) 2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻は、正教の伝統に生きる人々にとって歴史的な脅威です。正教の信者にとってさらに厄介なことに、ロシア正教会の高位聖職者層が、この侵略を認めることを拒否し、代わりに、ウクライナの『出来事』と『敵意』に照らした平和の必要性について漠然とした声明を発表し、『聖なるルーシ』の一部としてウクライナとロシアの人々の兄弟的な性質を強調し、『邪悪な「西」』の敵意を非難し、さらには『邪悪な「西」』への敵意を積極的に奨励する方法で祈るようにコミュニティに指示することさえしていることです。 モスクワ総主教庁の多くの高位聖職者層のウラジーミル・プーチン大統領のウクライナとの戦争に対する支持は、
ロシア軍の空爆による被害を受けた生神女就寝スビャトヒルスク大修道院の施設(写真:ウクライナの特別コミュニケーション情報保護国家サービス〔SSSCIP〕のツイッターより) ウクライナ東部ドネツク州で12日夜、ロシア軍による空爆があり、ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)の修道院が被害を受け、修道院内に避難していた複数の市民が負傷した。 被害に遭ったのは、同州スビャトヒルスクにある生神女就寝スビャトヒルスク大修道院で、修道院内には当時200人の子どもを含む520人の市民が避難していたという。 ウクライナの「戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンター」(CSCIS)がフェイスブック(ウクライナ語)やテレグラム(同)に投稿したところによると、爆弾はドネツ川の両岸を結ぶ橋の近くに着弾し、修道院の入り口から50メートルほどの場所で爆発した。爆発の衝撃で修道院の窓やドアが吹き飛ばされ、数人がス
アイテム 1 の 3 ロシア正教会のキリル総主教が、ロシアによるウクライナ侵攻に高らかな祝福を与えたことで、世界中の正教会は分裂の危機に陥り、専門家から見ても前代未聞の反乱が正教会内部で生じている。写真はプーチン大統領(左)とキリル総主教。2020年2月、モスクワで撮影。提供写真(2022年 ロイター/Sputnik/Alexei Druzhinin/Kremlin) [1/3] ロシア正教会のキリル総主教が、ロシアによるウクライナ侵攻に高らかな祝福を与えたことで、世界中の正教会は分裂の危機に陥り、専門家から見ても前代未聞の反乱が正教会内部で生じている。写真はプーチン大統領(左)とキリル総主教。2020年2月、モスクワで撮影。提供写真(2022年 ロイター/Sputnik/Alexei Druzhinin/Kremlin) [バチカン市 14日 ロイター] - ロシア正教会のキリル総主教
これはかなりの衝撃を欧米に与える(それを狙ったニュースともいえる)。キリスト教国では「教会は攻撃しない」っていうのが伝統的な戦争の不文律で、中世の昔から非戦闘員が一時退避する場所だった。 https://t.co/BnjKN9gc7Q
面会するロシアのプーチン大統領(左)とキリル総主教=2020年2月/Alexey Druzhinin/AFP/Getty Images (CNN) ロシアのプーチン大統領は、自国がウクライナに戦争を仕掛けた理由を複数挙げて説明している。それぞれの説得力にはばらつきがある。例えば北大西洋条約機構(NATO)がロシアの国境に向けて拡大するのを止める、ロシア人の同胞をジェノサイド(集団殺害)から守る、あるいはウクライナを「非ナチス化」するという根拠のない主張もある。 一方、ロシア正教会の最高位の聖職者は、非常に異なった侵攻の理由を提示した。性的少数者らが性の多様性を訴えるプライド・パレードがその一因だというのだ。 キリル総主教は先週、今回の紛争について、根本的な文化の衝突の延長だと指摘。より大きな「ロシアの世界」と西側のリベラルな価値観とのぶつかり合いであり、後者の事例が同性愛を誇りとする表現だ
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