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ブックマーク / courrier.jp (971)

  • 米紙が報じる「日本の“軍隊式教育”がもたらす社会秩序とその代償」 | ドキュメンタリー映画監督・山崎エマに聞く

    人の母と英国人の父を持つ山崎エマは、程よい距離感で日社会を見つめ、ドキュメンタリー映画として記録してきた。彼女がカメラを向けるのは、教室の掃除に励む小学生や血のにじむような練習に耐える高校球児といった教育現場だ。 そうした日特有の厳しいしつけや伝統が社会に秩序をもたらす一方、そこには代償もあることにスポットライトを当てる山崎に、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が話を聞いた。 人間ピラミッドの思い出 ドキュメンタリー映画監督の山崎エマ(34)には幼少期の忘れられない経験がある。自分は膝にひどい擦り傷を負い、同級生は骨折する羽目になった人間ピラミッドだ。 大阪の小学校で6年生のころ、毎年恒例の運動会で組み体操を披露するため、同級生らと何週間も前から7段の人間ピラミッドをつくる練習をした。小さな体から血も涙も流れたが、番で成功させた達成感は計り知れず、それは「私が粘り強い努力家だと自負で

    米紙が報じる「日本の“軍隊式教育”がもたらす社会秩序とその代償」 | ドキュメンタリー映画監督・山崎エマに聞く
  • ヨハン・ノルベリ「社会正義の実現には、もっと多くの資本主義が必要だ」 | 長期的に見れば「成長こそがすべて」

    ヨハン・ノルベリ(50)は根っからの楽観主義者で、その主張を裏付ける論拠を持ち合わせている。古典的自由主義とグローバル化の熱烈な擁護者であるこの歴史学者は、ある意味、心理学者のスティーブン・ピンカーの系譜に連なり、「私たちは最善の世界に生きている」と主張する。 スウェーデン人のノルベリは、多くの人にとってシステムを推進する原動力である「利益の追求」を、「俗悪」なものだと考えている。彼が関心を寄せているのは、もっと「美しい」もの、つまり、より良い世界を創ることなのだ。 米ワシントンにあるシンクタンク「ケイトー研究所」のシニアフェローを務めるノルベリは、『資主義宣言』(未邦訳)という挑発的なタイトルをつけた新著で、「読者の注意を文化戦争から逸らし、私たちの未来にとって重要な問題へと引き戻す」ことを目指している。スペイン紙「エル・パイス」が彼にインタビューした。 ──あなたは、社会正義の実現に

    ヨハン・ノルベリ「社会正義の実現には、もっと多くの資本主義が必要だ」 | 長期的に見れば「成長こそがすべて」
  • 中古品店で「1.99ドルのピカソ作品」を発見し、貧困から脱出しました | がらくたの山から「宝物」を見つけるには

    リサイクルショップをよく利用する筆者は、あるとき「ピカソ」と書かれた3枚の皿を発見する。オークションに出されたこれらの皿は、果たしていくらで売れたのか? リサイクルショップから数々のお宝を発見してきた筆者が、その秘訣を語る。 新品なんか買えない 私がイタリアで子供時代を送っていた頃、中古品を買うのは決してかっこいいことではなかった。私たち一家は1984年、私が7歳のときにニューヨークに移住し、あまりお金がなかったためによくリサイクルショップを利用した。多くの人は、こうした店が汚くて、臭くて、がらくたでいっぱいだと思っている。でも、私にとっては宝の山なのだ。 2014年に私は結婚し、パートナーと一緒に賃貸アパートの家具を揃えようとしていた。大学に通うために3つの仕事を掛け持ちしていたが、お金のことは常に私を悩ませた。家庭用品店に行くとものすごくストレスが溜まり、店内で泣いたこともある。何もか

    中古品店で「1.99ドルのピカソ作品」を発見し、貧困から脱出しました | がらくたの山から「宝物」を見つけるには
  • 「年を取ったときに安心だから」 日本の不動産を買い漁る中国の富裕層たち | 名前を変え、国籍も取得し…

    クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 金属商社を経営する中国出身のハヤシ・トモさん(45)は昨年、東京に移住した。すぐさま日名を名乗り、湾岸エリアの高級マンションを約1億円で購入した。3月には家族を呼び寄せ、息子2人は日の小学校に通い始めた。 ハヤシさんは東京の高級不動産ブームをけん引し、この都市のあり方を変えつつある多くの裕福な中国人の一人だ。 不動産業者や中国富裕層の国外脱出の動向を注視する人々によると、中国の専制主義的な政治体制への不満──新型コロナウイルス規制による唐突なロックダウン(都市封鎖)の最中に高まり、その後も膨らむ一方だ──が国外流出に拍車をかけている。中国の景気減速と株式市場の不振も中国を出る動機になっているという。 ハヤシさんは東京への移住は大変だ

    「年を取ったときに安心だから」 日本の不動産を買い漁る中国の富裕層たち | 名前を変え、国籍も取得し…
  • 「農業界のスタンフォード大学」が描くオーガニックじゃない「未来の農業」 | 有機農業だけでやっていくのは不可能

    農業分野で世界のトップに立つオランダのワーゲニンゲン大学の学長は「農業をこのままの体制で続けることは不可能」と語ると同時に、すべてを有機農業に移行すればいいわけでもないと主張する。それではどうしたら、持続可能な農業を営むことができるのか。「農業界のスタンフォード大学」の取り組みを、フランス誌が取材した。 「環境や生物多様性を尊重しつつ、世界人口に対応する糧を確保することは可能です」 すがすがしいほどに楽観的な意見だが、ワーゲニンゲン大学の学長ショーケ・ヘイモヴァーラの言葉なのだから、重みがある。ワーゲニンゲンはアムステルダムから南東に90キロのところにある小さな自治体だ。同大学は、あらゆる世界ランクのトップに君臨する農業界の権威として、この分野のスタンフォードとも謳われる。 オランダ政府の「シンクタンク」とも目され、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)からも諮問を受けているうえ、充実

    「農業界のスタンフォード大学」が描くオーガニックじゃない「未来の農業」 | 有機農業だけでやっていくのは不可能
  • 「前世の記憶を持つ2200人の子供たち」を研究してわかったこと | 子供が語る「前世」に親たちも困惑

    アイジャはそれまでもたくさんのイマジナリーフレンドを作ってきたが、彼女が2歳になる頃に現れた「ニナ」は、他とは明らかに違っていた。 アイジャによるニナの説明はつねに一貫していた。アイジャいわく、ニナは悪い人たちが自分を捕まえにくること、そして糧が足りなくなることを恐れているという。ときにはアイジャ自身がニナとして話すこともあった。 母親のマリーがフードプロセッサーを使っていたときのことだ。アイジャはその音に怯え、「戦車をここから出して!」と叫んだ。なぜ娘が「戦車」という単語を知っているのか、マリーは不思議に思った。 またあるときには、アイジャはこう言った。「ニナの腕には数字が書かれていて、それがニナを悲しくさせるの」。そしてその数字が書かれていたと思われる場所を指差しながら、「ニナは家族が恋しいの。ニナは家族と引き離されちゃったのよ」と言った。 ホロコーストのことなど何も知らないはずの娘

    「前世の記憶を持つ2200人の子供たち」を研究してわかったこと | 子供が語る「前世」に親たちも困惑
  • 学生のデモの背景─米国の「イスラエルの捉え方」が変わりつつある | もう「虐殺の犠牲者」には見えない?

    イスラエルによるガザへの攻撃に抗議するデモを米国中の学生たちが展開した結果、約2000人が拘束される事態にまで発展した。いまではヨーロッパでも同様の抗議活動が広まっている。 イスラエルと緊密な関係を築いてきた米国だが、若い世代はイスラエルに対し、これまでの米国人とは違った感情を抱いているようだ。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が、この問題の背景についてまとめている。 次世代は別の道を選ぶのか 76年前、ユダヤ人によってイスラエルが建国されて以来、同国と米国の関係はほぼずっと緊密であり続けてきた。 イスラエルは米国の資金、武器、外交や防衛を頼りながら存続・繁栄している。米国のこうしたイスラエルを支援する姿勢は、超党派の議会や政治家、多くの有権者から支持されており、最近までは揺るぎないものだった。 ホロコースト生存者の避難所として形成されたイスラエルは、しばしば犠牲者とされてきた。そして国際的に

    学生のデモの背景─米国の「イスラエルの捉え方」が変わりつつある | もう「虐殺の犠牲者」には見えない?
  • 新型iPadの動画はなぜ炎上したのか? 米メディアが問題点を手厳しく批判 | 「アップルはどうかしてしまったのか?」

    トランペット、ピアノ、ターンテーブル、ゲーム機、テレビ、画材……これらはすべてアップルの新製品「iPad Pro」のプロモーション動画で破壊されるものだ。 巨大なプレス機であらゆるものを圧縮粉砕して消滅させたところで、「最薄」とうたう新iPadが登場するというわけ。 「クラッシュ!」と題されたこの動画、公開直後から日炎上しているが、世界的にも不評を買っているようだ。動画を発表したティム・クックCEOのXの投稿には、批判的なコメントが連なっている。 Meet the new iPad Pro: the thinnest product we’ve ever created, the most advanced display we’ve ever produced, with the incredible power of the M4 chip. Just imagine all

    新型iPadの動画はなぜ炎上したのか? 米メディアが問題点を手厳しく批判 | 「アップルはどうかしてしまったのか?」
  • 条件は完璧にそろっているのに「EVが普及しない」不可解な国・日本 | 米メディアが原因を分析

    には、電気自動車(EV)が普及するための条件が完璧にそろっているという。だがテスラ社のイーロン・マスクも日市場には苦戦していると認める通り、普及は遅々として進んでいない。その原因はどこにあるのか。同じく普及が停滞する米韓の状況と合わせ、米経済メディア「ブルームバーグ」が分析した。 日はEV普及の「ラガード」 日は電気自動車(EV)の先駆者となるための、あらゆる条件を備えている。世界平均を上回る所得、堅調な自動車産業、高い新車購入率、技術を称揚する文化などだ。 しかしながら、2023年の日におけるEVの新車販売比率(新車販売台数に占める特定の自動車の割合)はわずか1.8%だった。 2024年3月、ブルームバーグの気候変動ニュースメディア「ブルームバーグ・グリーン」は、完全電気自動車(BEV)の普及拡大が見込まれる31の国を調査した結果を発表した。するとそのなかで、普及率が思いのほ

    条件は完璧にそろっているのに「EVが普及しない」不可解な国・日本 | 米メディアが原因を分析
    laislanopira
    laislanopira 2024/05/09
    でかいアメ車は売れない
  • 専門家が危惧「このままでは2030年にはナイトクラブは消滅する」 | 東京も含めた世界中の大都市で高まる懸念

    このままだと「2030年にはナイトクラブは消滅する」 ロンドンやモントリオール、ベルリン、東京、シドニー、メルボルンなど、世界各国の「都市のナイトライフが衰退しつつある」と報じられている。 背景にあるのは、都市中心部の不動産価値の高騰とそれによる高級化、家賃高騰によるコストの上昇、厳しい騒音規制、安全性への懸念などだ。そして、若者の飲酒離れや経済的な困窮なども関係しており、夜間営業のナイトクラブやバーが続々と閉店しているという。 ナイトライフの縮小傾向は、パンデミック以前からあった。それが、パンデミックによってさらに拍車がかかったとみられている。 英国マンチェスターのナイトタイム・エコノミー(一般に日没から日の出までの夜間の経済活動)の顧問であるサーシャ・ロードが米メディア「ブルームバーグ」に語ったところによれば、2005年以降、英国のナイトクラブの約4分の3が閉鎖されており、現在の状況が

    専門家が危惧「このままでは2030年にはナイトクラブは消滅する」 | 東京も含めた世界中の大都市で高まる懸念
  • バイデンの「日本は外国人嫌い」発言に米紙読者 「米国が言えた立場!?」 | 保守系英紙には「日本は日本のままでいい」の声も

    ジョー・バイデン米大統領が「日は外国人嫌いで移民を望んでいない」などと発言したニュースは海外メディアも一斉に報道した。なかには、記事のコメント欄に異例の数の書き込みがあった欧米メディアもあり、この報道に対する読者の関心の高さをうかがわせた。 「中国ロシアと一緒くた」に違和感 米紙「ワシントン・ポスト」は、「バイデン、選挙イベントで同盟国日を中露のような『外国人嫌い』と呼ぶ」と見出しをとった5月2日付の記事で、問題となっている発言に触れ、「米国の同盟国を中国ロシアといった権威主義的なライバル国と同じグループに入れ、移民不足が『経済がひどく行き詰まっている』理由ではないかと示唆した」と記した。

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  • 義足のアーティスト片山真理が語った「自分の障害には興味がない」理由 | “感動の物語”を求めるスペイン紙の記者はたじたじ…

    義足のアーティストとして知られる片山真理がスペインでの作品展示をきっかけに、現地紙の取材に応じている。 記者は、片山に障害があるという点に着目し、いわゆる“感動の物語”をまとめようとしていたようだが、こうした「思い込み」を持って取材に向かうことの危険性を痛感したと正直に記している。片山はいったいどんなコメントをしたのだろう? 現代の巨匠を彷彿とさせる作品 アーティスト、歌手、そして注目の新星でもある片山真理の子供時代については特筆すべきことが二つある。一つは、家庭のなかに裁縫が根付いていたこと。「母も祖母も曾祖母も裁縫をしていました。私はその技術を受け継ぎました。鉛筆を持つよりも先に、針と糸を使っていました」と、片山は説明する。 スペイン・マドリードで展示されている片山の写真は、ふんだんに装飾が施され、パンクのテイストを帯びたブラックジョークが効いている。自身を題材にしたこれらの作品群は米

    義足のアーティスト片山真理が語った「自分の障害には興味がない」理由 | “感動の物語”を求めるスペイン紙の記者はたじたじ…
  • 米大学教授が解説する「日本の『わび・さび』の美学」 | なぜ外国人はこの概念に魅了されるのか

    「わび・さび」はいまや海外でも“Wabi-Sabi”として知られているが、この日独特の概念を定義するのは日人でも難しいだろう。ワシントン大学で日語や日文学を教えるポール・アトキンス教授が、「わび・さび」が日国外に広まった経緯と、その美学に外国人が惹かれる理由を解説する。 日に逆輸入された 先日ニューヨークを訪れた際、マンハッタンにある日の書店に立ち寄った。日に関する英語が並ぶなか、「わび・さび」専用の棚があり、『わび・さびの恋愛術』『わび・さび道』『芸術家、デザイナー、詩人、哲学者のためのわび・さび講座』などのタイトルが陳列されていた。 いったい「わび・さび」とは何なのか、そしてなぜ「寿司」や「空手」といったジャンルと並び、独自のコーナーが設けられるほどの扱いを受けているのか? 「わび・さび」は、一般的には伝統的な日の美意識と説明されている。「傷がある」または「未完成

    米大学教授が解説する「日本の『わび・さび』の美学」 | なぜ外国人はこの概念に魅了されるのか
  • フランスが漫画大国になった歴史を「仏紙の40年の報道」から読み解く | フランスに根付くまでの40年間

    フランスでも非常に人気が高い日のマンガ。その評価は初めから高かったわけではなく、長年かけて徐々に定着していったという。日のマンガはフランス社会でどう受け止められてきたのかを、仏高級紙「ル・モンド」上での40年以上の報道から読み解いていく。 フランス中が悲しんだ鳥山明の死 とうとう孫悟空が孤児になってしまった……。史上もっとも有名なマンガのひとつで、世界で2億6000万部を売り上げた『ドラゴンボール』の作者、鳥山明が68歳で亡くなった。3月1日のことだったが、遺族がそれを公表したのは1週間後だった。 こうして日から世界にマンガを広げた主要人物の一人がいなくなってしまった。仏紙「ル・モンド」にウィリアム・オーデュロー記者はこう記した。 「2013年にアングレーム国際漫画祭で特別賞を受賞。2019年にはフランスの芸術文化勲章『シュバリエ』を受章した。地方に暮らすことを好んだマンガ家の鳥山明

    フランスが漫画大国になった歴史を「仏紙の40年の報道」から読み解く | フランスに根付くまでの40年間
  • 英誌が見た「失われた数十年」から脱却する日本と、“日本化”する米国 | 中国に代わる「アジアのリーダー」に

    数十年ぶりの株価高騰に円安と、日経済が激動の時代を迎えるなか、日米関係はどう変わるのか。英経済誌「エコノミスト」は「失われた数十年」から脱却しつつある日に対し、米国は新たな役割を期待していると指摘する。 「失われた数十年」は解消に向かっている 1982年、戦後の日米関係において最も肝を冷やす事件のひとつがデトロイトで起こった。 自動車工場に勤務していた2人の白人男性が、中国系米国人を日人だと思い込んで撲殺したのだ。 加害者2人は有罪になったが、3年間の保護観察処分と約3000ドルの罰金の支払いを命じられただけだった。この度を越して寛大な判決は、米国政府の上層部にまで蔓延する時代の雰囲気を反映している。 80年代に日米貿易摩擦が激化すると、経済大国の地位を日に奪われることを危惧した米国は強硬な対応をとった。貿易規制を敷いて日の国内市場をこじ開け、円高ドル安を推進した。90年代に日

    英誌が見た「失われた数十年」から脱却する日本と、“日本化”する米国 | 中国に代わる「アジアのリーダー」に
  • 料理が苦手な人でも“料理上手”に思われる「魅惑のワンパンレシピ」5選 | 簡単なのに特別感アリ!

    一見したところ手が込んでいて、難しそうに見えるのに、実は簡単、失敗なし、おまけに美味しくて片付けもラク。もはや作らない理由はない、ニューヨーク・タイムズ・クッキングの一押しワンパン(ワンポット)レシピをご紹介します。

    料理が苦手な人でも“料理上手”に思われる「魅惑のワンパンレシピ」5選 | 簡単なのに特別感アリ!
    laislanopira
    laislanopira 2024/05/05
    これは時間のある日に特別な食材をそろえて特別な人を招くためのレシピかな。時短レシピではない
  • ピーター・ターチン「トランプを支持して権力拡大を狙う対抗エリートたち」 | 米国はロシアより「崩壊」に近い

    理論生物学から始め、歴史を自然科学のように研究してきた進化人類学者のピーター・ターチン。その独得で大胆な主張は、世界から注目を集めてきた。ターチンから話を聞いた、英紙「フィナンシャル・タイムズ」のヘンリー・マンス記者が、その主張を鋭く分析する。 危機を予測した進化人類学者 2010年、英誌「ネイチャー」は、各分野の専門家らに自分の分野が10年後にどうなっているか、予測するよう求めた。グーグルのリサーチ・ディレクターは、インターネット検索がタイプ入力ではなく、ほとんど音声入力でなされるようになるだろうと述べた。 そこにはピーター・ターチンのものもあった。もともと生態学者であった彼の予想は、なかでもおそらく最も大胆だった。「次の10年は米国と西欧が不安定化する時期になる」というのだ。特に「2020年ごろに一気に不安定化する」と示していた。 この予想がなされたのは2010年2月のことだ。同年末に

    ピーター・ターチン「トランプを支持して権力拡大を狙う対抗エリートたち」 | 米国はロシアより「崩壊」に近い
  • マッキンゼーや大手コンサル会社の黄金期は過ぎ去ったのかもしれない | AI技術で人間のコンサルタントは不要に?

    つい最近まで、マッキンゼーをはじめとするコンサル業界は絶好調であるかのように思われた。しかし、ここにきて風向きが変わった。英「エコノミスト」誌は、コンサル業界が今回の成長の落ち込みから復活するのは難しいと予想する。 2024年3月、ある匿名のメモがインターネット上に一時拡散した。メモの著者は複数人で、いずれも「マッキンゼーの元パートナー」と称していた。彼らは輝かしい業績を誇る戦略コンサル会社が近年、「成長ありきの無責任体制」に陥り、とくに経営陣に対しては「戦略的目標が欠如」していると手厳しく非難した。そしてマッキンゼー出身者らしい控え目な書き方ながら、「真に偉大な組織」が存亡の危機に瀕していると警告した。 このメモはすぐに削除されたが、それはマッキンゼー社員の直近の不満にほかならなかった。1月、同社マネージングパートナー(一般企業のCEOに当たる)のボブ・スターンフェルズは、最初の社内投票

    マッキンゼーや大手コンサル会社の黄金期は過ぎ去ったのかもしれない | AI技術で人間のコンサルタントは不要に?
    laislanopira
    laislanopira 2024/05/04
    やっぱり東大生が殺到する産業は10年後には衰退しているな
  • 難民に寛容な福祉国家スウェーデンで「暴力事件」が急増した“不都合”な理由 | 移民統合の失敗で犯罪集団が拡大

    増え続ける暴力事件 かつて家だった場所とその周辺に木材、断熱材、被覆材の破片が飛び散り、ぐちゃぐちゃに散乱している。吹き飛んだ窓ガラスの跡には、ギザギザになった破片だけが残っている。カーテンや衣服が散乱し、爆発の威力に押し流されている。 「ニュースで見るような、外国の戦争の現場のようです」と地元住民は言う。 しかし、ここは紛争地帯ではない。スウェーデン第4の都市ウプサラの、かつては平和だった地区だ。昨年9月28日に爆発が起こり、新人教員のソハ・サード(24)が巻き込まれて死亡した。この攻撃は、犯罪組織のメンバーの親戚と思われる隣人を狙ったものだった。 9月末にスウェーデンのウプサラで起きた爆発事件の現場 スウェーデンでは昨年後半、ウプサラとやその南に位置する首都ストックホルムで凶悪な暴力事件が相次いだ。9月から10月にかけての最悪の時期には、毎日のように銃撃や爆破、手榴弾による攻撃が起きて

    難民に寛容な福祉国家スウェーデンで「暴力事件」が急増した“不都合”な理由 | 移民統合の失敗で犯罪集団が拡大
  • 注目の展覧会でコラボする安藤忠雄とゾン・ファンジが語る「芸術と平和」 | アジアで最も成功した建築家と画家の対話

    2024年のヴェネチア・ビエンナーレでは、各国のパビリオンと併せて、アジアで最も成功した現代アーティスト、ゾン・ファンジ(曾梵志)と世界的建築家、安藤忠雄のコラボレーションが注目されている。2人の出会いや展覧会にかける思いについて、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が聞いた。 歴史あるイタリアの水の都で開催される現代アートの祭典、ヴェネチア・ビエンナーレ。まるで遠く離れた星座のような巨匠たちが、ここで相まみえる。ビエンナーレといえば各国のパビリオンが有名だが、同時期に開催される独立した展覧会も急増している。 なかでも今年最も注目されている展覧会は、ゾン・ファンジと安藤忠雄という、2人の巨匠のコラボレーションだ。ゾン・ファンジは60歳、北京を拠点とする画家である。途方もないスケールのキャンバスに、抽象と具象、東洋と西洋を流れるように横断する作風でよく知られる。 彼とタッグを組む安藤忠雄は82歳で

    注目の展覧会でコラボする安藤忠雄とゾン・ファンジが語る「芸術と平和」 | アジアで最も成功した建築家と画家の対話