近鉄百貨店は2029年2月期までに本店以外の店名から「百貨店」を外す。郊外や地方の店舗はアパレルなどのテナントを誘致する従来の百貨店モデルから脱し、日常使いの商業施設として生き残る姿勢を鮮明にする。とりわけ地方都市の百貨店をとりまく事業環境は厳しく、こうした動きが広がる可能性もある。秋田拓士社長が日本経済新聞の取材で「郊外店は『百貨店』という店名から脱出させて新しい施設に生まれ変わらせたい」と
supercub-anime.com 先日、アニメ『スーパーカブ』を見始めて、描かれている景色にガツンとやられた。物語が進展していくうちに少し和らいだと思いかけたけれども、修学旅行編を見るにつけても、いやいや、やっぱり『スーパーカブ』は2021年のある側面を上手にデフォルメした作品だと思い直した。 滋味深い作品が描く、富が失われたロードサイドの今 アニメ『スーパーカブ』の美質・美点はたくさんあって、たとえばバイクの駆動音、好ましい脇役たち、滲んだようでクッキリとした描画などは、視聴すればするほど好きになっていった。この作品の風景の切り取り方が、今は楽しみでしようがない。 もとより主人公の小熊が女子高校生だったり、ご都合主義的なデフォルメがついてまわる作品ではある。でも、それで否定しまったらあの作品もこの作品も否定しなければならないわけで、そこで減点するのはナシだろう。 『スーパーカブ』の主
ある日、イオンが消えてしまったら……。もはや生活の一部になっている大型ショッピングセンターの代名詞「イオン」の閉店を突きつけられた町が佐賀県にある。「イオンがあるから転居してきた」。そのイオンがなくなる。住民たちの思いと、他県での事例を追った。(朝日新聞鳥栖支局長・大野博) 【写真】今はもう見られない、あのピンクの看板…… 覚えてる?各地にあった「サティ」たち 栄枯盛衰がつきものの小売業界。中でも九州は「安売り競争が特に激しく、生き残りはたいへん」(関係者)という。 そんな中、佐賀県上峰町にある大型商業施設「イオン上峰店」が来年2月末に閉店することが決まった。 閉店決定を受けて記者会見した武広勇平町長の「イオンがあるから、と、この町に転居してきた人も多い」という発言に象徴される通り、閉店が正式に決定したことによるショックは大きい。 「このあたりでは、久留米の街中にでも住まない限り、年をとっ
8月最初の週末――。昼下がりに訪れた西武筑波店はひっそりとしていた。夏休み真っただ中にもかかわらず、家族連れを目にすることはほとんどない。1階の和菓子、洋菓子エリアには数人の客のみで、従業員のほうが圧倒的に多かった。 売り上げはピーク時の半分 セブン&アイ・ホールディングスは8月2日、傘下のそごう・西武が運営する百貨店2店の閉店を発表した。西武筑波店(茨城県つくば市)と西武八尾店(大阪府八尾市)で、2017年2月末に閉店する。5月に就任した井阪隆一・セブン&アイ社長の体制となって初めて実施される構造改革となる。 今回閉店が発表された西武筑波店は、国際科学技術博覧会(つくば科学万博)が開催された1985年に開業。家族連れやシニア層を中心ににぎわい、1991年度には過去最高となる248億円の売り上げを記録した。だが、そこを境に業績は低下の一途をたどる。直近の2015年度の売上高は128億円と、
地方や首都圏郊外に立地する百貨店が苦境に追い込まれている。百貨店業界は訪日中国人のインバウンド消費や、株高の勢いに乗った国内富裕層による高額消費を謳歌してきたが、それは都心に店舗を構える大手に限った話だ。 その大手でさえ、売り上げが好調に推移していたのは昨年の10月まで。インバウンドや宝飾品などの高額消費は引き続き高水準だが、11月以降は暖冬の影響もあって単価の高いコートなどの重衣料が苦戦を強いられ、月次ベースで前年実績を下回るところも出始めた。 地方百貨店は赤字転落や大幅減益に沈む 元々インバウンドも高額消費もない地方百貨店はさらに深刻だ。主な上場企業の2015年度決算は、第3四半期まで赤字であったり、通期予想で大幅減益を予想しているケースがほとんどだ。 要因として地方経済の停滞が挙げられる。主力商材である中価格帯の衣料品販売は、ユニクロなど専門店の攻勢を受けて年々縮小している。アベノミ
前々回のエントリーにだいぶ意見が寄せられたので、少し応えていきます。 えー、まず、私のエントリーはこれ単体ではありません。「自滅する地方」シリーズとしてタグを付けてありますので、ちょっと覗いてみてください。 私を都会者の発想、と云った人がいましたが、私の住んでいるのは沼津より田舎の中部地方ですから。 自滅する地方、とシリーズタイトルを付けた理由ですが、自治体が中心市街地活性化策と郊外化を同時に推し進めている事からそう名付けました。 もともと、中心市街地が空洞化するのは郊外化を進めたからです。道路新設・延伸・拡幅、そして区画整理事業を行なえば、自動車利用が便利で地価も安い郊外へ人が移動するのは当然です。当然起こり得る現象に対して、中心市街地活性化を行なっても効果があるわけがありません。また、この中心市街地活性化策の多くが、中心市街の道路新設・延伸・拡幅と区画整理事業、そして大規模複合施設建設
「島津さん、(不動産担当なのに)知らないって、モグリですよ…」 7月下旬。筆者は不動産調査会社の東京カンテイを訪れていた。本題は都心部のマンション価格だったが、脱線してバブル期の不動産価格について、同社の上席主任研究員である井出武氏に質問した。ちょうど日経ビジネス8月3日号でバブル入社組をテーマとした特集を担当していて、頭の中がバブル期のことで一杯だったからだ。 井出氏:バブルのころは、都内では戸建てもマンションも軒並み1億円超えですよ。都心部では18平米のワンルームで5000万円超えという物件もありました。一般的な給与水準では、ファミリータイプのマンションなんて、とてもじゃないが買えなかった時代です。 筆者:(データを見ながら)去年ごろから住宅価格が値上がりしていますが、バブル期の価格は比べ物になりませんね…。戸建てを買いたい人はどこで買っていたんですか? 井出氏:山梨ですよ山梨。新宿ま
5月末、大手家電量販店チェーンのヤマダ電機が46店舗を閉鎖した。5月25日に発表した時点ですでに3店舗を閉鎖済みであり、残りの43店舗については発表直後の閉鎖となったため、地域の消費者や従業員を驚かせた。 一方、年内に新規出店も行う予定であり、ヤマダとしては「店舗のスクラップ&ビルド」だとしている。閉店するのは、テックランドNew江東潮見店(東京都江東区)、同名古屋南丹後通り店(愛知県名古屋市)、同枚方店(大阪府枚方市)、同新南陽店(山口県周南市)など地方や郊外にある不採算店が中心。これまでの拡大路線を転換し、東京・八重洲など都市部の大型店や免税専門店といった収益力の高い店づくりに注力するとしている。 日本全国津々浦々に、家電の大型量販店舗を展開する。自社だけの店舗展開だけでは間に合わなければ、業界他社をM&A(合併&買収)して「マーケット・カバレッジの最優先」という戦略を徹底する。これが
私は、大の「地方都市」好きです。気がつけば、地図を片手にこれまで47都道府県300以上の地方都市を訪問していました。私のライフワークでもある、「空想地図(実在しない都市の地図)」の制作の参考にもしていますが、最大の目的は、地方都市の日常に浸ること、です。 なので、地方都市に行く時には新幹線や特急を使いません。飛行機でワープすることはありますが、基本的には普通列車(いわゆる鈍行、各停)か路線バスで向かいます。遠出する際の非日常の乗り物ではなく、ほとんど地元民しか使わない交通手段に乗ってこそ、地元に浸ることができるからです。 気分だけではありません。本数が多いところや、途中乗客が増えるところは、日常的に人の移動が多いことが読み取れます。都市のサイズ感や、その街のコアがどこにあるのか。そういう手応えが、自分の実感として伝わってくるのです。 地方都市の地図をチェックし、ルートを確認した私が地元の乗
総合スーパー(GMS)業界が苦戦する今、地方のとあるスーパーが好調である。 広島県に本社を置き、中国地方や四国、九州で、ショッピングセンター(SC)「ゆめタウン」などを展開する、イズミだ。4月7日に発表した2015年2月期の業績は、主力のSCやGMS、スーパーマーケット(SM)が好調に推移し、売上高は前期比4.1%増の5797億円、営業利益は同4.2%増の303億円。それぞれ5期連続、3期連続で過去最高を更新した。 2014年4月の消費増税以降、衣料品や住居関連品は前年をやや下回ったが、主力の食料品部門が伸長。高級和牛などの精肉や凝った総菜など、付加価値の高い品ぞろえを充実させたことで、シニア層を中心に支持された。価格感応度の高いヤングファミリーを中心に客数が減ったものの、シニアの旺盛な需要を背景に客単価が増え、既存店売上高は通期で前期比1.8%増となった。積極的な既存店改装も効き、SCが
空き家の問題を語る時は、色んな話がごちゃまぜになりがちなので、 ガッツリボジショントークで、解説してみることにする。 要は「固定資産税が変わらずに、撤去費用役所持ちなら、何が変わる?」という話。 みんな空き家買おうぜ。 空き家の4分類NHKの「郊外住宅地の見えない空き家」では、あえて郊外という高度成長時代の職場から離れたベッドタウンに焦点を当てている。 ただ、途中のグラフでも上手いこといってないように、東京の単身・老人世代が多いとか、ちょっとチグハグだ。 まず、「空き家」を、理解しやすいように4つに分類しておこう。 賃貸前思い出の家バブルの残り香廃墟賃貸前本来は「郊外住宅地の見えない空き家」には入らない話なんだが、グラフにすると入ってきちまう。 古くなってきたワンルームマンションで、学生が減ると、まあ空くよね。 あとは、地方の一戸建て。誰も借りない。不動産屋でも持て余し気味。 借り手の権利
「地域包括ケア・コンパクトシティによる財政効率は約2200億円か」などの回で、「地域包括ケア・コンパクトシティ」構想を提唱した。これは「地域包括ケアシステム」と人口集約を図る「コンパクトシティ」とを融合するもの。人口減少・超高齢化が急速に進む日本において、「財政問題」「急増する都市部高齢者問題」「消滅の危機に直面する自治体問題」といった3つの問題に対応するための措置だ。 「地域包括ケア・コンパクトシティ」を推進するための財源スキーム案や推進した場合の財政面の効果(人口集約によるコスト節減効果)についても説明した。粗々の試算では、「地域包括ケア・コンパクトシティ」を推進するために想定した年金給付1%削減(=約5000億円)で調達した財源のうち、半分を節減できる可能性を示した。コンパクトシティ化を進め、人口を集約することで、この効果が発生する。 また、「急増する都市部高齢者の介護ニーズにどう対
空き家率40%時代に備えよ! 田原総一朗が迫る、日本の空き家問題 『空き家が蝕む日本』著者・長嶋修氏に聞く 情報 #新刊インタビュー#空き家が蝕む日本#都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案 日本の空き家率は増加の一途――。7月に総務省発表によると、全国の「空き家率」は820万戸となり、総住宅数に占める割合が13・5%と過去最高を更新した。社会問題化しつつあるこの「空き家問題」に、どう対処すべきなのか。田原総一朗氏が、『「空き家」が蝕む日本』の著者・長嶋修氏にインタビューし、不透明な不動産取引の実態、「新築ありき」の政策や人口減少との関連など、「空き家問題」の本質に迫った。 田原 まず、長嶋さんの『「空き家」が蝕む日本』を読んでびっくりしたのは、マンションの空き家率が、千代田区36%、中央区28%、荒川区19%。なんでこんなに高いんですか? 地方や東京の郊外ではね、古くなった公団住宅や
小学校の低学年で自転車に乗り、高校時代は原付きを転がして、18歳で自動車の免許を取得したから地元の街を歩いて廻った経験がない。 最近運動不足が気になって散歩をするようになった。 ダイエットも兼ねているのだがその効果はないようだ。なにせカメラを持ってかなりゆっくり歩いているから消費カロリーは低いのだろう。 生まれ育った街なのに歩いてみると存外知らないことが多い。 歩くことで車では気がつかなかった風景が見えてくる。 路傍に咲く名も知らぬ花。ブロック塀の隙間からこちらを覗く犬。ボンネットの上で欠伸をしている猫。干した布団を叩く音。電信柱に貼られている卑猥な広告。 散歩中に一枚 車では決して気が付かないそんな光景を楽しみながらゆっくりと歩いている。 時折気になったものがあればバッグからデジカメを取り出して撮影する。 まあセンスが無いからいい写真なんかは取れないのだが散歩のたびに何枚か撮る。 いい写
「マイルドヤンキー」という言葉があぶり出した日本の階層:日経ビジネスオンライン 私もリンク先の視点に賛成だ。 若者文化の表象を理解する糸口として「ヤンキー」「マイルドヤンキー」といった言葉を用いるのは悪く無いと思うし、そこからマーケティング論を展開するのも面白い。だが、そういうストーリーから「マイルドヤンキー=貧困」となり、あまつさえ「マイルドヤンキー=みんな馬鹿」的な誤解を生みそうになっている現状は、ウヘェ、と思わずにいられない。 予め断っておくと、原田曜平さんの『ヤンキー経済』も、斉藤環さんの『世界が土曜の夜の夢なら』も、とても興味深く、面白い本だ。前者はマーケティングの視点からヤンキー的地方民を書き綴った本だし、後者はヤンキー先生こと義家弘介さんのヤンキースピリットに潜む反知性主義を指摘し、ヤンキー→ヤンキー的なものへの変遷を知るヒントを彩り豊かに紹介している。 だが、こうしたヤンキ
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