未来の医療では、患者自身の細胞から作られた小さなバイオロボットが、神経の傷を治し、がんを発見し、薬を体内の必要な場所に送り届けるようになるかもしれない。 米国の研究チームが人間の気管細胞から作り出したオルガノイドの一種「アンスロボット(anthrobot)」は、小さな付属器官で自ら動き回り、神経細胞につけられた傷に集まると、なんとそれを修復してしまうのだ。 『Advanced Science』(2023年11月30日付)で発表されたこの生きたバイオロボットには、傷の修復だけでなく、「汚染物質や発がん性物質のスクリーニング」から「薬の運搬」や「健康状態のモニタリング」まで、生きたロボットならではのさまざまな役割を果たしてくれるかもしれないそうだ。