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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (163)

  • nix in desertis:2023年の視聴アニメの感想

    去年の。4ヶ月遅れながら,書かないと2023年が終わらないので書いておく。感想コメントをつけられるものはつけ,何も思い浮かばなかったものは作品タイトルだけ。全般的にネタバレは回避していない。フリーレンと薬屋は2024年扱いとすると,2023年は2022年に比べて原作付もオリジナルも不作だった。 <冬> 『もういっぽん!』 2023年面白かったアニメ1位。というよりも,続き物を除くと,2023年で推せるアニメ(2022年の4位までと遜色がないアニメ)がこれしかない。女子柔道のスポ根。原作者が柔道物の漫画を描こうとするも,柔道物という時点で連載会議の俎上に上がりにくく苦心惨憺,いっそのこと女子柔道にするかと描いたらこれが当たったというような経緯がpixivに投稿されていた。それでも女の子が上手く描けないと悩んでいるようだが,原作の絵柄もアニメの絵柄も十分に可愛いと思う。 スポ根アニメが好きな人

  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国公立大)

    1.共通テスト 世界史A <種別>難問 <問題>1 問6 文章中の空欄〔 エ 〕の都市の歴史について述べたうとえの正誤の組合せとして正しいものを,後の①〜④のうちから一つ選べ。〔 6 〕 (編註:空欄エは南京を指す。) う 太平天国が都を置いた。 え 李自成によって占領された。 ① う−正  え−正 ② う−正  え−誤 ③ う−誤  え−正 ④ う−誤  え−誤 <解答解説> うは基礎知識で正文と判断できるが,えは順王朝の支配領域なんて世界史Bでも習わないし早慶でも出ない。超難問である。順の最大領域は華北に限られるので,えの文は誤文であり,正解は②となる。作問者はおそらく「北京」と「南京」を入れ替えて誤文という極めて安直な発想で作ったと思われるが,こうした正誤判定の作問では入れ替える前後で比較するだけでなく,入れ替えた後の文単体で判断して妥当かどうかを検討する必要がある。問は検討不十分

  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

    昨日の続き。日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は16問であるが,そのうち2つの学部が10問を占めた(教育と商)。昨年もそうだったが,偏りが激しい。 18.早稲田大 文化構想学部 <種別>難問 <問題>2 設問7 下線部Gの事態は(編註:アメリカ大陸にはそれまで存在しなかった感染症が持ち込まれ,ヨーロッパ大陸にはトウモロコシやトマトなどがもたらされた),アメリカ大陸に到達した航海者の名にちなみ,何と呼ばれるか,記述解答用紙の所定欄に記しなさい。 <解答解説> 盲点事項。歴史好きは当たり前に使っている言葉だが,言われてみると高校世界史にはなかった。正解は「コロンブス(の)交換」。なお,新課程の世界史探究の教科書・用語集には記載されるようになった。フライング出題である。 19.早稲田大 文化構想学部(2つめ) <種別>難問 <問題>3 次の史料は,桑原隲蔵『考史遊記』(岩波書

  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

    今年も書き上げることができたので公開する。いきなり告知から入るが,もうすぐ4巻が発売する予定なので,お買い求めいただけると幸いです。4巻の校正作業はほぼ終わっているが,この2024年の記事と作業時期が重なったので,今年は少し大変だった。 【速報】突然ですが『絶対に解けない受験世界史4』を出版します! 著者は稲田義智さん@nix_in_desertis です! https://t.co/orMarDPCeo pic.twitter.com/bMYXPPMiss — パブリブ (@publibjp) March 15, 2024 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せ

  • nix in desertis:2023年6月に行った美術館・博物館(ブルターニュ展2つ,マティス展)

    SOMPO美術館のブルターニュ展。偶然か作為かはわからないが(事情を知っている人がいればコメント欄でご教示いただけるとありがたい),2023年の6月に西美とSOMPO美術館でブルターニュ展がかぶった。ブルターニュはフランスの辺境で独自の文化を維持した地域であり,近代になって鉄道が通ると観光地として人気を博すことになった。そこには都会化し,過度に洗練化されたパリとは異なる,粗野で素朴で敬虔な人々と,波高く険しい断崖に代表される荒々しい風景が都会に疲れた人々を出迎えてくれるのであった……という説明だけで気づく人は気づくところで,数々の絵画を鑑賞して感じたのは,どう考えてもこれは身近なオリエンタリズムである。しかも距離が近すぎるがゆえに当事者たちが気づきにくいたぐいの。とするとそこを批評するのが展覧会の役目なのではないかと思うのだが,どちらの企画展もその方向性での批評性は高かったとは言いがたい。

  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国立大)

    昨日の続き。日は国立大をお届けする。集まったのはいつもの面々であった。一番注目されるべき問題が共通テストの日史Bだったりするのは例年と少し違うところかもしれない。長くなったのでおまけは無し。東京外大は未入手。 1.共通テスト 世界史B <種別>??? <問題>3 C 中国における書籍分類の歴史について,大学生と教授が話をしている。 内 藤:18世紀の中国で編纂された〔 オ 〕の「四」という数字はどういう意味ですか。高校では用語として覚えただけで,深く考えませんでした。(編註:空欄オの正解は『四庫全書』) 教 授:〔 オ 〕に収められた書籍が,四つに分類されているためです。これを四部分類と言い,経部・史部・子部・集部からなります。 内藤:なるほど,例えば儒学の経典なら経部に,歴史書なら史部に分類されているという具合でしょうか。 教授:そのとおりです。史部について少し具体的に見てみましょう

  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

    昨日の続き。日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は14問であるが,そのうち3つの学部が10問を占めた。少し偏っている。 〔番外編〕早稲田大・文化構想学部 <問題>5 設問3 図Bは,フランスの画家ピュヴィ=ド=シャヴァンヌが1871年から1872年にかけて「希望」をテーマに制作した作品の1点である。ここでは,白いドレスを着た女性が平和を意味する小枝を持ち座っているが,その背景には荒涼とした風景が広がり,墓地や十字架が見え戦争の痕跡がうかがえる。この絵の構想の着想源となった,製作時期にもっとも近い年代に行われた戦争は何か。次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙の所定欄にマークしなさい。 ア ライプツィヒの戦い     イ アロー戦争 ウ プロイセン=フランス戦争  エ クリミア戦争 設問4 図Bについて適切に説明している文章を,次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙

  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

    今年も無事に公開に至ることができた。3巻が好評発売中なので,過去の年度,特に早慶・国公立以外を見たい方はぜひお買い求めください(初手宣伝)。 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作問者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用

  • nix in desertis:高校世界史における「古代」と「中世」の切れ目はいつか

    久々の高校世界史深掘りシリーズ。時代の区分はそれを定めた人の歴史観が現れるところであり,好きに定めてくれればよいし,便宜的なものだから不要なら決めてくれなくていいものである。とはいえ設定してくれた方が教育や議論の上で便利なのは,高校世界史でも同じである。教育指導要領では,中世と近世の切れ目と,近世と近代の切れ目が定められている。中世と近世の切れ目は,東アジアは明の成立(1368年),東南アジアは15世紀,南アジア(インド)はムガル帝国の成立(1526年),西アジアと中央アジアはティムール朝とオスマン帝国の成立(1370年・1300年頃),ヨーロッパは15世紀(象徴的な年号で言えば1453年だがバラ戦争は中世で扱う)である。一見すると法則性が無いように見えるが,どの地域もモンゴル帝国の解体と大航海時代(大交易時代)の始まりの影響という共通点があり,異論が出にくい切り方だろう。近世と近代の切れ

  • nix in desertis:2022カタール・ワールドカップのグループリーグに見る世界史

    ブログの恒例企画なので。2018年の。 グループA(オランダ・エクアドル・セネガル・カタール) 関係が非常に薄そうな4ヶ国に見えるが,実はセネガルにある負の世界遺産ゴレ島をオランダが使っていた時期がある,つまり奴隷貿易という意外な接点がある。ゴレ島は17世紀後半に英仏と三つ巴で取り合いとなり,最終的にフランスが対岸のセネガルとともに占領した。なお,黒人奴隷貿易の輸送数ではポルトガル・イギリスが圧倒的に多く,次いでフランス,4番目がオランダである。オランダに黒人奴隷貿易当事国のイメージがあまり無いかもしれないが,17世紀の時点ではポルトガルに次ぐ主要国であった。18世紀に入ってから英仏が急速に輸送量を増やし,オランダを抜き去っていく。ゴレ島がフランス領となったのはその端緒である。他はちょっと見当たらなかった。ロイヤル・ダッチ・シェルがカタールの油田開発にかかわってたりしないかなと思って調べ

  • nix in desertis:「正解」に対する権力性において,受験国語は地歴より重いのかもしれない(2022年早稲田大・教育学部国語の問題について)

    「正解」に対する権力性において,受験国語は地歴より重いのかもしれない(2022年早稲田大・教育学部国語の問題について) ・入試国語選択問題の「正解」について――早稲田大学教育学部の説明責任/重田園江(SYNODOS) → 例の企画をやっている人間として非常に共感する記事。入試の国語は著者が解いても満点にならないことは多々ある。それは,入試問題では抜粋された文章のみを用いて解答を出さねばならないところ,著者は抜粋されていない部分の文章を含めた周辺情報を豊富に持っているので,どうしてもそれらも加味した解答を出してしまうため。また,著者はその分野の専門家であっても受験国語の専門家ではないので,受験国語のお約束を外した解答を出してしまうためである。しかし,稿をでは著者の重田先生はこれらの点に自覚的で,予備校の解答速報との比較も出しての慎重な検討を行い,これらを克服している。非常に誠実な批判である

  • nix in desertis:西美リニューアル展の感想と,展示のドイツ・ロマン主義風景画の解説

    西美のリニューアルオープン記念展示。西美の所蔵品と,ドイツのフォルクヴァング美術館の所蔵品から,様々な風景画を展示したもの。展は西美の所蔵品が多かったこともあって写真撮影がほぼ全面的に解禁されており,ツイッタラーとしては大変にありがたい展覧会であった。風景画好きとしてはそれだけでも嬉しいが,展はサブタイトルが「フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」で,つまりこれはフリードリヒがモネやゴッホと並ぶ売り文句になるところまで出世したことを示しており,私としては喜ぶほかない。マイナーキャラを細々と推していたら突然劇場版で主役に抜擢された気分である。まあ,フリードリヒは実際にはそこまでマイナーキャラというわけではないのだが…… ついでにリニューアルされた西美の建物について,先に触れておこう。今回の改装はル・コルビュジェの当初の構想に戻す意図があったそうで,前庭がずいぶんとすっきりしていたの

  • nix in desertis:いつまで草ではなくwを引っ張れるだろうか

    ・いちフェミニスト温泉むすめに願うこと(増田) → 3記事に及ぶ大作の旅行記と,温泉むすめという企画への批評。私は温泉むすめがそこまで好きなコンテンツというわけではなくて,行った温泉地にポップがあれば写真を撮るか程度の付き合いではあるが,けっこう共感するところが大きい。結果的に無意味または逆効果な設定が削られて,こうした騒動の中ではそれなりに意味があった,良い地点に落ち着いた部類のものだったのではないかと思うところは同感である。 → 自分も温泉巡りが以前からの趣味だったので温泉むすめは立ち上げからさほど時間の経っていない2017年4月頃から一応知っているが,目を離している隙にキャラがどんどん増えていて,一人一人の原画が違う割に急速に増やしているなという印象だった。似たようなところは初期のデレマスや艦これにもあったが,あれらと違うのは,デレマスは完全なオリキャラ,艦これは元ネタとキャラの距

  • nix in desertis:【2022年版】上智大神学部の〔学部独自試験〕入試問題を解いてみた

    昨年に問題が独特すぎて物議を醸した上智大・神学部の入試問題であるが,今年の問題も赤に掲載されていたので早速解いてみた。結果から言えば,方向性は維持されていたが,随分と簡単になっていた。何よりも大きな違いは問題数である。2021年度には試験時間75分で,記号選択・語句記述問題が60問ほどに加えて,600字の論述問題が2問という分量であったが,2022年は試験時間75分は変わらず,記号選択が6問+語句記述が8問に,論述が40字が1問と200字が1問の計2問だけであった。記号選択・語句記述問題が約1/4に,論述問題が20%に減ったということになる。これだとかえって時間が余るのではないか。 それでも赤は昨年同様に解答例を省略していた。通常の科目に当てはまらないものは解答を載せないという方針があるらしいことに加えて,解答者が確保できないために省略していると思われる。とはいえ赤が載せていないとい

  • nix in desertis:一般向け世界史概説書の書評(『市民のための世界史』・『歴史学者と読む高校世界史』・『東大連続講義 歴史学の思考法』)

    数年単位で蓄積されてしまったので,ここらでまとめて放出。 『市民のための世界史』(大阪学歴教育研究会編,大阪大学出版会,2014年) 大阪大学の歴史家たちが, ・既存の世界史の概説書は文系,特に文学部の学生や卒業生を主眼としていて「教養課程」の教科書として難しすぎるものが多い ・既存の高校世界史は用語の分量が多すぎることを問題意識として,可能な限り固有名詞を排した教科書を作成したらどうなるかを試したい という目的で制作した世界史の教科書である。そのため,序章でやや長めに歴史学を学ぶ意味や効用について語られている。加えて概念的な歴史用語や基礎的な地理の説明が詳しいのも目的に沿っている。しかし,固有名詞は確かに数が少なくなっているが,マイソール王国のティプ・スルタンやジェニー紡績機のようなものが登場しており,その後の高大連携歴史教育研究会の「歴史系用語精選案」の動きなどを考えるとまだまだ多

  • nix in desertis:2022年度・大阪大・地理の出題ミスについて

    大阪大学 文学部入試で地理の問題に誤り 新たに1人を合格に(NHK) ・大阪大で入試出題ミス、1人追加合格 地理歴史のグラフ数値に誤り(毎日新聞) 先日,大阪大学の今年の入試で,地理で今更出題ミスが発覚したというニュースがあった。調べてみたらこれがいろいろと興味深かったので紹介する。まず,その問題について。阪大自身が公開しているが,該当する問題だけここに書き写しておく。 大問1 問1 下の図1は,いくつかの地域の2018年における国際観光客到着数と伸び率(前年比)を散布図で表したものであり,図中の円の大きさと円内の数字は国際観光客出発数(単位:100万人)を示したものである。また,次ページの表1は同年における国際観光客の発地と着地との関係を示す資料である。図1と表1を参考にして,発着地の関係に言及しながら世界の国際観光客流動について説明しなさい(150字程度)。 このうち,誤りがあったの

  • nix in desertis:半年経ってから衆院選を振り返る

    ・衆院選 全議席決まる 自民「絶対安定多数」維新は第三党に躍進(NHK) → 2021年11月の衆院選について。この選挙で感じたのは立憲民主党の立ち位置の難しさで,共産党と選挙協力をしなければ左派の票をい合い,共産党と歩調を合わせると中道寄りの浮動票が逃げていく。共産党が日の選挙風景を形作っていて,共産党との票のい合いがあるから日の野党は弱いのだという主張は古くからあるが,今回も結局そういうことになってしまう。これを解決するためには,という意見は共産党員の紙屋氏が出している通り。 ・野党共闘は「見直す」べきだ(4年ぶり2回目)(紙屋研究所) → しかし,立民幹部としてはこの選挙の時点で中道右派を切り捨てたつもりはなく,共産党と政策をすり合わせたつもりも無かっただろう。だが,世間はそう判断しなかった。立民はもっと強く,過剰気味に「政策は違う面もある」というアピールをすべきだったのかも

  • nix in desertis:アイマス各ブランドの戦略とか

    ・ミリシタのアイドルたちって、実は魅力無い?(増田) → (残念ながら)割りと同意できる記事。デレマスが「濃いキャラを多めに用意した,誰かは刺さるやろ」という戦略で成功したのに比べると,ミリマスは「数は絞ったので,これから皆でキャラを深めていこうな」って作りだったために,入り口の狭さで負けた感ある。入り口の広さは大事というのを再確認させられたような。私自身ミリマスのアイドルは全員認識するまでにけっこう時間がかかった。やはりスタート時点での余白が多すぎて,もう少し素材の味が必要だった。 → 加えて言えば,確かに37(39)人は約200人に比べれば少ないが,13人に比べればかなり多い。人数が少ないほど公式はリソースを注ぎ込みやすいのだから,時間をかけてキャラを深めていくなら数は絞った方がいい。13人と合わせて50人というのはその戦略をとっていくにしては多すぎた。実のところ分け方も問題で,プリン

  • nix in desertis:2022受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国立大)

    昨日の続き。日の国立大でラスト。名古屋大が大きく報道されていた出題ミスを含む3つ,京大1つ。おまけで一橋大のレジェンドシリーズの解説を付した。千葉大と東京外大は未入手である。 1.名古屋大 <種別>出題ミス <問題>1 中国史上しばしばあらわれた「乱」には,乱徒が身につけたシンボルや反乱首謀者の名をとって命名される場合が多い。(編者により中略)〔 ⑦ 〕の乱(唐),〔 ⑧ 〕の乱(唐末),〔 ⑨ 〕の乱(明末)などは後者である。 (編者により中略)事実,隋末の乱は中国史上で最大規模の乱であり,四川を除く中国のほぼ全域を巻き込んだ。その特徴は極めて土着性の強いことにあり,典型的な群雄割拠の情勢をつくりあげた。この点は,唐末の〔 ⑦ 〕の乱が〔 ⑫ 〕の商業経路を利用して非常に流動的な動きを示したことと対照的である。つまり, 隋末と唐末の反乱の動きの違いは,〔    ⑬    〕ことを物語っ

  • nix in desertis:2022受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

    〔番外編4・5〕早稲田大 文学部 <問題>3 設問4 下線部dに関連して(編註:ノルマン人はドニエプル中流域のスラヴ人地域にまで進出し,先住民と同化しながら公国を形成した),この国の王でギリシア正教に改宗し,これを国教とした君主の名を記しなさい。 設問5 下線部eに関して(編註:ノルマン人にはシチリアと両シチリアを征服する者も出て,彼らは同地で王国を建国した),最も適切なものを選びなさい。 イ この王国ではムスリムがキリスト教への改宗を強制され,彼らはモスリコと呼ばれて迫害を受けながら生活した。 ロ この王国はビザンツ帝国の一部となり,ギリシア正教世界の一員として地中海世界で繁栄した。 ハ この王国の王都パレルモでは,アラビア語の文献がラテン語に訳され翻訳活動の中心になっていた。とくにイブン=ルシュドがアリストテレスの翻訳を行ったことで有名である。 ニ この王国では13世紀に「シチリアの晩