■潘文忠教育部長(教育相) ――台湾の公教育にとって実験教育が大切なのは、なぜでしょうか。 台湾は1949年から87年まで、戒厳令下にありました。解除後の開放的な社会の空気のなかで、さまざまな民主化の動きとともに「大人数の一斉授業をやめて小さなクラスをつくろう」とか「もっと学校をつくろう」といった教育改革を求めるデモが起きました。こうしたなかで、保護者たちは自分の子が学校に合っていなかったり、不登校の兆候が見られたりすると「ほかの選択肢はないか」と考えるようになり、90年代には自らの手で学校を設立するようになったのです。 台湾の潘文忠・教育部長(教育相) 政府側もそうしたニーズにこたえなければと思うようになり、99年の教育基本法で、こうした体制外の教育を法律で規定しました。それでも保護者たちは大変だったと思います。子どもが小学校を終えれば次はどうしようと、ひとつずつ段階を追って歩いていかな