イルカに触れると、ストレスが軽減する-。こんな効果を科学的に実証しようと、南知多ビーチランド(美浜町)で同朋大(名古屋市中村区)の川乗賀也(よしや)准教授が研究を進める。ビーチランドを運営する名鉄インプレスと大学が28日、研究に向けて協定を結んだ。
駒ケ根市は、九州大学発のベンチャー企業でワクチン開発などを手掛ける「KAICO」(福岡市)と連携し、来年度から、蚕を医薬品に活用することで新たな養蚕業を創出するプロジェクトに取り組む。市内で蚕を飼育して生産した繭を提供、同社は繭内のさなぎを経口ワクチンの原材料として活用する計画。市は蚕の飼育規模を拡大することで、地域経済の活性化をはじめ、耕作放棄地や空き家の減少などにつながることを期待。プロジェクトスタートに伴い、両者は26日、地方創生に向けた連携協定を結んだ。 KAICOは、独自の技術で、さなぎを使った口から飲む「経口ワクチン」の開発に取り組んでいる。来年度は、飼育された豚用に開発した、下痢を起こす病気にかかりにくなるワクチンの販売をベトナムで始める計画だ。これに伴い、来年度は50万頭のさなぎが必要になるといい、提供元を探していた。駒ケ根シルクミュージアム館長で、九州大学名誉教授の伴野豊
中央アルプスで国特別天然記念物ニホンライチョウの「復活作戦」に取り組む環境省信越自然環境事務所(長野市)は、動物園で人工ふ化したひなに野生個体由来の盲腸糞を与えて野生復帰させるプロジェクトを2024年度から取り組む。15日にオンラインで開いたライチョウ保護増殖検討会で決まった。これまで実現できていない中ア由来でない個体の野生復帰技術の確立に期待が寄せられる。 野生のライチョウは、餌である高山植物に含まれる毒素などの消化のために独自の腸内細菌を持っている。また、野生個体の大半が特有の2種の寄生虫に感染しており、野生では、母鳥の盲腸糞をひなが食べることでこれらへの耐性を獲得している。しかし、国内の動物園で飼育されているライチョウの大半が人工ふ化で生まれ、腸内細菌や寄生虫への耐性がないことから、野生復帰が困難であることが課題となっていた。 しかし、中部大(愛知県)の牛田一成教授らの研究により、野
富士見台の火災延焼地で開花したニッコウキスゲ。県環境保全研究所の調査で動植物に大きな影響は見られなかった=昨年7月6日 茅野、諏訪両市にまたがる霧ケ峰で昨年5月に起きた林野火災で、県環境保全研究所(長野市)は植生影響調査の中間報告をまとめ、29日の霧ケ峰自然環境保全協議会で示した。延焼地内のレンゲツツジに焼けた影響が出たものの、ニッコウキスゲをはじめとする草本植物の生育や昆虫、鳥類の生息に影響は見られず、「生態系への深刻な影響は生じていないと推察される」とした。調査は来年度も継続する。 植生影響調査は、ニッコウキスゲ群生地が焼けた富士見台(諏訪市)、延焼を免れた車山肩(同)などで夏季を中心に実施。ベルト状の調査区内に出現した花の種類や数を目視で確認し、小型無人機ドローンと衛生画像も活用しながら生育状況や植生の回復状況を調べた。 同研究所の須賀丈自然環境部長は、ニッコウキスゲを含む多くの草本
県諏訪地域振興局は15日、諏訪市豊田沖の諏訪湖に試行的に造成した浮き魚礁(人工の魚のすみか)を報道関係者に公開した。水生植物を生やすいかだ状の浮き9基を湖面に浮かべたり、直下の湖底に自然石を積み上げたりして魚介類の生息環境や産卵空間を創出。諏訪湖漁業協同組合や県水産試験場諏訪支場と連携し、在来の魚やエビ類が増えるかを中長期的に調べる。 県民や団体、企業などからの提案事業を県が選定し、予算化する県民参加型予算の事業。諏訪湖漁協が提案し、今年度当初予算に事業費が計上された。諏訪湖創生ビジョンで掲げる「生き物と共存する諏訪湖」や生態系、漁獲量の回復を目指す。 9基の浮きはいずれも2メートル四方で、旧六斗川の河口沖に浮かべて固定した。木枠の中には諏訪湖畔の土を敷いており、自然に草木を生やしたりヨシやマコモを植栽したりして根を水中に伸ばす。湖底には約100立方メートルの自然石を積み上げ、魚類が石のす
里地でツキノワグマの目撃情報が多発したことを受け、県は13日、大量出没が懸念される場合に発表する「警報」の導入や地域を分けて対策を行う「ゾーニング管理」の導入促進、捕獲の判断基準の明確化などを掲げた今後の対策のたたき台を示した。 クマの出没は、秋の主食となるドングリなどの「堅果類」の豊凶が影響しているとされる。県は実り具合や目撃件数などを踏まえた地域ごとの「警報」を導入する方針。県民に広く注意を呼びかけるほか、警報発表時は捕獲したクマを山に戻す「学習放獣」は行わないなどとしている。...
信州大教育学部(長野市)の森林生態学研究室は25日、県内の動植物に関する研究成果を発表する「信州生態研究会」を松本市の同大松本キャンパスで開いた。北アルプス上高地(松本市安曇)のニホンザルがイワナ類を食べて冬を乗り越えることを発見した研究の報告などがあり、研究者や学生ら約30人が聞いた。 信大などの研究チームは2021年、ニホンザルのふんのDNA解析からイワナ類を恒常的に食べていることを明らかにした。22年には上高地に設けたセンサーカメラなどで猿が魚を捕獲する映像の撮影に世界で初めて成功した。 この日、研究会で発表した同大理学部特任助教の竹中将起さん(33)=発生遺伝学=は食料が少なく、地形や湧水など上高地の特殊な自然環境に猿が適応し、魚を捕まえる行動を身に付けた可能性がある―と指摘した。 猿は川で魚を探す際に仁王立ちし、捕まえるとすぐに魚の頭をかじって絞める行動も見られたという。両手で捕
エサをあげて水も替えたのに、なんで死んじゃったの――。岐阜市立岐阜東幼稚園で、水槽にいたコイ科の川魚カマツカが動かなくなった。「エサが少なかったんだ」「友だちがいなくて寂しかったんだ」。原因をいろいろ考えた園児たちは、「おじさん」に聞いてみることにした。 年少児と年中児は10月下旬、希少植物・ヒメコウホネが群生する岐阜市達目洞(だちぼくぼら)に遠足に出かけた。市民団体「達目洞自然の会」や市職員に、自然環境や生き物のことを教えてもらった。地域を流れる川の下流にいて、希少種ではない在来魚のカマツカやヌマムツ、アブラハヤ、エビなどを園に連れて帰った。 エサをあげすぎないように、水槽に入れていいエサは1人2粒まで。エサを多く食べる魚がいると、ほかの魚が困らないように別の水槽に移した。でも、カマツカの体は白くなって、今月14日に死んだ。 「達目洞のおじさんを呼ぼう」「賛成」。年中児が提案した。 21
カラスによる変電設備の故障や停電を防ぐため、中部電力パワーグリッド(PG)=名古屋市=が、天敵のタカを使って施設内から追い払う取り組みをしている。このほど、中電PG三重支社の南勢変電所(三重県松阪市久保町)で、鷹匠(たかじょう)によるカラスの追い払い作業が報道各社に公開された。タカによる巧みな撃退方法とは――。 9日、カラスが変電所近くに集まってきた夕暮れ時。愛知県豊橋市からやってきた鷹匠が、タカの一種ハリスホーク(和名・モモアカノスリ)を放った。もう1人の鷹匠が本物のカラスの羽根で作った疑似餌を空中で回転させると、タカが足で捕まえて地面に降り立った。自分もタカに捕まることをおそれたのか、変電所上部の避雷線に群れていたカラスたちは「ギャア、ギャア」と叫んで雲散していった。 鷹匠の一人星本真妃さん(25)によると、今回のタカは体重630グラムのオス。メスにくらべて体格は劣るが小回りが利くため
9月上旬、記者が岐阜県郡上市の「寒水の掛踊」の撮影の準備のため、Googleマップで駐車場と会場の位置関係を調べていると、隣の谷筋に、妙な店の名前を見つけた。「テルオさんのみみず」。 テルオさんはミミズ養殖を始めて約50年とあり、問い合わせフォームに「名前に惹かれてサイトを訪問し、テルオさんの日常に興味を持った」と取材したい旨を書き込むと、孫の藤村彩愛さん(28)から「ぜひお受けします」とわずか30分で返信が。ミミズ養殖一筋半世紀の職人を、ウェブ展開などで支える孫という構図か? 温かくて面白い話が聞けるのでは、と期待に胸を膨らませて郡上に向かった。
「動物虐待」の指摘を受け、伝統行事のあり方が問われている。愛知県高浜市の春日神社で9月にあった市無形民俗文化財「おまんと祭り」で、人が馬に跳び蹴りする動画が交流サイト(SNS)上で拡散し抗議が殺到した。 200年余の歴史をもつ雨乞い行事。地下足袋姿の若者が疾走する馬にしがみつき、人馬一体となって馬場内を駆け回る。本来と違う方向に走った1頭を止めようとして1人が蹴り上げたという。抗議を受け、神社側は「あるべき行為ではなかった」として、祭りの実行委に再発の防止を求めた。 三重県桑名市の多度大社で5月にあった県無形民俗文化財「上げ馬神事」にも批判が相次いだ。700年前の南北朝時代に始まったとされ、若者が馬にまたがり、高さ2メートルの土壁を乗り越えられた回数で作柄を占う=写真。1頭が負傷したため安楽死となり、多数の批判が寄せられた。 この神事では2011年、馬を興奮させようと尻や下腹部をたたいたと
昆虫館学芸員ら 飼育下寿命など解明産卵場所の保護を提言 これまで生態が詳しく分かっていなかった日本固有種のゲンゴロウの仲間「ワタラセツブゲンゴロウ」の産卵場所や飼育下における寿命を、白山市八幡町の県ふれあい昆虫館の渡部晃平学芸員(37)らが解明した。数が減少しているワタラセツブゲンゴロウの主な生息地で、関東4県にまたがる渡良瀬遊水地などでの保全活動に役立てる。 (安里秀太郎) ワタラセツブゲンゴロウは、ツブゲンゴロウ属の一種で体長3・8~4・7ミリ。湖や薄暗い林の池沼などに生息する。土地の開発や生息地へのアメリカザリガニの侵入により、数が減り続けている。 同館で水生生物の飼育を担当する渡部さんは、ツブゲンゴロウ属を研究する筑波大大学院博士課程2年の内山龍人さん(23)と共同で2021年3月、ツブゲンゴロウ属の一種、ニセコウべツブゲンゴロウの飼育方法を確立。今回の研究ではその飼育方法を応用し
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十七日までの三連休、ウンザリするほどの猛暑となった日本列島。涼を求めて海に向かった人も多かっただろう。しかし、福井県内では楽しいはずの海水浴で思わぬけがを負う人が出た。イルカに接触したり、かまれたりしたという。人に懐くイメージもあるが、これほど人に近づく理由とは何か。野生の生態とは。 (宮畑譲)
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