少し挑発的な題をつけましたが、もちろん自然災害説が全面的に間違っているというわけではありません。地震や津波がなぜ起るのか、それを純粋な自然現象として、自然科学的に追究することは必要です。けれども、いま問題にしたいのはそのことではありません。多くの人が災害で亡くなり、多くの人が被害を受けられたことを問題にしたいということです。もしあえて分けていえば、地震自体は自然現象といってもよいでしょうが、地震被害は自然だけでなく、人間が関わっているということです。自然現象論者も、自分の説は被害のことは無関係だ、などと言うのではないでしょう。そのことをはっきりさせておく必要があります。そして、僕は被害の問題まで含めて考える場合に、自然と人間の生活は相互関係的に、つまり縁起的に考え、一体として見ていくべきだと主張し、それを純粋に自然だけが原因だという説を誤りだと批判します。 なぜ、この問題が大事かというと、