にわかに浮上した「講義のオンライン化」という課題に忙殺され続けた春学期(前期)もそろそろ終りが見えてきた。それに関連して、毎日新聞で受けた取材では大学の講義が、「マルクスについて聞こえる空間にぼんやりと身を置き『そういえば、俺のバイト先でも…』と連想するようなことも含めたものだった」というコメントが採用されている。別にマルクスである必要はなかったのだけど、大学における対面活動の価値の一部に「当初は意味があると思えなかったものに意味を見出す」ということがある、という例として、いわば「資本主義を生き抜くのに役立つ思考」の対極として挙げたのがマルクスだったわけだ。 ただ思わず口走ったレベルの話だったものの、的はずれな例示でもなかったのかもしれないと思ったのは現代ビジネスの記事でマルクスと大学生の話が取り上げられていたからだ。景気の下降期にマルクスが注目される現象は過去にもあったけれど、ここでは資