総選挙、保守党の単独過半数をデータから読み解く 英国の総選挙は事前の世論調査とは大きく異なる結果が出た。筆者は①経済と財政の運営が評価されて保守党が勝利し、自由民主党と連立を模索、②スコットランドでは地域政党・スコットランド民族党(SNP)が圧勝、③欧州連合(EU)離脱を唱える英国独立党(UKIP)はファラージ党首が落選して失速、するとみていたが、労働党が議席を減らして保守党が単独過半数を制するとは夢にも思わなかった。 データ全盛の時代。しかし、予測は見事に外れた。それでも、選挙結果の分析には役に立つ。「フィナンシャル・タイムズ」紙とオックスフォード大学の准教授らでつくる研究グループ「Elections Etc」、友人の英国政治研究家、菊川智文氏のニュースレターを参考に総選挙を総括してみた。 選挙後、様々なナラティブ(物語)が語られた。「メディア規制を唱えた労働党のミリバンド党首(選挙後に