大音量の音楽でダンスに興じる人々。薄暗いホール。照明があたり、ときおり見える顔には恍惚の表情が浮かんでいる。DJが流す音楽に合わせて客が踊る「クラブ」。最近、警察の摘発が相次いでいるが、「ダンスを規制するのは時代錯誤」として法改正を求める動きが広がっている。 クラブ事情に詳しい齋藤貴弘弁護士によると、事の発端となった場所は大阪のアメリカ村。繁華街と住宅地が隣接している地域で、騒音被害や客同士の喧嘩などで近隣住民から多くの苦情が入り、警察が取り締まりに乗り出したという。以来、クラブの摘発が全国的に広がった。 摘発されたクラブ経営者らの逮捕容疑は無許可でクラブを営業し、客に「ダンスをさせた」というものだ。齋藤弁護士によると、「ダンスをさせる」営業は、キャバレーやホストクラブなどの営業を取り締まる風営法で規制される。営業するには、公安委員会の許可が必要だ。 ●「ダンスをさせる」飲食店は深夜0時ま