シティポップ(再)入門:松原みき『POCKET PARK』 「真夜中のドア~stay with me」と共に再評価すべき理由 日本国内で生まれた“シティポップ”と呼ばれる音楽が世界的に注目を集めるようになって久しい。それぞれの作品が評価されたり、認知され…
ブロックチェーン技術により管理されるデジタル資産・NFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)への関心が今年に入って高まりつつある。 そんななか、株式会社モバイルファクトリーはNFTトークン生成・販売プラットフォーム「ユニマ」のサービスを7月6日より開始した。 NFT市場は 2020 年より急速に拡大し、その市場規模は約3億3,800万ドルとも試算されている。市場の急成長に伴い、その透明性やセキュリティには幾つかの課題も指摘されている一方で、「ユニマ」はコンプライアンスに配慮したサービスを実現したという。 サービス開始に伴って開催された事業戦略説明会では、国内市場の現状と課題、また「ユニマ」の特徴と今後の計画について語られた。 766%の急成長を見せるNFT市場へ進出するモバイルファクトリー 株式会社モバイルファクトリーは鉄道をモチーフにした位置情報ゲーム『ステーション
韓国で流行中の新概念「Newtro」 「Newtro(ニュートロ)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。 Newtroとは、「現在あるいは未来(New)」と「過去(Retro)」を融合させた「新しい過去」を意味する韓国の新造語である。2018年の半ば頃から使われ始めたこの言葉は、今や韓国国内での一大マーケティングトレンドにまで発展している。 例えば、日本でも名の知れた韓国焼酎「眞露(ジンロ)」。若者向けに商品リニューアルを行うに当たり、懐かしのボトルをNewtro的視点で再解釈したパッケージデザインが採用された。 また、これまで「古臭い」「高齢者向け」というイメージがあったソウル・江北地区も、現在では「Newtroの聖地」としてトレンドに敏感な若者たちが通う街へと変容しつつある。 このブームを牽引しているのは、ミレニアル世代以降の10〜30代である。呼吸をするようにインターネットを使いこ
アートのハッカソン「Art Hack Day 2018」で注目 「fictionera」の2人が語る、テクノロジー×アートの最前線 2014年の開催以来、のべ237名が参加するアートのハッカソン「Art Hack Day」。「アーティストが他分野の技術者や研究者と新たな表現方法を探求するイベント」として認知されつつある。 今回は、今年開催の同イベントで際立った印象を残した、歌謡エレクトロユニット『Satellite Young』を主宰する草野絵美氏、現代美術家・会田誠氏の実子であり、高校生エンジニアの会田寅次郎氏らによる「fictionera」に注目。バックグラウンドが異なるメンバーが生み出すアート作品の開発秘話、そして、アートを拡張するテクノロジーの可能性について、二人に話を聞いた。 テクノロジーでデザインする“アートのハッカソン”とは? 左より 草野絵美氏、会田寅次郎氏 ーーまずは
テイ・トウワが1年8カ月ぶりの9枚目のアルバム『EMO』をリリースする。高橋幸宏や小山田圭吾らMETAFIVEのメンバー全員のほかUA、高野寛、シュガー吉永、あの(ゆるめるモ!)など多彩なゲストを迎え、ミックスにゴウ・ホトダ、マスタリングに砂原良徳を配する完璧な布陣で、テイらしい歯切れがよくキャッチーで、しかも奥行きのあるエレクトロニック・ポップが展開されている。無駄なものは何も入っていないのに、豊かで広がりがある。時流に媚びないのに今の音になっている。カイリー・ミノーグを起用した旧曲のリメイクも見事な傑作である。 本作の公式特設サイトでは筆者によるかなり詳細なアルバム・インタビューが掲載されている。制作の経緯やコンセプト、テーマなどはそちらをご参照いただくとして、ここではそこから少しはみ出して、ここ最近のテイの創作環境や意識の変化を辿りながら、彼の表現原理や彼のフォロワーともいうべき最近
“ジミーは映画を観ても悪役に声援を送るような奴なんだ”ーージミー・コンウェイについて、ヘンリー・ヒル(映画『グッドフェローズ』より) 2013年、さる有名な作家/大学教授が「はっきり言って、日本語ラップってださいでしょう」と、ある文藝雑誌の座談会ではっきり言った。自らもラッパー/作家のいとうせいこうがこの発言についてTwitterで呟いたので波紋を呼び、日本を代表するロック・ミュージシャンの1人、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのGotchがそれに「分かってないですね。日本語ラップ格好良いと思います」と重ねたけれどーーその座談会では若手の気鋭文芸評論家/大学准教授がこうも嘲笑っていた。「そもそも日本のラップって何なんでしょうね(笑)」 翌年には、有名なアスリートが「悲しいかな、どんなに頑張っても日本で生まれ育った人がヒップホップをやるとどこか違和感がある」とSNSでコメント
ミュージシャンからリスナーまで、ポピュラー音楽というものになにがしか関わっているすべての人にとって必読書であると申し上げてよいのではないかと思います。 「巨大産業をぶっ潰した男たち」と副題に添えられていることからわかるとおり、タイトルである『誰が音楽をタダにした?』の「誰」が指し示しているのは、比喩的な犯人ではない。つまりこの手の話にありがちな「mp3が」とか「インターネットが」とか「ナップスターが」といった具合の技術や状況や環境が漠然とした犯人としてあげられているのでは、ない。 「誰」はきわめて具体的に指名されている。主犯は3人だ。 mp3という技術を生み出したエンジニア、カールハインツ・ブランデンブルク。 1990年代以降現在まで世界の音楽業界の頂点に立ち続けているエグゼクティブ、ダグ・モリス。 そして、ノースカロライナ州キングスマウンテンという片田舎のCD工場で働いていた作業員デル・
2014年に刊行され、話題を呼んだ『渋谷系』の著者である若杉実氏が、3月31日に東京のレコードショップについての歴史を紹介する著書『東京レコ屋ヒストリー』を上梓した。同著は、1990年代に渋谷を中心として盛り上がりを見せていたレコードショップについて、当時の関係者への取材や様々な文献などを踏まえ、1930年代から現代までを全7章にわたって追いかけた労作だ。今回リアルサウンドでは、著者の若杉氏と片寄明人氏(GREAT3/Chocolat & Akito)による対談を行ない、同氏が改めてレコード屋の歴史と向かい合った理由や、レコード屋を取り巻く環境の変化、近年若年層に違った価値観で浸透しつつある“レコード文化”について、じっくり語り合ってもらった。(編集部) 「90年代のレコード屋は極めてサロン的だった」(片寄) ――まずはこのテーマで執筆することになった経緯について教えてください。 若杉:2
ライター、ラジオのパーソナリティー、テレビのコメンテーターなど多くの分野で活躍、リアルサウンド映画部サイトオープン時からの寄稿者の一人でもある速水健朗氏が、この春に2冊の本を上梓した。一つは単行本『東京β: 更新され続ける都市の物語』(筑摩書房)。映画やテレビドラマや小説やマンガといったフィクション作品において、これまで東京がどのように描かれてきたかを検証しながら、スリリングかつ、時にアクロバティックな視点で都市論を展開していく一冊だ。もう一つは、新書『東京どこに住む? 住所格差と人生格差』(朝日新書)。『東京β』が自由自在に過去と現在を行き来する「東京論」だとすると、こちらは東京の現在に焦点を絞ったその「実践編」と言うべき趣を持った一冊。いずれもいわゆる「映画本」ではないが(特に『東京そこに住む?』にはその要素はまったくない)、東京に新たな視点を投げかけている点において、映画好きやドラマ
1986年に発表されたソ連発のSF映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』のデジタル・リマスター版が、8月20日より新宿シネマカリテほかにて公開されることが決定した。 本作は、思いがけず“空間移動装置”のボタンを押してしまい、キン・ザ・ザ星雲の惑星プリュクにワープしてしまった男2人が、“クー”としか言わない異星人たちにダマされながらも、地球に帰ろうと奮闘する姿を描いたSF映画。1986年の公開当時、本国ソ連では1570万人の動員を記録し、日本では、1989年に初公開され、2001年にはリバイバル公開を果たした。 メガホンを取ったのは、『私はモスクワを歩く』『アフォーニャ』などで知られるロシアの映画監督ゲオルキー・ダネリア。音楽をグルジア人作曲家のギア・カンチェリが手がけている。今回のリマスター版での公開は、15年ぶりの劇場公開となる。 ■公開情報 『不思議惑星キン・ザ・ザ』≪デジタル・リマスター版≫
『R&B 馬鹿リリック大行進〜本当はウットリできない海外 R&B 歌詞の世界〜』インタビュー 2016.05.21 17:00 TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』で大反響を巻き起こした伝説の特集を一冊にまとめた書籍『R&B 馬鹿リリック大行進〜本当はウットリできない海外 R&B 歌詞の世界〜』(発売中)が、各所で話題を呼んでいる。オシャレでアーバンなサウンドながら、その歌詞が“しょうもない下ネタ”になっているR&B楽曲に、鋭いツッコミを入れながら紹介していく本企画は、果たしてどのように生まれたのか。企画の生みの親である音楽ジャーナリストの高橋芳朗氏と、番組構成作家であり本書の編集を手がけた古川耕氏に、こうした歌詞が流行した背景や、歌詞の翻訳にまつわる裏話、現在の洋楽の歌詞をめぐる状況についてまで、大いに語ってもらった。 高橋「下ネタを歌うシンガーはたくさんいるけ
4月27日に相対性理論としてはひさびさのフルアルバム『天声ジングル』の発表を控えたやくしまるえつこが、Yakushimaru Experiment名義による即興・朗読・数字を扱う実験コンセプトアルバム『Flying Tentacles』を、坂本龍一主宰レーベル<commmons>10周年記念作品としてリリースする。作家・円城塔とのコラボレーション作品「タンパク質みたいに」や、夏目漱石(骨格から復元されたモンタージュ音声)との時空を超えた朗読共演「思い出すことなど」をはじめ、6曲の実験的な楽曲が収録されているが、中でも注目なのが一曲目を飾っている「光と光と光と光の記録」である。 これはやくしまるえつこのdimtakt、ドラびでおのレーザーギター、伊東篤宏のOPTRON、ドリタのスライムシンセサイザーという、それぞれが光を放つオリジナル楽器を持ち寄って行なった即興セッションを音源化したもの。す
先週末初登場1位となったのは、春休み映画恒例の『ドラえもん』最新作、『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』。土日2日間で動員54万4816人、興収6億3703万5600円という数字は、最終興収39億3,000万円を記録した前作『のび太の宇宙英雄記』の初週興収(6億4,473万5,500円)の98.8%と、このシリーズ特有のすさまじい安定感を証明している。 『ドラえもん』映画の第1作目『ドラえもん のび太の恐竜』が公開されたのは、今から36年前の1980年3月15日のこと。そして、驚くべきことに興収的には、30年以上が経過した2010年代に入ってから再びピークを迎えている。シリーズ最高興収作品は2013年公開の『のび太のひみつ道具博物館』の39億8,000万円だが、低調な仕上がりだった前作よりも作品の評価が高く、またオリジナル版『のび太の日本誕生』(1989年)に愛着のある大人の観客の集客
80年代の邦楽ロックカルチャーについて、当時のメディアを手がけたキーマンや、その時期に青春をすごしたミュージシャンたちのインタビュー証言を中心に、各シーンに詳しい音楽ライターから寄稿されたレビューも収録したムック本『私たちが熱狂した 80年代ジャパニーズロック』が、12月14日に辰巳出版より発刊された。 インタビュー企画には、仲井戸麗市(RCサクセション)、町田康やケラリーノ・サンドロヴィッチ、梶原徹也(ex.ザ・ブルーハーツ)、寺田恵子(SHOW-YA) 、杏子といったミュージシャンのほか、田口トモロヲ、角田光代などの文化人、さらには森川欣信(オフィス オーガスタ代表取締役)、道下善之(ソニー・ミュージックアーティスツ)などの音楽業界関係者が登場。同書の編集を担当したのは、リアルサウンド編集部のある株式会社blueprintで、市川哲史や小野島大、中込智子、兵庫慎司、ふくりゅう、冬将軍(
2015年9月5日から6日にかけて、韓国ソウルにてライブをおこなってきた。筆者は、アメリカ、オーストラリアでのツアーの他に、日本でのツアーも数多くおこなってきているので、日本を含めた他の国々と比べ、韓国のパンクシーンの状況やライブの様子には、どのような特徴があるのかをレポートをしていきたいと思う。 以前、日本で韓国スキンズのSAMCHUNGと2回ほど対バンをしたことがあり、そのときに初めて韓国アンダーグラウンドパンクシーンに触れた。SAMCHUNGはスキンズバンドだったが、日本で多くのオーディエンスの目に触れた最初の韓国ハードコアパンクとなると、2014年におこなわれたパンクフェスティバル「KAPPUNK」に来日したSCUMRAIDではないだろうか。(参考:新宿歌舞伎町のど真ん中で開催 パンクフェスティバル「KAPPUNK」の可能性とは?) 韓国アンダーグラウンドシーンでの最初のリアルハー
ケンイシイが見据える、テクノシーンでアルバムを出す意味 「DJとして売れるためには、アルバムは全然必要なくなってる」 ケンイシイがFlare名義の新作『Leaps』をリリースした。ケンイシイ自身が音源制作はもちろん、CDのプレス、グッズ制作、デザインのディレクション、公式販売サイト立ち上げまでひとりでやるという完全自主制作態勢で作られたアルバムで、公式ショップでのメールオーダーと、出演イベントでの即売のみの発売となっている。 Flareは1996年に始まったイシイの別名義で、ダンス・ミュージックとしてのテクノにこだわらないフレシブルな形態のエレクトロニック・ミュージックをやるというコンセプトである。2013年リリースの『Dots』が17年ぶりのFlere名義の作品で、今回の『Leaps』はそれ以来のアルバムだ。イシイはBeatportなどダンス・ミュージック専門の配信サイトで、Ken Is
音楽家・文筆家の菊地成孔が音楽映画について語るロングインタビュー後編。前編では、この10年の音楽映画は音楽の価値が肯定的に描かれ、人々に「生きる希望」や「愛」を与えるものとして機能してきたが、今は曲がり角に入ったという指摘があった。人を狂気に誘うなど音楽のダークサイドを描いたり、音楽そのものの扱いが今までとは異なる作品が増えてきたという。本年度のトニー賞(アメリカの演劇/ミュージカル界で最も権威のある賞)の受賞作からも同様の変化が見てとれるようだ。変わりゆく音楽映画の現状を解説してもらうとともに、今後の可能性や期待することを訊いた。 前編:【菊地成孔が語る、音楽映画の幸福な10年間「ポップミュージックの力が再び輝き始めた」】 『セッション』の新奇性とは この10年、映画の素材として音楽の価値は肯定的に扱われてきました。それは子どもや動物の物語が感動的に描かれるのと同じで、音楽は性善説的に強
音楽家・文筆家であり、独特な語り口の映画批評でも高い支持を得る菊地成孔。自身のブログや雑誌、『菊地成孔の粋な夜電波』(TBSラジオ系列)での語りも注目されるなか、今年は音楽の観点から映画を語った自著『ユングのサウンドトラック 菊地成孔の映画と映画音楽の本』(イースト・プレス/2010年)の文庫版や第二弾の発売も決定している。音楽映画を追い続けてきた菊地によると、この10年間は劇映画/ドキュメンタリーを問わず秀作が多数登場する“幸福な時代”であったという。その背景には一体何があるのか? 「リアルサウンド映画部」のスタートを機に、今回ロングインタビューを敢行した。前編では、音楽映画の潮流や、転機だと感じられた作品、音楽映画が社会にもたらす影響まで、じっくりと語ってもらった。 21世紀に入って突然訪れた、音楽とドキュメンタリー映画の蜜月 この10年は音楽映画の黄金期と言っていいと思います。劇映画
音楽ライターの磯部涼氏と編集者の中矢俊一郎氏が、音楽シーンの“今”について語らう連載「時事オト通信」第4回の後編。前編【黒人音楽をめぐるポリティカル・コレクトネスの現在 “ステレオ・タイプな表現”をどう脱するか】では、ミュージシャンの表現とポリティカル・コレクトネスの関係について、ラッツ&スターとももいろクローバーZが巻き起こした議論や、韓国のラッパー・Keith Apeの「It G Ma」が世界中で話題になったことを題材に考察した。今回はミソジニーやホモフォビアといった問題について、フランク・オーシャンやマックルモア&ライアン・ルイス、キングギドラといったミュージシャンの事例をもとに、さらに議論を深めた。(編集部) 中矢「LGBTをめぐる問題が、一気にクローズアップされている」 中矢:ラップ・ミュージックとポリティカル・コレクトネス(差別や偏見を含まない言葉/表現を用いること)と言えば、
佐々木敦主宰のHEADZ、20周年記念イベントを開催 空間現代 × Moe and ghostsなどのコラボも 批評家の佐々木敦が主宰するHEADZが、発足20周年を記念するイベント「HEADZ 20th Anniversary Party “HEADZ 2015-1995=20!!!”」を、5月2〜3日に開催する。 カッティング・エッジな音楽雑誌『FADER』、ジャンルレスな濃縮雑誌『エクス・ポ』他の編集・発行、トータス、ジム・オルーク、オヴァル、カールステン・ニコライほかの海外ミュージシャンの招聘(来日公演の企画・主催)、UNKNOWNMIXやWEATHERといった音楽レーベル業務、飴屋法水の演劇公演の企画・制作など(ままごと『わが星』のDVD他、演劇やダンス・パフォーマンスの作品を発表するplayレーベルもスタート)、20年間多岐に渡った活動を続けてきたHEADZ。 5月2日(土)は
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