今年も桜の開花を指折り数えて待つ時期になりました。 ところで、街路樹や公園の桜といえばほとんどがソメイヨシノという品種ですが、徐々に後継品種にその座を譲っているというのです。 「『日本花の会』は1962年に創設されて以来、全国各地に桜の名所づくりをするため200万本を超える苗木を提供してきました。長らくソメイヨシノが主流でしたが、それを見直して2005年度からは別品種に切り替えました」と語るのは、公益財団法人日本花の会主任研究員(樹木医)の和田博幸さんです。 理由は、ソメイヨシノが「てんぐ巣病」という病気に弱く、その病気がソメイヨシノの間で広がっているため、新たにソメイヨシノを植栽すると病気の拡大につながるからです。 ちなみに、「てんぐ巣病」とは、枝が異常に密生して、何かの巣のように見えることから名付けられた病名。放っておくと幹が腐食して枯れてしまいます。防除する薬剤はなく、患部を切るしか