人間がどのような状態で独創性を発揮するか。 原稿に煮詰まり、部屋の掃除をしていたら、十年ほど前の経済誌を見つけた。経済記者をしていたころに買ったのだろうが、何で後生大事に保管していたのだろうかと目次に目を通していると、特集が名だたる企業の商品開発担当者たちのインタビューだった。 好きだった創作が、苦しい……仕事を辞め、専業としてのキャリアを進み始めた小説家は、書いて書いて、ついに書けなくなった。苦悩のなかで出会った、つくらずにはいられない人と作品たち。人はなぜつくるのか——抱いた疑問を胸に、つくることの意味と根源を追い求めて、若き作家は創作の現場を訪れる。何かをつくる人、かつて何かをつくりたかった人、そしてこれから何かをつくりたいと願う、すべての人へのノンフィクション。