昨今の話題の「年金2000万円足りない」問題の火元である、『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書』(副題は「高齢社会における資産形成・管理」)を読んでいて、変なことに気がついた。まあ、変というのでもないのかもしれないが。 何が変かというと、いくら資産を形成しても最終的には、足りない分は、「資産取り崩し」になるというのは前提認識になっている。例えば報告書でもこうある。 老後の生活においては年金などの収入で足らざる部分は、当然保有する金融資産から取り崩していくこととなる。 すでに長期・積立・分散投資を現役期より行っている場合は、それを続けられるうちは続け、その後は計画的に資産を取り崩していくことが有効である。 ところが、「取り崩し」についてキーワード的にだが報告書で言及されているのは、この二箇所だけ。この報告書には、「取り崩し」にどう対応するのかという話が実質ないのである。 なんだろこれ