札幌をはじめ道内の都市部の市街地や公園で、キタキツネが頻繁に姿を見せている。野良猫が減り、餌となるネズミが増えたことで、人里に降りてすみ着くようになったのが主な要因だ。キツネのふんには寄生虫エキノコックスが含まれている場合が多く、人に感染すると重い肝機能障害を引き起こす恐れがある。専門家は駆虫薬(虫下し)を混ぜた餌を散布する対策に取り組むべきだと指摘する。 【動画】黒っぽいキタキツネ<知床リポート>(2019年5月) 札幌市白石区の自動車整備会社には数年前から、キタキツネの親子が顔をのぞかせる。ほおをすり寄せ、じゃれ合う姿に、同社の社長(42)は「ほのぼのするね」と目を細める。 札幌では、親子連れでにぎわう中心部の公園でもキツネを見かける機会が増えた。札幌市は「エサを与えないで」と書いた看板を設置し、注意を呼び掛ける。 理由はエキノコックスだ。サナダムシの一種で、感染したネズミを食べたキツ