先週、GoogleとNASAは量子コンピューターを作るためのラボを作ることで合意した。このラボでは、カナダのD-Wave Systems社から量子コンピュータを購入する計画だ。しかし、コンピュータ科学者Scott Aaronson氏など一部の評論家からは批判が上がっている。メリーランド大学のChristopher Monroe氏は「量子コンピュータの技術の科学的な根拠に裏打ちされておらず科学な信頼に欠ける。ハイレベルな販売技術だ」と主張している(npr、Shtetl-Optimized、本家/.)。 D-Wave Systems社の量子コンピュータは、512量子ビットの演算能力を持ち、従来コンピュータよりはるかに高速だとしている。しかし、プロセッサ部分は量子状態を構築するために絶対零度を保つための冷却システムと外部放射線からの保護が必要不可欠で、実際に量子もつれが起きているかどうかは確認す
一つ前のエントリーWhatを列挙するときにHowを列挙すべきでないをあんなに長々書いたのは、実は研究室で学生に教えているときの悩みがやっと解決されたため。悩みとは「私が要求分析と機能定義として学生に教えていることは、企業ではまったく役に立たない話なのではないか」というもの。この悩みは、5年前に学生から言われた言葉から始まった。 私の所属研究室では、ソフトウェア開発系の論文を書くことが多い。どういう内容の論文を出すかというとすごく簡単にまとめると「こういうソフトウェアがあるべきだよね。」というもの。現実世界で解決すべき問題を設定し、その問題を解決/緩和するためのソフトウェアの要求と機能を列挙し、定義した機能に基づきそのソフトウェアのアーキテクチャ(かなり抽象度が高い状態でのもの)を提案し、そのアーキテクチャを持ったソフトウェアの実現について論じる、あるいはプロトタイプを作って、ソフトウェアの
「いま、並列処理の壁というコンピュータサイエンス史上最大の課題に直面しています。しかしこれはチャンスでもあります。新しい時代を切り開いていきましょう」。IBM名誉フェローのFran Allen氏は、昨日3月10日に行われた日本の情報処理学会創立50周年記念全国大会の招待講演の演壇からこんなメッセージを聴衆に投げかけました。 Fran Allen氏は、コンパイラやプログラミング言語が専門で、女性で初めてチューリング賞を受賞した人。今回の招待講演のためにわざわざ来日したと紹介されました。 講演のタイトルは「The Challenge of the Multicores」。ここからは、Allen氏の講演の内容を紹介しましょう。 (この講演は英語で行われたものです。内容にはできるだけ正確を期したつもりですが、理解不足のところや聞き取れなかったところもありました。もし誤解や不正確なところがありました
世界一の計算速度に固執した国策の次世代コンピュータ。無駄な予算を判定する行政刷新会議の事業仕分けは、なぜ、事実上の凍結判定を下したのか。計算科学の専門家で、仕分け人として鋭い指摘を関係者らに浴びせかけた東京大学の金田康正教授は、迷走した一連のスパコン問題の根底には「日本の科学と技術への無理解がある」と指摘。「技術立国ニッポン」は虚像であることが露呈したことを示唆する。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ) 予算復活はいいが不本意 迷走した国策スパコン事業の予算が復活した。率直な感想は。 現時点(12月18日)で文部科学省の見直し内容の詳細が公開されていないため、あくまでマスコミ発表の情報を基に議論せざるを得ない。そのため、どの点を見直すべきかコメントしづらい状況ではあるのだが、率直な感想としては「予算が復活したことはいいが、不本意である」ということだ。 スパコン事業が凍結となれば、日本の技
政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で、事実上の凍結となった次世代スーパーコンピュータ「京速計算機」を巡って、ホリエモンこと堀江貴文さんが、こうした開発費用を政府に頼るのをやめ、「自分たちの稼いだ金でやれ」と提言し、注目を浴びている。 行政刷新会議は2009年11月13日、10年度予算概算要求の無駄を判定する事業仕分け3日目で、文部科学省が官民共同で勧めている次世代スパコン開発を「限りなく予算計上見送りに近い縮減」と判定して事実上の凍結にした。 「世界一でなくていい」「必要性を見直すべき」 次世代スパコンは、1秒間に1京回の演算性能を持つ世界最速のスパコン「京速計算機」を目指して06年から独立行政法人の理化学研究所と、富士通、日立製作所、NECが共同で開発をスタート。多様な分野に応用できる汎用型という触れ込みで、12年度に本格稼働する予定だった。完成すれば現在世界最速とされる米国製の10倍の
前の記事 スパコン:約4万のチップを1週間でアップグレードする方法(動画) 世界最速スパコン:景気刺激策で新研究を支援する米政府 2009年11月18日 Alexis Madrigal 米国の夜明けに伴う炭素フラックスを示した超高解像度モデル。緑は炭素の流入、赤は流出を示す。 Image credit: ORNL 米Cray社製の『Cray XT5』(名称『Jaguar』)が、世界最速スーパーコンピューターの『TOP500』最新ランキングで首位に立った。同システムは今回、アップグレードによって、1.759ペタフロップスという驚異的な数字をたたき出した(1ペタフロップスは、1秒間に1000兆回の浮動小数点演算[FLOPS]が行なえるコンピューターの能力)。 テネシー州の米エネルギー省オークリッジ国立研究所(ORNL)にあるJaguarは今年、景気刺激策の一環としておよそ2000万ドルの支援を
次世代スパコン・プロジェクトとは 次世代スーパーコンピュータ(スパコン)プロジェクトとは、1秒間に1京回(1兆の1万倍)の演算性能を持つ世界最高速のスパコン(10ペタフロップス級)を作ろうというもの。2006年度から理研、富士通、NEC、日立製作所が共同で設計を開始し、2012年の完成を目指した「国家基幹技術」と位置づけられたプロジェクトである。 しかしながら今年5月、NECと日立が経営環境の悪化を理由に撤退することになった。理研と富士通は設計を大幅変更し、2010年度から実機の製造に入る計画だった。計画変更によりプロジェクト事業費は76億円増え、2010年度概算要求で約267億円。最終的には1230億円が必要ということになる。 私は15年ほど前、日米スパコン協議の担当者だったこともあり、スパコンについては関心を持っていた。このような計画変更に際しては計画の不十分性についてこの7月には国会
前の記事 「衛星成功に総書記は涙」:北朝鮮の核再開宣言とミサイル輸出 「物理法則を自力で発見」した人工知能 2009年4月15日 Brandon Keim Image credit: Science、サイトトップの画像はフーコーの振り子。Wikimedia Commonsより 物理学者が何百年もかけて出した答えに、コンピューター・プログラムがたった1日でたどり着いた。揺れる振り子の動きから、運動の法則を導き出したのだ。 コーネル大学の研究チームが開発したこのプログラムは、物理学や幾何学の知識を一切使わずに、自然法則を導き出すことに成功した。 この研究は、膨大な量のデータを扱う科学界にブレークスルーをもたらすものとして期待が寄せられている。 科学は今や、ペタバイト級[1ペタバイトは100万ギガバイト]のデータを扱う時代を迎えている。あまりに膨大で複雑なため、人間の頭脳では解析できないデータセ
1 名前: すずめちゃん(東京都):2009/03/15(日) 22:08:33.05 ID:wQUdhNL4 ?PLT スーパーコンピューターはこのままでいくと2025年には人間の脳をシミュレーションできるようになる これまでもさまざまなスーパーコンピューターが作られ、膨大な計算が必要な研究に対してその演算能力を発揮し、人類の科学の発展に寄与してきたわけですが、このままスーパーコンピューターが順調に成長し続けると、どうやら2025年には人間の脳内にあるニューロンのシミュレーションさえ可能になるそうです。 一体どういう理屈でそんなことになってしまうのか、1990年から近未来に至るまでの スーパーコンピューターの成長を見てみましょう。グラフは以下から。 Singularity is Near -SIN Graph - Growth in Supercomputer Pow
なぜコンピューターは2進法を採用しているのでしょうか。 よく「2進法はONとOFFだけなので、実際に電気回路を作るのが簡単だから」という説明が為されています。 でも、電気にはプラスとマイナスがあるのだから、 プラス、マイナス、ゼロの3つを使った3進法の方が、ひょっとしたら効率的ってことはないですかね。 ※以下、最初の説明はいきなり2状態のランプを前提としてスタートします。 この考えは、2状態素子による電子回路での最適は何か、ということにはあてはまるのですが、 最初から3状態以上の素子があったとしたら、という疑問には答えていません。(1/5追記) 実は、2進法には数学的な根拠があります。 最も数少ない部品で数字を表すことができるのは「e進法=2.71828・・・進法」だからです。 「点灯するか、消灯するか」の2状態しかないランプを使って、数字を表すことを考えてみましょう。 例えば999までの
今年6月に脳波で操作できるマウスなる眉唾グッズが発売されましたが、思考でコンピュータを操ることはすでに可能になっているようです。CBS NEWSの記事によると、神経学者のScott Mackler氏は筋萎縮性側索硬化症に冒されて以来、全身麻痺に近い状態で動かせるのは左目のみでしたが、BCI(brain computer interface)というデバイスを使用することでコンピュータを思考で操作できるようになったそうです。 このデバイスは脳の電気的な活動をピックアップする帽子をかぶり、それにより脳の活動をコンピューターで分析して脳内で思い浮かべた文字を入力するための装置だそうです。1文字入力するために20秒近くかかかるとのことですが、このデバイスのおかげでMackler氏はペンシルベニア大学での研究活動を続けることが可能になったそうです。 また、Cathy Hutchinsonという女性は脳
現在のスーパーコンピューターをもってしても何億年もかかる計算を一瞬のうちに解いてしまうとされる「量子コンピューター」。世界の先進的な大学や企業が研究にしのぎを削る注目分野だ。 量子コンピューターは「ミクロ世界で生じる状態の重ね合わせを利用して計算するから速いのだ」と,一般には説明されている。しかし,基礎理論を構築した英国の物理学者ドイチュ(David Deutsch)にいわせると,量子コンピューターは「多数の並行宇宙を使って計算する計算機」だ。「その能力の源泉は,膨大な数の並行宇宙で計算を分担する点にある」。この言葉からもわかるように,エヴェレットの多世界解釈なしにはドイチュの発想もなかったといえる。 現在のコンピューターのプロセッサーをいかに高速化してたくさんつなげても,量子コンピューターにはならない。「計算する」ということそのものを,現在のコンピューターとはまるで違う視点からとらえたユ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く