■期待を裏切った病院船 前回の本コラム(「新型ウイルスとの戦いに投入された米海軍の病院船とはどんな船か」)で紹介したように、米海軍は新型コロナウイルスの感染拡大にあえいでいるロサンゼルスとニューヨークでの医療態勢を補強するため、病院船マーシーとコンフォートを派遣した。病院船はそれぞれ1000床のベッド数を誇り、先端医療設備も整っており、1000名以上の海軍関係の医療スタッフも乗り組んでいるため、ロサンゼルスやニューヨークの新型ウイルス感染者以外の病人を収容することにより、両市の医療態勢を支援することが大いに期待されていた。 ところがニューヨークで医療活動を開始したコンフォートでは、市内の病院から搬送して船内で治療を進めようとしていた患者(新型肺炎患者ではない)数名(5名以下とだけ発表されている)が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。 病院船内で「院内感染」が発生してしまうとい