キリスト教は、あくまで人間と神の間の愛という「無限の愛」がモデルです。 性欲から離れた「アガペー(神の愛)」の話です。 このキリスト教的な愛が、人間どうしの愛の中に入り込んできて、難しいことになります。 当時の時代背景 この新しいタイプの恋愛は、当時の時代状況を色濃く反映しています。 当時は封建社会であり、王の下に大領主たる大貴族がいて、その下には領主がいて、それぞれの領主の下に下級騎士が使えるというピラミッド構造になっています。 国同士、貴族同士で領地を奪い合い、血で血を洗う戦いをくり広げていました。 結婚は政治の中での最重要カードの一つであり、貴族の女性は政治の道具として結婚させられるのが当たり前でした。(政略結婚) そのため、少女の頃から嫁ぎ先が決まっていたり、領主と妻の間に20歳以上の年齢差があったり、まったく心が通い合っていないこともよくあることでした。 領主や大領主はさまざまな