「ヒミコ・レコード」とは 国籍不明。レコードに針を落とすと、どこか内省的な響きに包まれ、不思議な気分に見舞われた。 そのアルバムはPaul Adolphusの「The Dawn Wind」。ポール・アドルファスと読むのだろうか。聞いたことがないミュージシャンだ。題名は直訳すれば「夜明けの風」となる。 「悶絶レア盤」は誰が… 「アシッドフォークの大傑作」「悶絶レア盤」 インターネット販売の中古レコード店のホームページではそんなふうに評価されている。ポールは、世界を放浪した果てに京都に住み着いたオーストラリア人のようだ。1973年にヒミコ・レコードから200枚限定でリリースされ、長年、知る人ぞ知る希少盤だったが、2000年代に入って再発された。 日本では無名と言っていいミュージシャンながら、時を超えて再評価されるアルバムをつくったヒミコ・レコードとは、どんなレーベルだったのか。そのアルバムに何