いま、恋愛リアリティ・ショー戦国時代で、自分は楽しく見ていたんですけど、興味を示さない人もいて、自分が恋愛ごとやオチのない恋バナに興味が強いタイプなんだなと理解したんですね。 水、仕事、SF、FISHときて、恋愛。なんのことだかわからないかもしれないが、それが入江陽という異才シンガーソングライターのディスコグラフィである。 デビュー・アルバム『水』(2013年)の発表からちょうど10+1年。大谷能生がプロデュースした『仕事』(2015年)、soakubeatsらとの『SF』(2016年)、自主レーベルからの『FISH』(2017年)と、入江は4作のアルバムをリリースしてきた。その間に、ネオ・ソウルやヒップホップやジャズやエレクトロニック・ミュージックを大胆にかき混ぜながら、滲みでる前衛性と溢れでる歌心と諧謔に満ちた歌詞とで彩られた異形のポップ・ソングを歌ってきた。 異才、異形と似たような貧