ビヨンセの新作はハウス・ミュージックに焦点を当てたものだったが、ハウスの故郷であるシカゴで、1980年代後半に生まれた大名曲のほとんどは〈トラックス〉レーベルからリリースされていた。しかしながら、このレーベルは早くから黒い噂に包まれていた。レコード製造のために中古盤を溶かして再利用した話はその有名なひとつで、もうひとつ有名な話は、アーティストへの印税の支払いがなく、また許可もなくがんがんに再プレスやらライセンス契約をしていたことが挙げられる。(初期のシカゴ・ハウスのシーンは、まだ業界のことなくど何も知らない純粋な若い人たちの集まりだったので、それが商売になることなど考えてもいなかった) ディープ・ハウスの先駆的作品であり、クラシック中のクラシックとして名高い“Can You Feel It?”や“I'll Be Your Friend”、あるいはアシッド・ハウスの名曲“Washing Ma