日本美術サウンドアーカイヴ ウェブサイト https://japaneseartsoundarchive.com/ 日本にはこれまでに、美術館や画廊、アトリエや公共空間でさまざまな音を鳴り響かせてきた美術家がいる。しかし、ほとんどの音は鳴り止んでしまえば、再び聞くことがかなわなかった。視覚資料を中心とする美術史のなかで、音をめぐる情報はどうしても断片的なままに留まってしまう。日本美術サウンドアーカイヴはこうした美術家たちによる参照しにくい過去の音にアクセスしようとするプロジェクトである。 作家や関係者へのインタビュー、文献調査、作家が所有する録音などを通じて、過去の作品にまつわる情報を収集し、整理する。そして、作品の再制作や再演を作家に依頼し、もしくは自分たちの手で行い、展覧会、イベント、レコードなどのかたちで発表していく。このような活動を通じて、日本美術における音の意義を検討し、その可能
『Sound Live Tokyo』(以下『SLT』)は東京都内のさまざまな場所で、音と音楽に関するライブや実験的なプログラムを行う音楽フェスティバルだ。音楽フェスと言えば、自然豊かなキャンプ場や郊外の空き地や海辺で行われるイメージがあるが、『SLT』はひと味もふた味も違う。昨年は、およそライブとは無縁な図書館で2人ずつしか体験できない参加型作品などを展開。「静けさ」が要求される場所で、あえて音を体感する作品を示す姿勢からは、『SLT』独自の実験精神と批評性を見てとれるだろう。 だが、3回目の開催となる今年は例年よりもグッと音楽寄りのプログラムを取り揃えての開催になるらしい。会場は、都内屈指の優れたサウンドシステムで知られるライブハウス渋谷WWWと、数多くのライブやイベントを仕掛ける六本木SuperDeluxeの2つに集約。今年の『SLT』は、より「音楽フェス」らしい何かへと変貌していくの
鈴木昭男と恩田晃のコラボレーション。2013年夏、ベルギー・ブリュッセルの工場跡地で創りだされた二人のライヴ・パフォーマンス。木や石といった日常的な音素材、ラジオやカセットなどの電子音素材、さらには自作の楽器などありとあらゆる音素材が盛り込まれた。そこで発生する音の化学反応。アコースティックな噪音とエレクトロニックなドローンとが交わる。反響する破裂音、深淵なノイズ、「濃厚な音」が空間を満たしていたのではないだろうか。 ※試聴はこちら Tr.1《ta bi no ha zi ma ri》。川のせせらぎのような音からはじまり、その中を縫うようにちりばめられた金属音。金づちで打ちつけるような音も現れ、それらは次第に溶け合い膨張し“大きな”ノイズ音へと発展していく。 Tr.2《do ko ka ra》。前トラックから引き継がれたノイズは次第に高音部が強められグラスハープのような美しいハーモニーに変
フランシスコ・ロペスの作品集が〈ライン〉からリリースされた。1993年から2013年までの20年間に制作された計7時間(!)におよぶ音源データを収録したDVDデータ作品である(データはWAV/44kHz/16-bitで収録)。ディスク1枚組であるが、通常のCDにすれば約7枚分ということになる。まさにボックス・セット並みの容量といえよう。 このフランシスコ・ロペスのクロニクル的な作品集を〈ライン〉がリリースしたという事実は、ロペスにとっても、〈ライン〉というレーベルにとっても、そしてわたしたちリスナーにとっても非常に大きな意味を持つ。〈ライン〉とは、サウンド・アーティストのリチャード・シャルティエが主宰するレーベルである。かつてロウワーケース・サウンドと呼ばれもした一連のミニマム・サウンドを牽引するなど(ポスト)デジタル・ミュージック・シーンにおいて重要な存在(現在はその種のサウンドにとどま
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く