日本におけるテクノ黎明期 :音楽メディアが取り上げなかったDIYシーン
日本のハードコア・テクノにフォーカスした書籍『History of Japanese Hardcore Techno』に多くの予約をいただいている。海外からも購入希望のお問い合わせを何件も受けており、想像していたよりも多くの反応が貰えていて非常に光栄である。 限定セットは10月25日で締め切りとなるので、興味のある方は是非ご注文ください。通常版/限定版ともにMxCx online storeでのみ注文を受け付けています。 ジャパニーズ・ハードコア・テクノの実体験 以前、こちらの記事にて自分が日本のハードコア・テクノに興味を持ったキッカケについて書いているが、『History of Japanese Hardcore Techno』の発売に向けて改めて振り返ってみようと思う。 自分が最初に購入した日本のハードコア・テクノの作品は2001年にリリースされたDJ SHARPNEL氏の『S.E.X
A Kick in the Kawaii: Inside the World of J-Core With “cute” being the word on so many electronic music producers’ lips of late, Vivian Host explores a Japanese subculture taking adorable to the dark side. It may be the second-wave of geek chic, but suddenly all things otaku (“Japanese nerd,” essentially) are hot. Now that the Western world has more information and access to the Japanese undergrou
投稿日 2022-04-14 Author 坂本哲哉 MUSIC 観察する やけのはらとしても活動するTaro Noharaが新作『Hyper Nu Age Tekno』をドイツのレーベル「Growing Bin」からリリース。そのリリースの経緯から今作に込めた想いを語る。 近年はP-RUFF、H.TAKAHASHI、大澤悠大とのアンビエント・ユニット=UNKNOWN MEとしての活動でも注目を集めている、DJ/プロデューサー/ラッパー/執筆家など多彩な顔を持つやけのはらがTaro Nohara名義で新作『Hyper Nu Age Tekno』をリリースした。ドイツはハンブルクのレーベル、「Growing Bin」からリリースされた本作は、アンビエントやテクノの歴史の中で形成されてきた、ある種の洗練されたフォーマットを乗り越えようとするような意思を感じさせるアルバムだ。あるいは、次のように
ガンナー・ヴェンデル、カッセム・モッセ名義4枚目のアルバムは古巣、ロウテック率いる〈Workshop〉から。本名義での〈Workshop〉からのリリースはというと、コレより前がファースト・アルバムにあたるLP2枚組『Workshop 19』が2014年、ということでココからのリリースはじつにひさびさ、9年ぶりの作品となるわけですね。もろもろのコラボやライヴ盤などを除くと名門〈Honest Jon's Records〉からの2016年『Disclosure』、続く、自身のレーベル〈Ominira〉からは『Chilazon Gaiden』を2017年にリリースしています。またマンチェスターのレフトフィールド・テクノなレーベル〈YOUTH〉(〈PAN〉の切り開いた「その後」を個人的には感じてしまうレーベルです)から、別名義の Seltene Erden で2020年にリリースしたり。また上記のよ
——山本朗生が8ヶ月のドライヴを経て持ち帰ってきたものとは? Ele-king 1998年6月号より (*一部エディットしています) およそ8ヶ月ものあいだ、山本朗生と佐脇興英のふたりを乗せた車は夜の高速道路を走っていた。タンツムジークのプライヴェイト・ロード・フィルムの撮影のためである。車のなかから、映像を担当した朝比奈学の8ミリ・カメラが外の世界を覗く。撮影は震災後の神戸にはじまって、新宿の新大久保、福生、横須賀、そして大阪の西成へと足を伸ばす。ときにはヤバい場所にも侵入して、フィルムを没収されそうになったこともあったそうだ。それでも彼らを乗せた車は、止まることを知らなかった。 いつの間にか、フィルムは膨大な量に増えていた。そのフィルムには、都会の隅っこに転がっている異様な熱気の多くが収められている。ネオン街、雑踏、米兵、夜の熱気、青い空、雲のような街灯。フィルムからもわかるように、タ
フランス出身、ドイツを活動拠点とするエレクトロニック・アーティストのカンディング・レイ(ダヴィッド・ルテリエ)が、自ら主宰するレーベル〈ara〉から興味深い新作アルバム『ULTRACHROMA』をリリースした。 カンディング・レイといえば、00年代後半から10年代半ばまで、かの電子音響レーベル〈Raster-Noton〉からのリリースしたアルバムを思い出す方も多いだろう。2006年の『Stabil』から2015年の『Cory Arcane』まで、どれもグリッチ/エレクトロニクス以降のエレクトロニクス・ミュージックをを代表する緻密で大胆な電子音響アルバムばかりである。 加えて2017年にルーシーが主宰する〈Stroboscopic Artefacts〉からリリースした『Hyper Opal Mantis』もダークなムードによる硬質な音響空間が、知的なレーベル・カラーと冷たいエレクトロニクスと
デトロイトのテクノ/ハウスのDJでありプロデューサーとして知られるK-ハンド(ケリー・ハンド)が逝去したことが8月3日に判明した。死因は現在不明だが、親しい友人によって確認されたという話だ。56歳だったというから、デトロイト・テクノのオリジネイターたちとほとんど同じ世代になる。黒人女性DJがまだ珍しかった時代からおよそ30年以上にわたって活動してきた彼女の死に、世界中から哀悼のコメントが寄せられている。 デトロイトで生まれ育った彼女は、80年代にはNYのパラダイス・ガラージ、シカゴのミュージック・ボックスといった伝説のクラブに通うことで最良のダンス・ミュージックを吸収した。地元デトロイトの電話会社で働きながらDJをはじめ、そして1990年には自分のレーベルを立ち上げて作品を発表するようになると、1993年にレーベル名を〈Acacia Records〉と改名し、K-ハンド名義としてのトラック
三田格 ニューヨークのアパレル・メーカー「HECHA / 做」が攻めまくっている。プロジェクト1は2018年の9月にウェブ上で行ったオール・デイ・ストリーミング。プロジェクト2は2019年のベルリン国際映画祭でジェシー・ジェフリー・ダン・ロヴィネリ(Jessie Jeffrey Dunn Rovinell)によるクィアー映画『ソー・プリティ』の上映。プロジェクト3は「黒いテクノを取り戻す(Make Techno Black Again)」(トランプのパロディです、念のため)というキャンペーン用キャップの発売。この時にテーマ曲をつくったのがスピーカー・ミュージックことディフォーレスト・ブラウン・ジュニア(以下、DBJ)という音楽ライター。プロジェクト4はオンライン・ショップの開設とポップ・アップ・イヴェントと続き、これらはすべて共感によってドライヴされるビジネス・モデル(Empathy-dr
Home > Reviews > Album Reviews > Grischa Lichtenberger- Re: Phgrp (Reworking »Consequenc… グリシャ・リヒテンベルガーは2009年に名門〈Raster-Noton〉からシングル「~Treibgut」をリリースした。2年後の2011年にスヴレカ(Svreca)が主宰する〈Semantica Records〉からEP「Graviton - Cx (Rigid Transmission)」を発表。翌2012年には〈Raster-Noton〉よりアルバム『and IV [inertia]』をリリースする。3年を置いた2015年にセカンド・アルバム『La Demeure; Il Y A Péril En La Demeure』を発表し、翌2016年にはジェシー・オズボーン・ランティエとの競作による『 C S L
MessAboutWithTechno So Kobayashi/Begard, Techno Producer, Audio lover, Samplitude User ハードテクノという音楽ジャンルがありますが、コレは一度ブームになって05年あたりでブームが過ぎ去りほぼ息絶えたような状態になりました。この時の潮が引くように消え去った無くなり方は未だトラウマものです。 しかしあれから15年ほど経ち、当時の時代の現場にいた人も今の現場には少なくなっているようです。なので、特に幅広くもやっていなかった私ですが、記録として当時の流れを思い出せる範囲で書いてみようと思った次第です。 私がクラブに初めて行った頃 私が初めて行ったクラブは中野Heavy Sick Zeroだった。2004年の夏とか秋とかそのぐらいだったように記憶している。自分の音楽制作の師匠でもある友人が出演するので誘われて行った
まず弦の響きに驚く。やがて極小の電子音が静かに乱入してくる。終盤、両者は混じり合い、高速スピッカートなのかエレクトロニクスなのか判然としない音の粒子が烈しく舞い乱れる。冒頭の“Falaise”が高らかに宣言しているように、弦(と管)がこのアルバムのひとつの個性になっていることは疑いない。ストリングスは4曲目“Requiem for CS70 and Strings”や10曲目“Sea-Watch”でも効果的に活用されており、そういう意味ではフローティング・ポインツによる4年ぶりのこのアルバムは、昨今のモダン・クラシカルの文脈から捉え返すことも可能だろう。 が。やはり、それ以上にわれわれを惹きつけるのは、そのエレクトロニックかつダンサブルな側面だ。2曲目“Last Bloom”のエレクトロ、3曲目“Anasickmodular”や7曲目“Bias”におけるダブステップ~ジャングルの再召喚、そ
米ミュージシャンのジェフ・ミルズさん。仏オランジュの古代劇場で(2019年7月10日撮影)。(c)Christophe SIMON / AFP 【7月17日 AFP】テクノのパイオニアである米ミュージシャン、ジェフ・ミルズ(Jeff Mills)さん(56)は11日、AFPのインタビューに応じ、エレクトロニック・ミュージックは「中産階級」のものに成り果て、政治的鋭さを失ってしまったと語った。 ミルズさんはミシガン州デトロイト(Detroit)出身で、多大な影響力を持つレコードレーベル「アンダーグラウンド・レジスタンス(Underground Resistance、UR)」を結成した。DJでもありプロデューサーでもあるミルズさんは、ティーン向けに作られる「バブルガム・ポップ」が、世界のダンスフロア、テレビ、ラジオ、イヤホンを乗っ取ってしまったと指摘する。 「音楽、特にダンスミュージックは、か
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