「牛乳の中に生きたカエルを放り込んでおくと、牛乳が腐らない」という言い伝えがロシアにあるが、これはまったくのでたらめというわけでもなかったらしい。 近年の研究で、カエルの皮膚は抗菌性ペプチドの宝庫であることが明らかになってきた。なかには、病院などで悩みの種になっている病原菌(たとえばメチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対抗する力を持つペプチドも含まれる。つまり、牛乳の中のカエルは、牛乳の保存に有効な手段だったのかもしれないのである。 成人の多くは牛乳を消化できない 古来、人々は牛乳を飲むために大変な努力をしてきた。 そもそも人間は牛乳を飲むようにはできていない。乳に必ず含まれる糖質の一種、乳糖(ラクトース)は、ラクターゼという酵素によって分解・消化されるが、ほとんどの人間の体内では、乳児期を過ぎるとこの酵素が作られなくなる。そのため、世界の成人のおよそ75%は牛乳を消化できない。 ラクターゼを