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ブックマーク / classingkenji.hatenablog.com (19)

  • 金沢「だんまや水産 金沢駅前店」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    年末は、金沢へ。この日は会の予定だったのだが、少し時間が余ったので、この店に入ってみる。養老乃瀧系列のチェーン店だが、興味を持った理由は、このメニュー。字が小さくてわかりにくいかもしれないが、抜粋すると、こんな内容である。 だんまや海鮮刺盛 香箱ガニ 真鱈白子ポン酢・天ぷら 加賀野菜天ぷら ガス海老唐揚げ 萬歳楽・山廃純米「剱」 萬歳楽・吟醸菊のしずく 天狗舞・山廃仕込純米 天狗舞・旨醇 手取川・大辛口名流純米 他のチェーン店でも、近江町の魚を前面に出すなど、普通でないメニューが多いようだ。さすが金沢では、通り一遍のメニューのチェーン店は通用しないらしい。 チェーン店が、不振だという。ブラック批判を受けたワタミだけではない。中途半端な価格で、通り一遍のものを出していたのでは、客が離れていくのも当然だろう。思い切って店に権限を委譲し、創意工夫を認めるのはひとつの方法だろう。(2015.12

    金沢「だんまや水産 金沢駅前店」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2017/01/24
    チェーン居酒屋でも、地方に行くと独自色出してるところあるよね
  • 復活した銀座五丁目の「ライオン」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    札幌銀座ビルの建て替えで閉店していた銀座五丁目のライオンが復活した。まずは地下二階のビヤホールへ。木をベースにした、ちょっとチェコ風のインテリアで、円形の照明が洒落ている。鯖のマリネとローストビーフで、エーデルピルスをいただく。ここだけで帰るつもりだったのだが、帰りに地下一階の店を覗くと、ビールのメニューが違っている。何とサッポロのクラフトビール、クラフトラベルが五種類もあるのだ。これは飲まないわけにいくまい。というわけで、飲んだことのないライ麦スタウト、ジャグリングIPA、そして伝説のソラチエースをいただく。良い意味で大メーカーの造ったクラフトビールで、個性は抑えめ、あくまでも味は澄みきっている。銀座へ行く楽しみがひとつ増えた。(2016.10.2) 中央区銀座5-8-1 GINZA PLACE B1/B2 10:00〜23:30 無休

    復活した銀座五丁目の「ライオン」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2017/01/24
    『サッポロのクラフトビール、クラフトラベルが五種類もある』
  • チェーン居酒屋の先駆者「天狗」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    チェーン居酒屋が花盛りである。覚えきれないくらい多数のブランドを展開する大手チェーンがある一方、わずか一〇店前後を展開するだけの中小チェーンも多い。都心の居酒屋街など、チェーン店でない店を見つけるほうが難しい。 バブル崩壊以降、居酒屋の店舗数と売上はいずれも減少傾向が続いているが、チェーン居酒屋は店舗数・売上げともに、わずかながら増加傾向にある。大手チェーンになると、多様な業態の外店や給事業などを展開しているので、居酒屋部門のみの売上が分らない。このため正確なところはつかみにくいが、現在ではおそらく、年間一兆円弱となっている居酒屋全体の売上げ(統計上の分類では「居酒屋・ビヤホール等」)の半分前後を、こうしたチェーン居酒屋が占めるようになっているのではないかと思われる。 チェーン居酒屋の歴史は、もうかなり長くなった。ビヤホールを含めた居酒屋チェーンをビジネスモデルとして確立した立役者とし

    チェーン居酒屋の先駆者「天狗」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2015/12/14
    今日の居酒屋形態の原型を作り、早い時期から地酒を提供し、バブル期にボージョレー・ヌーボーをこき下ろし、深夜営業をせず、労働組合の組織率が高い「天狗」について
  • TBSレビュー出演 - 橋本健二の居酒屋考現学

    放送からだいぶ経ったので、そろそろ書いてもいいだろう。 「TBSレビュー」という番組に出演した。TBSの「検証番組」で、「TBSのみならず、放送全般が抱える問題について、幅広く取上げ、検証していく番組」とのこと。この回は「吉田類の酒場放浪記」がテーマのひとつだった。六月一六日、私の仕事場で収録し、七月五日に放送。番組に対する評価、コメントをということだったので、おおよそ次のような話をした。 居酒屋が好きな人のツボのようなものをよく押さえている。居酒屋はその雰囲気に浸ることが重要なので、動画メディアはその雰囲気を伝えるのに適している。吉田類さんの人柄もあり、そうした特徴をよく生かしていると思う。しかし、居酒屋というのは社会の縮図のようなものだから、もっとジャーナリズム的要素があっていいのではないか。大衆酒場ブームなどといわれているが、実際には経営難・後継者難が深刻で、居酒屋の数は最近六年間で

    TBSレビュー出演 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2015/11/17
    「吉田類の酒場放浪記」について語ったが、注文をつけた後半部分はすべてカットされてしまった、とのこと
  • 新著のお知らせ - 橋本健二の居酒屋考現学

    12月初めに、新著『居酒屋の戦後史』が出版されます。 一九四五年の焼跡の国民酒場から説き起こし、酒と居酒屋の戦後七〇年(戦時中を一部に含みますが)を振り返ります。ご一読いただければ幸いです。 まだ校正が終わっていないのに、予約できてしまうようです。 (2015.11.22追記) 帯カバーができました。 居酒屋の戦後史 (祥伝社新書) 作者: 橋健二出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2015/12/02メディア: 新書この商品を含むブログ (7件) を見る居酒屋の戦後史 (祥伝社新書) [ 橋健二 ] ジャンル: ・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 885円

    新著のお知らせ - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2015/11/17
    『12月初めに、新著『居酒屋の戦後史』が出版されます。』『一九四五年の焼跡の国民酒場から説き起こし、酒と居酒屋の戦後七〇年を振り返ります。』買います
  • 新編著『戦後日本社会の誕生』 - 橋本健二の居酒屋考現学

    私としては、三冊目の編著となります。単著を含めると、一三冊目でしょうか。書はSSM調査(社会階層と移動全国調査)のデータを用いて、戦前から戦後にかけての日社会の転形過程を計量的に明らかにしようとするものです。 一九五五年に始まったSSM調査は、二〇〇五年までに六回を数え、カバーする調査対象者の出生年は、実に一八八五年から一九八四年の一〇〇年間にも広がっています。これはすでに、第一級の歴史的資料といっていいでしょう。とくにSSM調査の最大の特徴である職歴データなどは、職業的キャリアに関する長時間をかけた聞き取り調査にも匹敵するほどの情報量があります。そこで戦前から戦後にかけて生きた多くの人々を含む一九五五年と六五年のデータを中心に、「戦後日社会」が誕生した過程を明らかにしようというのが、書の目的です。私たちはこれを「戦後社会形成史」と呼んでいます。ご一読を。 戦後日社会の誕生 作者

    新編著『戦後日本社会の誕生』 - 橋本健二の居酒屋考現学
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    zaikabou 2015/05/30
  • 大阪「天満 風の森」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    天満の夜、三軒目には「多聞酒蔵」で一杯だけ飲み、そろそろホテルに帰ろうかと歩く途中、「風の森」という看板を見つけた。私の大好きな奈良の酒である。これは、入らないわけに行かないと覗いてみると、店内はほぼ満員。店主が満員ですと済まなそうに頭を下げるので、店を出ようとしたら、客の一人が近寄ってきてここに座れという。ありがたく、ご一緒させてもらうことにした。 この酒の特徴は、濃醇でフルーティーな無濾過生原酒なのに、意外なほど安いということ。この店ではグラス一杯の値段が、秋津穂二七〇円、雄町三六〇円など。地元の陽気なお客さんたちとしばし楽しい時を過ごさせていただいた。写真を撮ったのだけど、アドレスも何も聞かなかったので、お送りすることができない。もしご覧になった方がいたら、ご連絡ください。ちゃんとした解像度のものをお送りします。(2013.9.7) 大阪市北区天神橋4丁目2−19‎ 17:00頃〜2

    大阪「天満 風の森」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2015/01/19
    風の森がやってる店があるのか!同日に行っている「発酵のすすめ」「ちゃぶ」や「天満酒蔵」も良さそうだし、次は天満に泊まろう
  • 野毛「すきずき」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    今日は大阪転勤が決まったMさんの送別会で、横浜・野毛へ。少し早めに行って、桜木町から都橋あたりまで散策してから、この店へ。評判の店らしく、まあまあ大きい室内だが、どんどんグループ客が入ってきてすぐに満員になる。魚主体のコース料理は、いずれも美味い。キノコの煮物、穴子、枝豆入り玉子焼の前菜から始まって、揚げ物は野菜の彩りも美しく、茄子ですり身を包んでそぼろ餡に仕立てた椀物も、良く出来ている。和のちゃんとしたコース料理を、大衆酒場の雰囲気で味わう店である。たいがいの料理は銘々盛りで出てくるのだが、刺身だけは大皿でドン、と。締めの鰯寿司まで、美味しくいただいた。酒はごく普通のものしかないが、これはこれでいい。 帰りは菊名で乗り換え、要町まで一直線。時間はそれなりにかかるが、便利になったものだ。(2013.9.14) 横浜市中区野毛町2-77-1 17:00〜24:30 (土15:00〜 日13

    野毛「すきずき」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2015/01/19
    お、橋本さんも「すきずき」に行っておられる。野毛らしいわけでは無いが、良い店だと思う
  • 松江「朔屋」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    松江には、地元の酒、それも純米原酒や大吟醸など珍しいものをいろいろ飲ませる店が何軒かある。七月に紹介した「佐香や」もそのひとつだが、もう一軒。こちらの店は、島根のすべての銘柄を揃えていて、店先に「酒は純米 燗ならなお良し」と上原浩の言葉が掲げられているとおり、純米酒が中心。地元の海の幸と、日酒に合う珍味をいろいろ揃えていて、日酒好きのパラダイスだ。 店主の福島さんは、もう一軒「日酒バー じう」という店も開いていて、こちらは福島さんが当に気に入った酒だけを厳選し、少人数で楽しむ場所になっている。(2011.11.3) 松江市寺町186 18:00〜24:00 日休

    松江「朔屋」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2015/01/14
  • 大阪「明治屋」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    大阪が誇る日の名店だが、実は私は今回が初めて。ご覧の通りの店構えは、まるで明治か大正期を描いた映画のセットだ。移転したものの、店の空気までもってきたかのように変わっていないと言われていたが、確かにそうなのだろうと思う。最近できた店にはとうてい見えない。 カウンターに座ったが、実に居心地がいい。意外に、酒の種類が多い。土佐鶴、山形正宗、川鶴、秋鹿、菊姫、神亀、雨後の月など、名だたる銘酒が揃っている。肴も幅が広く、何を注文しても旨い。店の雰囲気は、凜として落着いている。行儀の良くないグループ客もいるにはいるのだが、少し声が大きくなると、女主人が素早く近寄って注意をする。手を叩き始めると、やはり寄っていって手は叩かないでと注意する。店の雰囲気というものは、こうした努力で保たれるのだ。 次々に客が入ってくる。若い客が意外に多い。さっと飲んでさっと帰る客も多いので、さほど待たされることはなさそうだ

    大阪「明治屋」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2015/01/05
    一度、行きたい
  • 新興チェーン居酒屋の系譜 - 橋本健二の居酒屋考現学

    チェーン居酒屋の先駆者である「天狗」と「養老乃瀧」は、ある時期まで居酒屋界の両横綱とも評されたが、一九九〇年前後から新興のチェーン居酒屋が台頭し、やがて追いつかれ、追い越されていく。その起点は、七三年に一人の男が札幌で開店した小さな居酒屋にあった。男の名は、石井誠二という。 石井誠二は、四二年東京生まれ。自伝『居酒屋の道』によると、中学を卒業していくつかの職を転々としたあと、札幌農学校の基礎を築いたクラークの「青年よ大志をいだけ」という言葉に触れ、とくに当てもなく北海道に渡った。二一歳の時である。列車の中で出会った行商人の女性たちに加わって、行商を三年間続けたあと、養鶏場に勤めて鶏肉加工の技術を身につけ、三〇歳になって雑居ビルの二階に「つぼ八」を開店する。店の面積が八坪だったことから付けた店名である。 開店にあたり、石井はターゲットを若いサラリーマンと女性に絞る。赤提灯とは一線を画し、北欧

    新興チェーン居酒屋の系譜 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2014/12/04
    サラリーマンと女性をターゲットに格安を目玉に急成長した石井誠二「つぼ八」と、その傘下で学んだ2人、「ワタミ」創業者の渡邉美樹、「モンテローザ」創業者の大神輝博
  • 「養老乃瀧 要町店」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    これから時々、「居酒屋の戦後史」と題して、ちょっと長めの記事を書くことにしたい。 新年早々から、というわけではなく、去年の暮れのこと。近所の養老乃瀧に行ってみた。 養老乃瀧の前身にあたる富士堂が松市駅前に開業したのは、一九三八年のこと。創業者は、木下藤吉郎。もちろん偽名で、名を矢満田富勝という。一九二〇年生まれだが、まだ死去したという情報はないので、九三歳でご存命のはずである。農家の息子だったが、大阪への出稼ぎで資金を貯め、堂を開業した。持ち前の才覚で一時は長野県内に一〇〇店舗以上を構えるまでになったが、手を広げすぎて経営不振に陥る。事業をいったん手放して横浜市に移り、養老乃瀧一号店を開業したのは、一九五六年のことだった。 一号店はたちまち評判となり、矢継ぎ早に横浜市内に店舗を展開、翌年には東京進出を果たし、さらには関西にも進出。六五年には、当面の目標だった一〇〇店舗を達成する。当

    「養老乃瀧 要町店」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2014/12/04
    ツケが普通の時代に食券制を導入したはじめてのチェーン居酒屋、養老乃瀧について
  • 地酒ブームと酒ジャーナリズム - 橋本健二の居酒屋考現学

    一九七五年ごろから始まった地酒ブームをさらに加速したのは、酒ジャーナリズムともいうべきスタンスを前面に出した、一連の出版物だった。その始まりは、稲垣眞美の『ほんものの日酒選び』(三一書房・一九七七年)である。 このは、稲垣の個人的なエピソードから書き起こされる。三年前というから、一九七四年のことだろう。 京都の小料理屋で、家業の酒蔵を営む友人と酒を飲んでいた稲垣は、この友人が指定して飲ませてくれた酒の味に驚く。「サラリとした感触で、いくぶん甘口かなとは思ったが、糖分の甘さでなく、自然の旨みという感じがした」。聞くと、米一〇〇%で造った酒で、純米酒と呼んでいるという。不思議に思った稲垣は、日酒はみんな米から造るのだろうと問う。これにたいして友人は、米だけから作っていたのは戦前の話で、今では大部分の日酒は、アルコールや糖類を大量に混ぜて造られている。しかし最近になって良心的な蔵元の間に

    地酒ブームと酒ジャーナリズム - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2014/12/04
    稲垣眞美『ほんものの日本酒選び』にはじまる酒ジャーナリズム考
  • 地酒ブームの到来 - 橋本健二の居酒屋考現学

    「地酒」という言葉は、今ではあまり使われなくなった。全国各地に優れた日酒を造る小さな酒蔵が数多くあることは、すでに常識化している。名の知れた酒も多いし、蔵元と熱心な酒販店などの努力により、少ないながらも全国的に流通するようになっている。だから、地元でのみ飲まれている酒というニュアンスの強い「地酒」という呼び名は、必ずしもふさわしくない。しかし、こうなるまでには長い道のりがあった。 これまで何度か「地酒ブーム」「日酒ブーム」といわれた時期があったが、その最初のものは、一九七五年前後から始まり、しばしば「第一次地酒ブーム」と呼ばれている。その経緯を振り返ってみたい。 一九六〇年代の中ごろ、高度経済成長で日酒の消費量も急増し、灘をはじめとする酒どころの大手メーカーが販売拡大にしのぎを削っていた。しかし一方では、全国各地に小さな酒蔵があって、良質の酒を造りながら、あえて級別審査を受けずに二級

    地酒ブームの到来 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2014/12/04
    1960年代の地酒ブームの端緒から、「日本名門酒会」へ
  • 『居酒屋ほろ酔い考現学』 - 橋本健二の居酒屋考現学

    二〇〇八年に出版した『居酒屋ほろ酔い考現学』が、文庫になりました。私としては、初の文庫になります。内容はほとんど同じですが、所得階層別の飲酒代、酒の消費額などのデータは、最新のものにしてあります。格差拡大による酒消費の二極化傾向は、ますますはっきりしてきたようです。このままでは、日の居酒屋文化、飲酒文化は、ますます危うくなるでしょう。 とはいえ、こんな話ばかりではなく、酒を楽しむのに役立つ雑学が満載です。お近くの書店などでどうぞ。 居酒屋ほろ酔い考現学 (祥伝社黄金文庫) 作者: 橋健二出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2014/12/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る

    『居酒屋ほろ酔い考現学』 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2014/12/04
    『二〇〇八年に出版した『居酒屋ほろ酔い考現学』が、文庫本になりました』
  • 飯野亮一『居酒屋の誕生──江戸の呑みだおれ文化』 - 橋本健二の居酒屋考現学

    これは、居酒屋に関する初の格的な歴史書といっていい。断片的な情報を集めたものではない。江戸期の文献を幅広く渉猟し、江戸期における居酒屋の全体像を描いている。これはひとつの偉業である。 居酒屋の起源についてしばしば言われるのは、江戸は労働者など独身男性の多い都市だったので、調理した料理を売る煮売屋という商売が繁盛し、ここで酒も出したところから居酒屋が生まれたというものである。誰が言い出したか分らないが、しかし実際には、河豚や鰻、魚料理や薬喰いなどを専門とする料理店が酒を出したこともあったはずだし、また酒屋が店先で飲ませることもあったはず。煮売屋が唯一の起源であるはずはない。 これに対して書は、膨大な文献や作品を読み解きながら、江戸における居酒屋の多様な起源と、そこにおける料理の内容から営業時間、酒の供し方に酒飲みの作法、出入りした人物像や雰囲気にいたるまで、細密画のように描き出す。絵入り

    飯野亮一『居酒屋の誕生──江戸の呑みだおれ文化』 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2014/12/04
    『居酒屋に関する初の本格的な歴史書』
  • 『おとなの週末』2010年10月号 - 橋本健二の居酒屋考現学

    べログ」は、私もときどき使う。何しろ掲載店数が多いので、たいがいの店は載っている。このブログでも、住所や休業日などのデータを確認するのに使うことがある。しかし、どの程度信用できるのか。これは、とある小さな老舗居酒屋で主人から聞いた話。 この間、「べログ」から電話が来たんですよ。アクセス数が多いというので、資料も送ってくる。それで電話かけてきて、お宅は何とかの部門で二位だけど、コマーシャル出したら一位になるぞ、ランキングの順序変えることもできますよ、ていうんですよ。何だろね、ありゃ。 べログは読者からの評価によるランキングを標榜しているが、実際には有料の店舗会員というのがあって、読者の投稿とは違う広告掲載ができるようになっている。ということは、広告行為を「読者の評価」によってハク付けしているだけということになりはしないか。 この雑誌、今回の特集は「べログを覆面調査」。べログ上位の

    『おとなの週末』2010年10月号 - 橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2010/10/11
    『おとなの週末』はわりと品の無い雑誌で、そういうところが駄目だったり面白かったりもする
  • 橋本健二の居酒屋考現学

    次のブルワリーは、京都駅の南、九条と十条の間にある「京都醸造」。近鉄線や市営地下鉄の十条駅からも行けるが、かなり歩くのでバスを使った方がいい。営業は金土日の週3日。もともとは1階タップルームと2階フロアで飲できたらしいが、コロナ禍のため中止し、タップルームで買ったビールを屋外のテーブルで飲むというスタイルになっている。ビールの種類が多く、この日は9つのタップに樽がつながっていた。ベルギースタイルが得意のようで4種類、他にもアメリカンIPA、ピルスナーなど。いずれもスタイルの真ん中をいく、鮮やかな味わいのビールだった。 3月4日現在は持ち帰りのみだが、3月12日から営業を再開するとのこと。(2020.12.12) 京都府京都市南区西九条高畠町25-1 https://kyotobrewing.com [3月12日以降の営業予定] 金:17:00~20:30 (LO 20:00) 土日:12

    橋本健二の居酒屋考現学
    zaikabou
    zaikabou 2009/05/15
  • 祐天寺「ばん」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    昭和三〇年代の話である。ある居酒屋で、なぜか炭酸が飛ぶように売れている。それを訝った炭酸会社の社長が、その店を訪れてみると、生レモンを焼酎に搾り入れ、炭酸で割って飲ませていた。そこからアイデアを得て、店の店主にもアドバイスをもらって開発されたのが、「ハイサワー」なのだという。だからこの店は、「レモンサワー」の発祥地ということになる。いや、単に「チューハイ」「サワー」と言えばレモンサワーを指すことも少なくないことを考えれば、今日の「チューハイ」「サワー」の発祥地ともいえないこともない。この話は、『古典酒場』の第二号に載っている。その店が、ここ祐天寺の「ばん」である。 駅から離れているので少々不安だったが、店はすぐに見つかった。まだ五時前というのに、店は満員になりかけている。まずは名物のレモンサワーをいただく。すぐに店員が持ってきたのは、氷と焼酎の入ったグラス、炭酸水のボトル、そして二つ割りに

    祐天寺「ばん」 - 橋本健二の居酒屋考現学
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