滋賀県長浜市で2006年2月、市立幼稚園児2人が鄭永善(てい・えいぜん)受刑者(39)=殺人罪などで無期懲役判決=に刺殺された事件で、遺族が「鄭受刑者の異常な言動を認識していたのに適切な対応を怠った」などとして、同市と鄭受刑者の元夫(51)に計約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、大津地裁であった。石原稚也(ちがや)裁判長は「言動などから鄭受刑者が園児を殺傷すると察知するのは困難だった」と判断し、遺族側の請求を退けた。 原告は被害者の佐野迅(じん)ちゃん(当時5)と武友若奈ちゃん(同)の両親。 09年2月の大阪高裁判決によると、鄭受刑者は06年2月17日朝、同市相撲(すまい)町の路上に止めた乗用車内で、市立神照(かみてる)幼稚園に引率していた2人を刺し身包丁で刺殺した。検察側は死刑を求刑したが、高裁判決は「統合失調症の影響で心神耗弱状態にあった」と判断。無期懲役とした一審・大津地
「心の病を抱え、今は苦しまずに逝ったことが幸いだったと思う」。10月下旬、東京都東久留米市で精神疾患を理由に救急搬送できずに死亡した男性(当時44歳)の自宅を訪ねた。「救えた命だったのでは」。私たちの問いかけに父親(77)と母親(71)は当初、報道されるのをためらった。あの日からまもなく2年。表札には長男の名前が残る。20年間、病に悩んだ息子の死をどう受け止めればいいのか。両親の心は揺れ続けてきた。【堀智行、江刺正嘉】 09年2月14日夜から15日未明。東久留米市の住宅街で救急車が赤色灯を回しながら立ち往生していた。いつになっても受け入れ先の病院が見つからない。搬送をあきらめ自宅に戻すことになった。「大丈夫よね」。母親には長男が眠っているように見えた。だが救急隊員は「命の保証はできません」と告げた。 母親が長男の異変に気づいたのは23歳の時だった。アルバイトから帰ってくると突然母親に食って
◇東久留米で昨年2月 東京都東久留米市で昨年2月、体調不良を訴えた統合失調症の男性(当時44歳)が救急搬送されずに腸閉塞(へいそく)で死亡した。救急隊は2時間半にわたり受け入れ先を探したが、13病院に受け入れられず搬送を断念した。「精神科などの専門医がいない」「病床がない」などが病院側の理由だった。高齢化や自殺未遂で精神障害者が身体疾患にかかるケースが増えているが、両方の症状を診られる病院が少ないため搬送が難航している。精神と身体の合併症患者を受け入れる体制の不備が浮かび上がった。(社会面に「こころを救う」) ◇心身合併症、減る受け皿 男性の家族が情報公開請求して開示された東京消防庁の記録や家族の証言によると、男性が死亡するまで次のような経緯をたどった。 昨年2月14日(土)20・00すぎ 男性が母親に「具合が悪いから医者に連れていってくれる?」と訴える。病院は医師などの配置が手薄な休日・
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大阪府高槻市の府営住宅で昨年5月、知的障害のある息子を殺害したとして、殺人罪に問われた父親の無職、菅原和夫(60)と母親の同、多美子(57)両被告の裁判員裁判の判決公判が14日、大阪地裁であった。西田真基裁判長は「結果は重大だが、くむべき事情もある」として、和夫被告に懲役2年6月(求刑懲役7年)を、多美子被告に懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役3年)を言い渡した。 判決によると、両被告は共謀の上、昨年5月30日、将来を悲観して夫婦で一家心中を計画。知的障害のある長男の健太郎さん=当時(33)=を道連れにしようと自宅洋間で健太郎さんの首を荷造りひもで絞め、殺害した。 判決は、健太郎さんに統合失調症の診断に加え、異常行動や家庭内暴力があったとした上で、両被告について「心労を重ねつつ深い愛情で被害者を育てていた」と指摘。一方、和夫被告の糖尿病や失職、多美子被告の精神疾患も重なり、「貯蓄を使っても3
精神科Q&A 【1899】2010年のnature誌に、非定型抗精神病薬は古くからの抗精神病薬と効果も副作用も差がないという研究結果が出ていましたが本当でしょうか Q: 60代男性です。息子が統合失調症で入院し、3ヶ月を過ぎましたが、病識や親や友人への妄想的思いなどの点で回復が思わしくありません。今日は先生に抗精神病薬に関する質問をさせていただきます。 英国の科学雑誌Natureの2010年11月11日号でCombating schizophreniaという特集が組まれており、記事や論文がいくつか載っています。その中の”The Drug Deadlock”という解説記事によると、米国で2005年までの4年間にわたって大規模な臨床試験が行われ、いわゆる非定型抗精神病薬と第一世代に属するペルフェナジン(PZC)の間に、効果の点でも副作用の点でも差が認められないという、驚くべき結果が得られた、と
研修医の頃、ある統合失調症の患者さんのサマリーをオーベンに見てもらっていた。「抑うつ気分がみられる」と書いていたところ、 えっ! と驚いたような顔をし、その「抑うつ」が情意の鈍麻などの陰性症状ではないか、よく注意して診察しなさいと言われた。(これはたぶん演技。研修医に色々考えさせるため。) 一般に、統合失調症のほとんどの診断基準には「抑うつ気分」は挙がっていない。(むしろはっきりした気分障害は除外項目になっているほど) よく考えると、意味不明の宇宙語で書かれたノートを持ってくる何十年も入院している統合失調症の患者さんには、ほとんど「うつ」がない。むしろ多幸的な人が多いほどだ。(古典的、昔の教科書に写真が載せられているような患者さん) 単純に考えると、常に脳内のドパミンが過剰状態であれば、うつ状態になりにくい疾患的背景はあるように思う。 しかし臨床経過中、統合失調症の人でも「うつ状態」が見ら
精神科Q&A 【1877】弟が統合失調症だということを両親が認めず、心の風邪だなどと言って治療を阻んでいます Q: 30代の女性です。29歳の弟が統合失調症の治療中です。その弟に対しての、家人の対応についての、ご相談です。 高校卒業後、定職にもつかずにいた弟に症状らしきものがあらわれて数年がたち、家人も危険を感じるほどの手がつけられない状態になってからようやく家人を納得させ、私が手配をして精神病院に緊急搬送しました。 弟の症状ですが、極度の妄想がありました。同じマンション内の何号室の誰それに集団で嫌がらせを受けている、インターネットに陰口を書き込まれている、盗聴盗撮されている。自分の部屋やリビングに目張りをしてまわり、機械が仕掛けられているといっては天井をはがしたりしていました。母親にお金をせびり、探偵を呼んだこともありました。(嫌がらせをしている人間は見受けられない、という調査結果に、
前の記事 リビングを飾る「F1カーのパーツ」 「注意力散漫」とインターネットと創造性 2010年10月18日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) フィードサイエンス・テクノロジー Jonah Lehrer 画像はWikimedia 人々は、ネットの世界は気が散りやすいと不満を訴えている。われわれは、そこかしこにあるリンクや、予想していなかった検索結果、妙に詳しいWikipediaの項目などに常に誘惑され続けている。 われわれの文化は「集中」を尊ぶ。困難な問題に直面したとき、最も良い方法は焦点を絞って注意深く思考することだと考えている。従って、3倍濃いエスプレッソを飲んだり、Red Bullを飲んだり、リタリン[中枢神経刺激薬]を飲んだりする。これらの化学物質は注意力の焦点を鋭くし、われわれをタスクに固定する働きがあるからだ。 しかし、注意力散漫は絶対に悪いものなの
通常の抗精神病薬で十分な効果が見られない「治療抵抗性」の統合失調症に対する初の治療薬「クロザピン」(製品名クロザリル )が発売され1年が経過した。副作用の心配から、患者などの登録を義務付け、これまでの投与は約100人と少ないが、専門医は「症状に改善が見られ、リハビリへの意欲が出た」などと評価している。 統合失調症は妄想、興奮といった「陽性症状」、他人との心の通じ合いなどに障害が出る「陰性症状」、認知障害などさまざまな症状が現れるとされる。「人間関係や社会活動に支障をきたすことが問題。症状だけに目を奪われると治療はうまくいかない」と、石郷岡純・東京女子医大主任教授(精神医学)。 ストレスへの抵抗力を強め、病気から健康な状態にもっていく手伝いをするのが治療の考え方で、この点では薬物療法も心理社会療法(リハビリ)も共通だという。 抗精神病薬は、薬物療法の中心。脳内の神経伝達物質ドーパミンの
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