28日に中央教育審議会(中教審)の特別部会がまとめた教員不足解消に向けた緊急提言は、長時間勤務の解消策が柱の一つとなった。国の基準を上回る授業時間や形骸化した行事など業務が膨らんだ現状に対し、求めたのは「引き算」の発想によるスリム化。一方で、抜本的な職場環境の改善には、教員の定数増が不可避との見方もあり、議論の行方が注目される。 「文科省が率先してスクラップ(廃止)をしていくのが大事。引き算する発想で本当に重要な事柄にエネルギーと時間が向かうようにしたい」 提言後、意見交換に臨んだ委員の学校業務改善アドバイザー、妹尾昌俊氏の発言は象徴的だった。部会では、徹底した業務の見極めによる仕事量の削減が求められた。 提言は全ての学校に授業時間の点検を要請。国の基準(標準授業時数)は小学5年で年間1015コマ(1コマ45分)だが、令和4年度の公立学校の授業計画ではこれを大幅に上回る「1086コマ以上」