週刊ダイヤモンド編集部 【第29回】 2008年09月10日 三菱商事が手を染めた関税逃れ 制度の歪み突いた「裏ポーク」 三菱商事が、豚肉の輸入をめぐり巨額の差額関税を不正に免れたとして、東京税関から約45億円の追徴課税処分を受けていたことが発覚。業界の雄のお粗末な実態が明らかになるとともに、豚肉限定の税制の特異性が露呈した。 「差額関税制度」は国産豚肉の値崩れを防ぐため1971年に導入された。豚肉の輸入価格が一定価格を下回った場合、国内価格を参考にした基準価格との差額を輸入者から徴収する。輸入価格が安いほど関税が高くなるため、基準価格に近い価格を虚偽申告するケースが続出したいわくつきの制度だ。 関係者によると、三菱商事は2005年、デンマーク産の冷凍豚肉の輸入で、実際より価格を高く申告、差額関税約42億円の支払いを不正に免れた。 その際、国内の食肉輸入会社2社を介して輸入する形態