過去に反響のあった週刊SPA!内の特集「年収300万円家族の苦悩」を会員限定で再公開。不景気&値上げで苦しい今の時代にも役立つ情報をお届けする。(初公開日2018年10月16日 情報は取材当時) * * * 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。“ほぼ貧困”状態にある[年収300万円家族]のリアルに迫った―― 遠山浩二さん(仮名・44歳)/世帯年収260万/家族構成:妻+子供(16歳) 総務省の労働力調査によると、2018年8月の時点で正社員として働く機会のない非正規雇用者は35~44歳で約365万人。現在、埼玉県で非常勤の塾講師とアルバイトの家庭教師をかけ持ちする遠山浩二さん(仮名・44歳)もそんな非正規雇用者のひとりだ。 「今、満足に妻と娘を養うことができていないのは、関西大学
本来、働き盛りとされる40代が世帯主の低所得世帯の割合が20年間で1.5倍に増えたことが厚生労働省のまとめで分かりました。 厚生労働白書によりますと、世帯主が40代で年間所得が300万円未満の世帯の割合は、2014年までの20年間で11%から17%に増えました。単独世帯やひとり親世帯が増加し、全体的に所得が下がったことが影響しています。一方、世帯主が65歳以上の高齢者の世帯では20年間で低所得の割合が減り、中所得の割合が増加していました。高齢の世代は年金で所得の格差の広がりが抑えられています。厚生労働省は、現在の社会保障制度は現役の世代よりも高齢の世代への給付が手厚くなる傾向があると分析しています。
日本経済の課題について議論する経団連の夏季フォーラム。今年は「格差」や「貧困」が経済に与える影響についても焦点を当てた。対策は何なのか? 大企業のトップらに聞いた。 経団連は2日間にわたって集中討議を行い、トランプ政権下でのアメリカとのビジネスでは、各州知事との関係強化がカギとなることなどを確認した。また、日本国内で広がっている「格差」や「貧困」についても、経済への影響や対策を話し合った。 経団連・榊原定征会長「日本の社会の中で格差というのは存在しているし、経済の成長にも大きな足かせになっている。経済界としてきちっと現状を認識するだけじゃなくて、やはり対応というのは考えて、しっかりと政策に生かしていくことが大事」 榊原会長は、非正規社員の正社員化など、経済界でも対策を強化していく考えを示した。 また、三越伊勢丹ホールディングスの石塚特別顧問は、中間層が少なくなったことが消費の減少につながっ
日本では、6人に1人の子どもが貧困だそうです。一人親に絞ると半分以上というデータも…。今回、貧困問題の巨人・社会活動家の湯浅誠さん、NPO団体「PIECES」の小澤いぶきさんに話を聞いて、これまでになかったマンガで正しい知識と現状を伝えたいと思います。 最近「子どもの貧困」というキーワードを目にする機会が増えていませんか? 日本では、「6人に1人の子どもが貧困 ※1」と言われていて、一人親に絞ると半分以上が貧困だというデータも出ています。実は子どもの貧困先進国である日本…。しかも、どんどん見えづらくなっていて、社会が把握するのも困難な事態に陥りつつあります。 ※1 出典:厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査 そこで今回、貧困問題の巨人と言われている法政大学教授・社会活動家の湯浅誠さん、さらに孤立した子どもたちへの支援に取り組むNPO団体「PIECES」の小澤いぶきさんに話を聞いてきました
青葉が濃くなり始めた真夏の札幌で、最初に聞いたのは凍えるような真冬の体験談だった。 会社員のヒロシさん(29歳、仮名)は深夜に帰宅すると、真っ先に厚手のダウンジャケットを着込む。マイカー通勤で薄手のジャケットしか着ていないので、本格的に寒さを感じるのはむしろ自宅に帰ってからだ。2月に入ると、室内の温度が氷点下を下回ることも珍しくない。本当なら、備え付けの灯油ストーブのスイッチを入れたいところだが、暖房費を節約するため、ストーブをつけるのは朝の30分だけと決めている。 そして、コンビニで買った総菜パンを2個、食べる。カップラーメンで身体を温めるか、栄養面を考えるならせめて弁当にすればいいのにと思うが、湯を沸かす時間が惜しいし、弁当は高いという。とにかく「早く食べて、早く寝たい」。時刻はとっくに零時を過ぎているが、翌朝も定時より1時間早い7時半には出勤しなくてはならない。かじかんだ手でパンの空
団塊世代は、年金不足と老老介護で貧困化。若者は低賃金で使いつぶされ貧困化……。昨年頃から顕在化し、広がってきた貧困問題。年配層や女性たちの苦しみも多々あるけれど、若者の実状はひどくなるばかりだ。 若者に貧困を強いる劣悪な雇用環境 藤田孝典(以下、藤田):私の新著『貧困世代』(講談社現代新書)と今野さんの新著『求人詐欺』(幻冬舎)は、多くの問題意識を共有しているように思いました。一言でいうと、いまの若者は現在、そして将来も、大変な貧困に陥らざるをえないような環境に置かれているということです。 私が所属しているNPO法人「ほっとプラス」には、食べるものにも困って、栄養失調状態で訪れる10代や20代の若者がいます。彼らは決して特殊な少数派ではなく、生活に困窮した若者の相談は後を絶たないんです。 にもかかわらず、上の世代はそういった若者が置かれている現実をまったく理解できていない。どう考えたって、
昨2011年世界規模で起きた、ある重大ニュースの発信源は米ニューヨークだった。「ウォール街を占拠せよ」。格差社会に疑問を持つ若者たちによって9月に自然発生したデモが、フェイスブックやツイッターといった新しいメディアを通じ、わずか1カ月間で東京を含む1400以上の都市に波及したのだ。非正規20代の2割、月10万円みたぬ収入 デモは、先導者がおらず統一した要求もないという異例づくしだったが、だれかが必ずこんなプラカードを掲げていた。「We are the 99%」(私たちが99%だ)。1%の富裕層が招いた金融危機を99%の貧困層が尻拭いしているという批判を込めた言葉だ。これが、日本の若者たちの間でも共感を呼び続けているという。 貧困問題に詳しい作家の雨宮処凛(36)は「デモの広がりは、非正規労働者と正社員が対立するという構図が、嘘であることを気づかせてくれた」と説明し、過労死問題について重要な
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