この本は、朝日新聞の連載「報われぬ国 負担増の先に」を元にして作られた。堅いイメージのある新聞が、そう簡単に「地獄」だなんて、どんな感じなんだろう?そう興味をもって読み始めた。そして間もなく、納得した。 ぎゅうぎゅう雑魚寝部屋 およそ20畳の部屋に、仕切りなしで雑魚寝する10人の老人。男女混合。「誰かが誰かの布団に入って、入られた方も認知症で拒絶できない」という状況もあるという。 歩く隙間もなく、夜間は糞尿が放置される施設もある。 誰かがノロウィルスに感染すると、一気にひろがる。圧倒的に人手が足りず、「やむを得ず」が多い。野戦病院のような深刻さ。 本書帯に書かれた「それでも長生きしたいですか?」という問いにも、強くノーと言いたい気分になってしまった。 「でもそれって極端なレアケースで、平均を見ればそこまで…」という希望も、次の一瞬で打ち砕かれる。 貧乏人には選択肢は無い 上記の「雑魚寝」施