アメリカの特許制度がようやく変わった。9月16日、オバマ大統領が米特許法の改正法案に署名した。施行は2013年4月らしいから、まだ変わってはいないことになるが、「森が動いた」と言えそうだ。 アメリカの特許制度は、世界の国々の中でただ1カ国だけ独特であり、世界特許機構の中でも大きな問題になってきた。今まで長い期間の話し合いで、アメリカ代表も欠陥を認めているのだが、アメリカの国内で根強い反対があって改正されず、今日に至ってきた。 実は2007年にも「改正の寸前」という状況になったのだが、ブッシュ大統領が署名せず発効しなかった。今回はオバマ大統領が署名して発効した。実にめでたい。 アメリカの特許制度はここが「変」 アメリカの特許制度で世界の特許制度と大きく違っていたのは、以下の4点だろう。 (1)先発明主義を採用している。 (2)特許の概念が日本などに較べて幅広く解釈されている(実質的に同じ機能
次の記事 HTCに痛手 - アップルによるS3特許の侵害、iPhoneではなく実はMacと判明 2011.07.28 スマートフォンやタブレット端末の市場で競合するアップル(Apple)を相手に法廷での闘争を続けるHTCは、そのための対抗手段のひとつとしてS3グラフィクス(S3 Graphics:以下、S3)の買収を発表していたが、米国時間27日にこの買収が期待はずれの結果に終わる可能性が浮上した。 米国の国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission:以下、ITC)は今月1日に、S3が保有するグラフィック処理技術関連の特許をアップルが侵害しているとする判定を下していたが、今週に入ってこの判定に関する具体的な情報が公開された。 この話題を採り上げたArs Technicaによると、3Sは昨年5月にITCに対して、アップルのiPhone、iPad、iP
恥ずかしながら、私には2回、失業した経験がある。2回ともハローワークに通い、失業保険のお世話になった。 本稿は、最初の失業時の体験に基づく特許の話である。私は2002年10月に日立製作所を早期退職した(その顛末は本連載の最初に詳述した)。その後、半導体エネルギー研究所という会社に転職した。 失業中に、私は22の会社に履歴書を送ったが、すべて空振り。半導体エネルギー研究所は、23通目の履歴書を送った会社であり、初めて面接に到達し、そして採用された会社だ。 半導体エネルギー研究所は、半導体や液晶などの研究開発を行い、その結果を基に特許を取得し、基本的にその特許の権利行使だけで利益を上げ続けている極めて珍しい形態の会社である。 仕事は刺激的で面白かったのだが、社長の山﨑舜平氏とウマが合わず、「明日から来ないでくれ」と言われ、転職してからたった半年で退職することになってしまった。その結果、2003
マイクロソフトがAndroidベースの携帯機器メーカーとの特許ライセンス契約交渉を進めているのは周知と思います。Barnes&NoblesとMotorolaとは裁判中ですが、香港HTCを始めとするいくつかのメーカーとはライセンス契約を結んでいます。 この結果、たとえば、HTCのAndroid機器が1台売れるごとにマイクソフトには5ドルのロイヤリティ収益が入ると言われています。この収益機会は、マイクロソフトのWindows Phoneビジネスの収益機会よりも多いという見方もあります(参考記事)。つまり、マイクロソフトのモバイルビジネスにおける稼ぎ頭はWindows PhoneではなくAndroidという皮肉な状況ということです。 これをメーカーとしてどうなのよという意見もあるかと思いますが、イノベーションによる収益を最大化するのは経営者の義務ですし、適切なライセンス料金徴収にフォーカスしてい
先にお伝えした通り、破産したノーテルネットワークス(Nortel Networks:以下、ノーテル)の知的財産を処分するオークションで、アップル(Apple)やマイクロソフト(Microsoft)、リサーチ・イン・モーション(Research In Motion:以下、RIM)などの6社が、ノーテルの保有する6000件を超える特許を総額45億ドルで落札したが、この経緯についてReutersなどが興味深い話を伝えている。 過去にもほぼ例のない金額がついた今回のオークションだが、当初入札に参加したのは5者。具体的には、アップル、インテル(Intel)、それに9億ドルを提示してStalking Horceに指名されていたグーグルがそれぞれ単独で参加し、これにマイクロソフト、RIM、エリクソン(Ericsson)、EMC、ソニーの5社がつくるグループと、さらに知財管理専門会社のRPXが加わった。な
by whatcounts Appleが2007年に初代iPhoneをリリースした際、マルチタッチを駆使した革新的なインターフェースを提供したことは世界に大きなインパクトを与えましたが、マルチタッチインターフェースに関する広範な特許を取得したことが明らかになりました。 今回の特許取得により、AppleはAndroidやWindows Phoneといった競合する他陣営を含む、あらゆるタッチ製品を手がけるメーカーなどに対して優位に立ったということになります。 Apple awarded patent for iPhone interface | Phones | Macworld Appleに関する話題を扱う大手情報サイト「Macworld」によると、Appleが2007年に出願したマルチタッチインターフェースの基本的な動作に関する特許を取得したそうです。この特許は2007年12月19日に出願
前の記事 群衆の中で、個人の声を拾えるマイク 掲示板の「煽り」を発見するアルゴリズム 次の記事 「混戦状態の携帯訴訟」をイラスト化 2010年10月 8日 経済・ビジネス コメント: トラックバック (0) フィード経済・ビジネス Chris Foresman(Arstechnica) Illustration by Design Language モバイル機器に関する訴訟が混戦状態になってきている。 米Motorola社は10月6日(米国時間)、子会社である米Motorola Mobility社を通じて、イリノイ州北部地区とフロリダ州南部地区の2つの連邦地方裁判所で、米Apple社を相手に特許権侵害訴訟を起こした。また、国際貿易委員会(ITC)に対し、Apple社による『iPhone』『iPad』『iPod touch』および「いくつかの『Mac』製品」の輸入、営業、販売を禁止することを
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