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ブックマーク / realsound.jp (90)

  • 没後10年、世界中のクリエイターに影響を与えた今敏監督の功績 未発表作はどう決着する?

    アニメ監督の今敏が他界して、今年でちょうど10年になる。劇場用アニメ『PERFECT BLUE』(1997年)で監督デビューを果たしたが、もともとは漫画家として活動しており、80年代は大友克洋のアシスタントをしながら漫画連載の仕事をしていた。そのせいもあってか、絵柄に大友克洋の影響を受けていると語っている。アニメ業界で仕事をするようになってからも監督と兼業でリアルタッチのキャラクターデザインを自ら手がけ、映画界を引退した伝説的女優を主人公にした『千年女優』(2002年)や、ホームレスが捨て子を拾ったことから始まる騒動記『東京ゴッドファーザーズ』(2003年)など、独創性に満ちた映画をコンスタントに発表した。 パプリカ [Blu-ray] 筒井康隆の小説を原作に制作された『パプリカ』(2006年)は、夢と現実の相互干渉を題材にした奇抜なアイディアで観るものを圧倒する作品だが、クリストファー・

    没後10年、世界中のクリエイターに影響を与えた今敏監督の功績 未発表作はどう決着する?
  • “映画とアニメの境界”をアカデミー賞などから考える 2024年春のアニメ評論家座談会

    取材=間瀬佑一、文・構成=すなくじら、写真=『君たちはどう生きるか』©︎2023 Studio Ghibli 映画とアニメーションの垣根が曖昧になりつつある昨今、その変化の最前線を映し出したのが2024年の数々の映画賞だった。 日が誇るアニメーション界の巨匠、宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』が第96回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。同賞の日からの受賞は、同じく宮﨑が監督を務めた『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶりとなった。作が世界最高峰の映画祭で評価されたことは、アニメーションの新たな地平を切り開く出来事と言えるだろう。一方、インターネットを中心に社会現象にまで発展した『すずめの戸締まり』が同部門にノミネートされるなど、大衆性とアーティスティックな表現が交錯する現在のアニメーション事情を象徴する出来事も相次いだ。 こうした状況を受け、座談会では映画ライターの杉穂高氏、

    “映画とアニメの境界”をアカデミー賞などから考える 2024年春のアニメ評論家座談会
  • ラブライブ!、プリキュア手がけるアニメーター・斎藤敦史 キャラを魅力的にするデザイン論

    ■話題作のキャラクターをデザイン 2020年に『ラブライブ!スーパースター!!』のキャラクターデザイナーを担当し、数々のかわいらしいキャラクターを手掛け、その人気を牽引するアニメーターになった斎藤敦史。『ラブライブ!スーパースター!!』は今年10月から、第3期の放映が決まっている。 斎藤は、女児向けアニメの金字塔『プリキュア』シリーズの第20作目として放送された『ひろがるスカイ!プリキュア』でもキャラクターデザインを手がけ、話題を席巻した。そして、今年7月に放送されるアニメ『小市民シリーズ』でも、キャラクターデザインを手掛けることになっている。 まさに、今もっとも旬なアニメーターの一人といえる斎藤に独占インタビュー。新卒で入社した京都アニメーション時代のエピソードから、人気作品のキャラクターデザインの方法論まで、濃密に話を聞いた。 斎藤敦史がキャラクターデザインを手がけた、『ひろがるスカイ

    ラブライブ!、プリキュア手がけるアニメーター・斎藤敦史 キャラを魅力的にするデザイン論
  • 『僕の心のヤバイやつ』監督が語る、『からかい上手の高木さん』と似て非なる演出の意図

    TVアニメ『僕の心のヤバイやつ』(以下、『僕ヤバ』)は、男子中学生の理想とリアルを克明に描いている。4月期クールのアニメの中でも、“生々しさ”においては断トツでトップだと言える。結構な“中二病”の市川が、同じクラスの美人で風変わりな山田と距離を縮めていく。そこには世の中の男子が経験した、または今まさに体感しているかもしれない心の機微が、きめ細やかな心情描写によって描き出されている。 監督を務めたのは、『からかい上手の高木さん』や『カッコウの許嫁』などを手がけた赤城博昭。こうした10代の恋愛や成長を描くことに定評があるとも言える赤城監督は、何を心がけて演出しているのだろうか? 監督が考える『僕ヤバ』の魅力から、アニメ監督としてどのように演出をブラッシュアップしてきたのかまでを聞いた。 高木さんと山田のヒロイン性の違い ーー原作を初めて読んだとき、どのように感じられましたか? 赤城博昭(以下、

    『僕の心のヤバイやつ』監督が語る、『からかい上手の高木さん』と似て非なる演出の意図
  • 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は“歪んだ社会”を照射する 昭和からの変化を捉えた作品に

    山奥にある村で起こる猟奇的な出来事を描いている映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。田舎は魔界だと思わせる横溝正史ばりのミステリに見せて、実は終戦間際が舞台となった宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』(2023年)と、宮崎吾朗監督『コクリコ坂から』(2011年)の時代を結ぶ位置にあって、地方から都会へと人もお金も情報も移っていった「昭和」という時代の変化を捉えた映画でもある。 『この世界の片隅に』の片渕須直監督に、『マイマイ新子と千年の魔法』(2009年)という作品がある。昭和30年の山口県防府市を舞台に、麦畑が広がる農村風景の中で暮らす新子と、工場の医師として赴任した父親に連れられ首都圏から転校してきた貴伊子の交流が描かれる。 初登校の日に香水を付けてきたり、26色もの色鉛筆を使ったりと他の子たちとは違った文化様式を見せる貴伊子が、『呪術廻戦』の釘崎野薔薇が憧れていたお姉さん・沙織ちゃんのよう

    『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は“歪んだ社会”を照射する 昭和からの変化を捉えた作品に
  • 『ゴジラ-1.0』山崎貴の“本領発揮”はまだ先に 虚構vs現実を踏襲したことで生まれた齟齬

    山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』は、今、日で新作ゴジラを作り、打ち勝つことの困難さを思い知らされる。なにせ2023年は、ゴジラの新作が1カ月ばかりの間に5も公開され、日に次々と出現した年として記憶されるからだ。ゴジラが立ち向かわなければならない最強の敵は、ゴジラだ。 ※稿は『ゴジラ-1.0』のネタバレを含みます 日に同時出現したゴジラたち 先陣を切ったのが、庵野秀明総監督による『シン・ゴジラ:オルソ』。これは全編がモノクロに化粧直しされたバージョンで、第1作の『ゴジラ』(1954年)、続編の『ゴジラの逆襲』(1955年)に続く3目の白黒ゴジラ映画の誕生である。〈オルソ〉とは、オルソクロマチックという赤系の色を抑えた階調の白黒になるもので、肌などが陰影豊かになる一方で、青い光などは明るく表現される。『シン・ゴジラ』(2016年)は顔、顔、顔のアップが続き、一方でゴジラが吐くチェレン

    『ゴジラ-1.0』山崎貴の“本領発揮”はまだ先に 虚構vs現実を踏襲したことで生まれた齟齬
  • 『耳をすませば』~『BLUE GIANT』に至るアニメ演奏描写の変遷 手描き、ロトスコープ、モーションキャプチャが与える効果の違い

    音楽と映像は切っても切り離せない関係にある。音楽にとっても映像は、今やプロモーション以上の意味を持つし、映画にとっては歴史の初期から欠かせないものだった。 日のアニメ作品にも音楽は欠かせない。近年も、『ONE PIECE FILM RED』に『ぼっち・ざ・ろっく!』、そして現在劇場公開中で絶賛が相次いでいる『BLUE GIANT』など、音楽をフィーチャーしたアニメ作品の話題が尽きない。 日アニメはメディアミックスを事業の柱とする関係上、音楽はビジネス的にも重要だが、作中の演奏シーン描写にも磨きをかけ続けてきた。 そんなアニメの演奏描写はどう発展してきたのか、そして『BLUE GIANT』の演奏シーンは何を達成したのかを考えてみたい。 なお、稿では楽器を用いた演奏シーンのみに言及する。アイドルアニメなどのダンスパートにも言及すべき点は多々あるのだが、原稿が長大になりすぎるので、それらは

    『耳をすませば』~『BLUE GIANT』に至るアニメ演奏描写の変遷 手描き、ロトスコープ、モーションキャプチャが与える効果の違い
  • 橋本治が問いかけた、少年マンガと少年たちの宿命ーー未完の名著『熱血シュークリーム』を読む

    今年の1月29日に亡くなった作家・橋治には様々な顔があった。 1977年に『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞して小説家となった橋は、それ以前はイラストレーターとして活躍しており「とめてくれるなおっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く」というコピーで有名な1968年の東京大学駒場祭のポスターを手掛けた存在としても知られていた。 小説だけでなく、少女マンガ評論『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ』を筆頭とするカルチャー評論や、『桃尻後訳 枕草子』以降の『源氏物語』や『古事記』といった古典の現代語訳などを執筆、他にも人生相談からセーターの編み方まで、その仕事量はあまりにも膨大で多岐にわたるため、すべての作品を把握している人は、ほとんどいないのではないかと思う。 しつこく丁寧にものごとを噛み砕いて語ろうとする饒舌な文章は、わかりやすいと言えばわかりやすいのだが、くどいと言えばあま

    橋本治が問いかけた、少年マンガと少年たちの宿命ーー未完の名著『熱血シュークリーム』を読む
  • バイク×女子高生の物語、なぜ人気に? 『スーパーカブ』『ゆるキャン△』が描く“繋がり”

    バイクに乗れば速く走れる。バイクを使えば遠くまで行ける。バイクの魅力としてまず浮かぶ事柄だが、女子高生がホンダのスーパーカブに乗るようになるトネ・コーケン『スーパーカブ』や、ヤマハのスクーターで女子高生がキャンプに向かうあfろ『ゆるキャン△』を読むと、そうした便利さに加えて誰かとの、あるいは何かとの繋がりをもたらしてくれる存在として、バイクの魅力が漂ってくる。 父親を亡くし母親に逃げられ、アパートで一人暮らしをしていた小熊という高校2年生の少女が、自転車で高校に向かう途中で1台の原付スクーターに追い抜かれたことで、バイクという存在に興味を抱く。「あの原付という物があれば何かが変わるのかな?」。そう思った小熊は、奨学金をやりくりして貯めたお金で激安のスーパーカブを購入する。『スーパーカブ』という物語の始まりだ。 カブに乗るようになったことで通学は楽になった。昨日よりも過ごす時間は幸せになり、

    バイク×女子高生の物語、なぜ人気に? 『スーパーカブ』『ゆるキャン△』が描く“繋がり”
  • 『君たちはどう生きるか』制作スタッフが語る、ドルビーシネマで実現した宮﨑駿の理想

    宮﨑駿監督が10年ぶりに手掛けた長編アニメーション『君たちはどう生きるか』には、Dolby Cinema(ドルビーシネマ)と呼ばれる技術が使われたドルビーシネマ版がある。最高級の映像と音響で上映できるドルビーシネマ版は通常版と比較して何が異なり、どのようなところが見どころなのか。『君たちはどう生きるか』で撮影監督を務めた奥井敦と、音響や映像などのポストプロダクションを担当した古城環がDolby Japanで取材に答えた。 (左から)奥井敦、古城環 「圧倒的な明るさの表現力によって放たれる光のエネルギーが、無限に広がる色彩の世界を余すところなく映し出します」 ドルビーシネマ対応の映画を観ると、そんなナレーションとともにスクリーンが輝き、多彩な色が踊り出すPR映像が流れる。Dolby Vision(ドルビービジョン)と呼ばれる、ドルビーシネマでも映像面の特徴をアピールする部分だ。 こうした技術

    『君たちはどう生きるか』制作スタッフが語る、ドルビーシネマで実現した宮﨑駿の理想
  • 『【推しの子】Mother and Children』は素晴らしい出来 劇場作品として傑出した濃い内容

    集英社の漫画作品を原作とした『【推しの子】』TVアニメ放送が、4月12日よりスタートする。その放送に先駆け、第1話(90分拡大版)が、『【推しの子】Mother and Children』として公開。映画館のスクリーンに映し出されている。先日、同じく集英社の漫画原作のTVアニメ『「鬼滅の刃」 刀鍛冶の里編』第1話が、『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』というタイトルで劇場上映されたのと同様の企画だ。 『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』などの作品で漫画家として活躍し、現在は漫画原作者の仕事に専念しているという赤坂アカ。そして『クズの懐』などの漫画作品を手がけ、イラストレーターとしても活動している横槍メンゴ。この漫画家同士がタッグを組み、ファンタジックな設定でアイドルや双子の兄妹の成長を描きながら、芸能界を舞台にリアルな業界の課題を描くというのが、漫

    『【推しの子】Mother and Children』は素晴らしい出来 劇場作品として傑出した濃い内容
  • 『君たちはどう生きるか』を徹底考察 われわれ観客に対する宮﨑駿監督の“問いかけ”

    のアニメ界、映画界を長年にわたって代表し、イマジネーションに溢れた作品が世界から注目を浴びてきた宮﨑駿監督(先頃宮崎から宮﨑に改名した)。その引退作と見られていた『風立ちぬ』(2013年)から、短編作品『毛虫のボロ』(2018年)を経て、10年ぶりの長編作品として完成、公開された最新作が『君たちはどう生きるか』だ。 その圧倒的知名度を基に、メディアでの宣伝をおこなわないという奇策が、逆にミステリアスな印象を与え、その内容にさらなる興味を与えていた作『君たちはどう生きるか』の正体は、多くの観客に待ち望まれていた冒険ファンタジーだった。そこには、宮﨑監督がかねてよりその価値を主張していた「血湧き肉踊る漫画映画」としての娯楽性がつまっている。 一方で、黒澤明監督の『夢』(1990年)のように奇妙なイメージや謎に包まれた感覚的表現も数多く見られ、観客の反応のなかには「難解だった」という声も少

    『君たちはどう生きるか』を徹底考察 われわれ観客に対する宮﨑駿監督の“問いかけ”
  • 『君たちはどう生きるか』の超越した世界を観て 宮﨑駿が“ファンタジー”に回帰した喜び

    7月14日、宮﨑駿監督のアニメ映画『君たちはどう生きるか』が公開された。 筆者は地元のシネコンの初回上映を鑑賞したのだが、宮﨑駿の最新作という前提知識のみで観る映像体験は、とても心地よかった。 宣伝画像は、鳥らしき生物の絵が描かれたポスター1枚のみ。予告映像はなく、あらすじも声優も主題歌も伏せられ、パンフレットも後日販売という、あえて情報を出さないという宣伝方法が話題になっていたが、あらゆる情報が即座に共有されてネタとして消費されていくSNSを中心としたネット社会に対する強烈なカウンターとして機能していたと言える。同時に情報がないからこそSNSでは鳥のポスターとタイトルから内容を推測する大喜利合戦が起こっていた。その意味で情報を制限することが最大の宣伝になるという試みは、この作品においては成功したと言えるだろう。 もしも宮﨑駿という監督名すらも伏せられた状態で作を観たなら、どう感じたのだ

    『君たちはどう生きるか』の超越した世界を観て 宮﨑駿が“ファンタジー”に回帰した喜び
  • 『君たちはどう生きるか』には宮﨑駿の“ジブリでの全て”が詰まっている【ネタバレあり】

    稿は『君たちはどう生きるか』のネタバレを含みます。 宮﨑駿監督の10年ぶりとなる長編アニメーション『君たちはどう生きるか』が7月14日に公開された。繰り広げられたのは、『千と千尋の神隠し』で世界を感動させた宮﨑監督ならではの、豊かな想像力によって描き出された異世界を舞台にした冒険ファンタジーだった。 事前の宣伝はポスタービジュアル1枚のみ。そこに描かれていた鳥のようなものの正体が、ついに明らかになった。アオサギ。牧眞人という名の少年が地方にある屋敷へと引っ越してきた時に、沼地に飛んできては眞人にまとわりつく奇妙な鳥で、眞人を異世界へと誘う重要な役割を務めていた。 では、眞人の相棒かというと、むしろねじくれた性格を持った敵として登場してくる。母親を病院の火事で亡くした眞人は、太平洋戦争が激化してきたこともあって東京を離れて田舎に移り住むことになった。そこで待っていたのが母親の妹で、眞人に

    『君たちはどう生きるか』には宮﨑駿の“ジブリでの全て”が詰まっている【ネタバレあり】
  • アニメ、リメイク版、実写ドラマに続き再びアニメ化 何度も甦る『妖怪人間ベム』の魅力

    「はやく人間になりたい!」 主題歌の中に登場する台詞のキャッチーさと相まって、いまだに多くの人の記憶に残るホラータッチのテレビアニメが『妖怪人間ベム』(1968年)だ。 『劇場版BEM~BECOME HUMAN~』(c)ADK EM/劇場版BEM製作委員会 ひとつの細胞が3つに分裂し、人間でも動物でもない生物が生まれた。醜い姿の中に正義の心を宿していた彼らは、悪い妖怪を退治し続ければ、いつの日か人間になれるかも知れないという希望を抱いて、さまざまな町を旅してゆく。壮年男性の人間を模したベム、長身の女性の姿をしたベラ、10代の子供の姿をしたベロの3人は、時に旅先の人間と心を通わせ、時に人間に迫害されながらも、人間社会に仇なす妖怪と戦い続ける。舞台は日ではない無国籍風な設定で、怪奇色の強い独特な作画が人気を博し、放送が終了したあとも幾度かの再放送と、数回のビデオグラム化の機会に恵まれた。

    アニメ、リメイク版、実写ドラマに続き再びアニメ化 何度も甦る『妖怪人間ベム』の魅力
  • 『愛と誠』『悪党に粛清を』『サイボーグ009』など 「新宿東口映画祭2023」上映作品発表

    5月26日から6月8日にかけて新宿武蔵野館、シネマカリテにて開催される「新宿東口映画2023」のラインナップが発表された。 2021年5月、新宿武蔵野館とシネマカリテで初めて開催された「新宿東口映画祭」は、新宿から映画文化を発信し、街全体を活性化、観客をはじめ地域の人々が一緒に楽しくなることを目指す映画祭。第3回目となる年は、「愛をスクリーンで」をテーマに、様々な愛を描いた作品を上映する。 新作には、捨てられない人と捨てようとする人の姿をコミカルに描いた『断捨離パラダイス』、楽を処方箋に認知症と向き合う音楽療法士にスポットを当てた『認知症と生きる 希望の処方箋』がラインナップ。 日映画には、不良少年・誠と純粋な少女・愛との純愛を描いた西城秀樹主演映画『愛と誠』、三島由紀夫の同名小説を原作に西河克己が監督した山口百恵主演映画『潮騒』、山根成之が監督を務めた郷ひろみ主演映画『さらば夏の光

    『愛と誠』『悪党に粛清を』『サイボーグ009』など 「新宿東口映画祭2023」上映作品発表
  • 地方書店の相次ぐ閉店  高齢者が本を買う場所がなくなる状況、シニア向け雑誌にも大きな影響?

    書店の減少がシニア雑誌を苦境に追い込んだ? 昭和49年(1974)創刊のシニア向け健康雑誌「壮快」で知られるマキノ出版が、3月2日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。同誌は創刊以来、数々の健康法ブームを生み出し続けてきたパイオニアとして名高いが、近年の出版不況やインターネットの普及を受けて売上が減少していたという。 数年前までは若者の雑誌離れが叫ばれていたが、対するシニア向けの雑誌はまだ安泰という識者も少なくなかった。しかし、実態としては部数減が続き、決して盤石ではなかったのだ。シニア向け雑誌の部数減が続く要因の一つに、リアル書店の減少を挙げる識者もいる。 出版業界を俯瞰すると、漫画のように電子書籍との親和性が高い分野は好調で、出版社は決して不況というわけではない。一方で、Amazonやネット書店の影響を大きく受けるリアル書店は、業界全体が確実に不況である。 日出版インフラセンターに

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  • 日本アニメーションの現在とこれから 真の「作家の時代」へ向けて

    2022年、日アニメーションは数多くの話題作を生み出した。 アニメ映画では『ONE PIECE FILM RED』『すずめの戸締まり』 『THE FIRST SLAM DUNK』といった大ヒット作が登場。 さらに『グッバイ、ドン・グリーズ!』『犬王』『夏へのトンネル、さよならの出口』といった 特徴的な演出の作品が数多く制作された。 TVアニメシーンにおいても、『メイドインアビス 烈日の黄金郷』や『チェンソーマン』など、 劇場版クオリティに肉薄する作画・演出がインパクトを残した。 今のアニメーション市場では、“突出した作家性”が求められている。 今後も作家主導によるアニメーションが作られ続けていくためには、 商業的な評価とあわせて映画祭などでの「顕彰の文化」を育てていかなければならない。 一方、今までその役割を担っていた文化庁メディア芸術祭は2022年に終了し、 2023年3月からは押井守

    日本アニメーションの現在とこれから 真の「作家の時代」へ向けて
  • 日本アニメが映画の世界市場を切り崩す? 『すずめの戸締まり』の評価で考える“現在地”

    動画配信環境が世界的に普及する中、日アニメの市場は大きく広がったと言われるが、映画市場でも日アニメは存在感を増しているのではないか。日の現在地を、映画と芸術性評価の両面から紐解いてみたい。 国際映画祭とは何か? 『すずめの戸締まり』©︎2022すずめの戸締まり」製作委員会 『すずめの戸締まり』の快挙について考える前に、そもそも映画祭とは世界の映画産業にとってどういうものかを確認したい。 映画祭とは文字通り映画の祭典だが、主に2つの機能を担っている。1つは作品の芸術性を評価し賞を授与するというクリエイティブな側面。もう1つはマーケット機能だ。世界中に数多くの映画祭が存在し、その全てがこうした機能を有するわけではないが、有名な国際映画祭は概ねこの2つの機能を主軸に運営されている。 アカデミー賞のような映画賞との違いは、簡単に言えば、アカデミー賞は通年で公開された映画の中から賞を選ぶのに

    日本アニメが映画の世界市場を切り崩す? 『すずめの戸締まり』の評価で考える“現在地”
  • 山田尚子×吉田玲子が手掛けるオリジナルアニメーション映画 『きみの色』2023年秋公開

    山田尚子監督、吉田玲子脚のオリジナル長編アニメーション映画『きみの色』が2023年秋に公開されることが決定。あわせてスーパーティザーPVが公開された。 作は、サイエンスSARUが制作・プロデュースを担当するオリジナル長編アニメーション作品。思春期の青春をテーマとし、少女たちそれぞれが向き合う自立、葛藤、恋の模様が描かれる。 監督を務めたのは、2011年に公開され興行収入19億円の大ヒットとなった『映画けいおん!』や、第40回日アカデミー賞優秀アニメーション作品賞のほか、2017年アヌシー国際アニメーション映画祭長編コンペティション部門に入選の『映画 聲の形』で監督を務めた山田。 脚を務めたのは、スタジオジブリ、京都アニメーションの数々の大ヒット作品を手掛け、山田監督とは『けいおん!』シリーズ以降、幾度となくタッグを組んできた吉田。音楽は、『映画 聲の形』『リズと青い鳥』など山田監督

    山田尚子×吉田玲子が手掛けるオリジナルアニメーション映画 『きみの色』2023年秋公開