――後輩の方の回復のために、佳奈さんは多大な貢献をされたのだと感じました。 いえ、最近は逆のことを考えていて。あの店で働いていたとき、私がそばにいて、励ましてきてしまったせいで、後輩を縛っていたのかもしれないって後悔しているんです。 在職時はあの子を守るためにがんばったつもりだったけど、本当の意味で守ることって、私も辞めるから一緒に逃げようって言ってあげることだったんだと思うんです。そうしていれば搬送されることも、トラウマを背負うこともなかったんじゃないかって。 私もマインドコントロールにかかっていたんだと思います。「今中途半端な状態で辞めたらこの子も後悔する」って思ってた。ずっと悔やんでいます。 パワハラ後遺症から立ち直って今思うこと ――佳奈さんは現在もパティシエールとして働かれているんですよね。 はい。半年の休養を経て再就職したお店は本当にいい環境で、そこでの経験を元に独立して、今は