文化財保護法の改正に向け、文化審議会の調査会は2日、文化財を地域振興に活用する仕組みづくりを柱とする中間まとめ案を示した。市町村が地域で継承されている未指定も含めた文化財に民間の収益事業なども組み合わせた計画を作成し、国が認定する制度を創設。個別の文化財保護から総合的な保存活用の支援へ転換を提案している。 11月までに報告を取りまとめる予定で、文化庁は来年1月の改正法案提出を目指す。同法の見直しは、保護対象を文化的景観に拡大した平成16年改正以来、14年ぶり。現行法は文化財の指定・登録や変更の手続きを定めているが、活用するための施策は盛り込まれておらず、実現すれば成立以来の抜本的な改正となる。 中間まとめ案では、未指定文化財や周辺環境なども含め総合的に保存活用する基本計画を市町村が作成できるとしている。国が計画を認定し、補助や税制優遇措置などの支援を行う方向で検討する。 民間による観光関連
京都市右京中央図書館内の「桑原武夫記念コーナー」。愛用品や年譜パネルなどを中心とした小規模な展示=京都市右京区 京都大人文科学研究所を拠点に戦後活躍した知識人グループ「新京都学派」の代表的存在で、文化勲章も受章した仏文学者の桑原武夫氏(1904〜88年)。その没後に遺族が京都市に寄贈した蔵書が廃棄されていたことが分かり、問題となっている。背景を探ると、図書館の抱えるさまざまな事情も見えてくる。(磨井慎吾) ◇ 「桑原先生の蔵書を、こともあろうに京都市が廃棄するなんて…」 京都市教委は今年4月、京都市名誉市民でもあった桑原氏の没後に遺族から寄贈された約1万冊の蔵書を遺族の意向を確認せず誤って廃棄していたことを発表。市民らから50件以上の苦情が殺到したという。 ◆重複図書扱いに 蔵書は当初、同市国際交流会館内に設けられた「桑原武夫記念室」で、来訪者が手に取れる開架式で保管していた。右京中央図書
宮内庁が整備工事に伴う発掘調査を行い4日、報道陣や研究者らに現場を公開した天理市の前方後円墳「景行(けいこう)天皇陵」(渋谷向山(しぶたにむかいやま)古墳、4世紀後半)。調査では後円部で葺石や敷石、埴輪(はにわ)列が見つかり、これまでの調査を補足する成果となった。一方、後世の改修の跡もうかがえ、見学した研究者らは「現状の濠(ほり)は当初の形ではないことが分かった」とも指摘した。 今回は墳丘と、濠にのびる渡土堤(わたりどて)の計9カ所を調査した結果、後円部北側の「第4トレンチ」から葺石と敷石、埴輪列がまとまって出土。2段目の葺石下には敷石が敷かれた1段目の平面が広がり、そこに円筒埴輪6個が並ぶ列が確認された。昭和52年度の調査で東側で確認されたものの延長線上にあたるといい、宮内庁は「過去の情報をさらに補足できた。墳丘の当初の姿も復元できる情報」と説明した。 一方、現場に入った古代学研究会陵墓
破産した不動産会社「不二企業」(名古屋市)の元社長の女性(67)が、京都国立博物館に「寄託」していた国指定重要文化財の絵巻物(時価約3億円)などの所在について、資産を隠すため破産管財人の弁護士に説明を拒んだ疑いがあるとして、東京地検特捜部が今月、破産法違反(説明の拒絶)の疑いで、女性の自宅などを家宅捜索していたことが29日、関係者への取材で分かった。 文化財の寄託は寄贈と異なり、所有権は移らない。所有者が破産した場合、文化財を売却し、債権者への配当に充てる必要がある。 関係者によると、女性は同社創業者の父親から複数の文化財を相続した。しかし経営悪化で同社と女性は平成23年に破産。破産管財人が配当に充てるため文化財の所在などを尋ねたところ、女性は「知らない」などと説明を拒んだという。 その後の管財人の調査で女性が文化財を寄託していたことが判明。管財人は今年2月、鎌倉時代の絵巻物「紙本著色三十
京都府教委は21日、京都市下京区西七条にあった府立図書館が仮施設として利用していた敷地から環境省の定める基準値を超える六価クロムなどの有害物質を検出したと発表した。土壌汚染対策法に基づき、同日、京都市に報告したという。 府教委によると、仮施設として使用していたのは鉄筋コンクリート製の4階建ての建物2棟。売却に伴い解体作業とともに敷地約2200平方メートルを25区画(10メートル四方)に分けて土壌調査を行った。 調査の結果、3区画から基準値の38倍の六価クロム、2・7倍の鉛、1・5倍のヒ素を別々に検出。また、ヒ素が検出された区域の地下水にも1・9倍のヒ素が含まれていた。 府教委では今後、土壌改良などの措置を講じていくほか、地下水に関しては、下流域にあたる南側の半径500メートルの井戸が飲用に利用されていないか調査し、2年間のモニタリングを実施するという。 仮施設の建物は府立図書館の改築に伴い
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