九州場所前、絶好調だと報道等で伝えられていた横綱・稀勢の里だが、いざ幕を開けると初日から4連敗。5日目から休場に追い込まれた。“完全ガチンコ場所”であるがゆえの展開となった。 5日目からの途中休場を巡っても、稀勢の里は重圧のなかでの決断を迫られていた。関係者の間では早い段階から休場が囁かれていたが、4日目までの稀勢の里は敗れた後の支度部屋では口を開かず、田子ノ浦部屋の宿舎は報道陣シャットアウトの態勢が続いた。 「3連敗したあたりで部屋の関係者からは“もう休場したほうがいい”“初場所で再起を図れ”という声があがっていた。秋場所は10勝5敗の成績だったから、即引退にはならないと考えていたからです。ただ、稀勢の里本人は最後まで出場にこだわった。初めての一人横綱ということにも、責任を感じていたのでしょう。現役時代の最高位が平幕の田子ノ浦親方(元前頭・隆の鶴)は、横綱に強くはいえない」(後援会関係者