ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (9)

  • 認知科学の観点からいえる、最強の英語学習法──『英語独習法』 - 基本読書

    英語独習法 (岩波新書 新赤版 1860) 作者:今井 むつみ発売日: 2020/12/19メディア: 新書この『英語独習法』は、認知科学や発達心理学を専門とする今井むつみによる、認知科学の観点から考えた最強の英語学習について書かれた一冊である。『「わかりやすく教えれば、教えた内容が学び手の脳に移植されて定着する」という考えは幻想であることは認知心理学の常識なのである。』といったり、多読がそこまで良くはない理由を解説したり、一般的に良しとされる学習法から離れたやり方を語っている。 特徴としては、「何が合理的な学習方法なのか」を披露するだけではなく、「なぜそれが合理的なのか」という根拠を説明しているところにある。だから、これを読んだらなぜ一般的な英単語の学習法(たとえば、英単語と日語の意味を両方セットで暗記していく)が成果を上げないのか、その理屈がわかるはずだ。認知科学のバックボーンから出

    認知科学の観点からいえる、最強の英語学習法──『英語独習法』 - 基本読書
    equalsu
    equalsu 2021/01/26
  • 書評・感想記事の書き方について - 基本読書

    なんとなく、一度僕の書評・感想記事の書き方についてまとめておこうかと思った。先日下記のようなブログに関する記事を寄稿したところ、幾人かがこれに触発されてブログを書いてくれたようで、個人的に嬉しかったから、というのが大きい。 blog.hatenablog.com 書評(でも感想でもなんでもいいんだが)の書き方の正解を教えるとかそういうわけではなく、単純に僕がどうやって記事を書いているのか、書くときに何を考えているのか、ということの簡単なまとめである。人によって感想ブログといっても書き方は全然違うはずで、書き方の違いを見比べてみるのもおもしろいんじゃないか。 手順 当たり前だが一度通読する。その時点でブログに書くかどうかを検討して(書かないことも多い。あまりおもしろくないな、と思ったり、おもしろいと思ってもタイミングを逃すこともあるし、書きづらくてスルーしてしまうこともある)、載せる、となっ

    書評・感想記事の書き方について - 基本読書
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    equalsu 2021/01/05
  • 2020年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書

    2020年ももうすぐ終わるので、読んでおもしろかったノンフィクションを振り返っていこうかと。今年はまるっとの雑誌でノンフィクションの新刊ガイドを担当しており、例年よりもたくさん読んだような、あまり変わらないような。とはいえ、おもしろいノンフィクションには山ほど出会ったので、思い出しながら書いていく。 まずは科学系から! LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界 作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント発売日: 2020/09/01メディア: Kindle版科学系のノンフィクションの中で最もおもしろかったのはなにかといえば、デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラントによる『LIFESPAN 老いなき世界』になる。シンクレアは老化の原因と若返りの方法に関する世界的な権威で、老化は克服できる病であり、克服すべきだ、とこのの中で強烈に主張している。ほとんどすべての

    2020年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書
  • 言語発明&形成の進化史──『言語の起源 人類の最も偉大な発明』 - 基本読書

    言語の起源 人類の最も偉大な発明 作者:ダニエル・L・エヴェレット発売日: 2020/07/17メディア: 単行言語はいつ生まれたのか。この問いに何万何千年前のある瞬間──というわかりやすい答えが現状あるわけではない。そのうえ、音声がどのような形であれ残っているはずもないから、遺跡や痕跡からその地点を確定させることも難しい。いまだに、人類史のどのタイミングで言語が生まれたのか、そこではどのような言語を使ったのか、様々な説があり、確かにこうだ! といえることは多くはない。 ただ、人体の構造や残された文明の痕跡、石器などから、ある程度の推測をすることができる。書は、特殊な言語を持つ少数部族である「ピダハン」への研究を行った成果をまとめた『ピダハン―― 「言語能」を超える文化と世界観』(みすず書房)で日でも名が(一部で)知られるようになった、ダニエル・L・エヴェレットによる、「人間がいか

    言語発明&形成の進化史──『言語の起源 人類の最も偉大な発明』 - 基本読書
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    equalsu 2020/08/08
  • 中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書

    三体 (ハヤカワ文庫SF) 作者:劉 慈欣早川書房Amazon『三体』とは! 中国の作家劉慈欣によって書かれたSF三部作の第一部目にして、中国国内だけで三部作累計2100万部を刊行し、さらに日でも人気のケン・リュウによる翻訳によってアメリカ歴史あるヒューゴー賞を受賞した傑作である。ヒューゴー賞受賞の何が凄いかと言うと、翻訳書としてははじめてのの受賞になるのだ。 それぐらい作品の内容が圧倒していたともいえる。で、あまりSFとは縁のなさそうなオバマやザッカーバーグも絶賛していたりとか、アニメ化が決定したりとか話題は尽きないんだけれども、とにもかくにもこれだけは覚えて帰ってもらいたいのは、この『三体』は、話題先行の内容はまあおもしろいね、いうほどじゃないけど的な軟弱な態度で読み終わる作品ではなく、その肥大化しきっているともいえる話題性に劣らない、圧倒的なおもしろさのある、純粋におもしろいSF

    中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書
    equalsu
    equalsu 2019/07/08
  • 英語のスペリングはなぜこんなにも予測不可能なのか──『スペリングの英語史』 - 基本読書

    スペリングの英語史 作者: サイモン・ホロビン,堀田隆一出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/09/21メディア: 単行この商品を含むブログを見る日語でさえ単純な誤字、勘違いからくる漢字、送り仮名ミスが多発するというのに英語のスペルなんかろくに綴れもしない僕がいうのもなんだが、英語のスペリングはなかなか難しい、というより間違えやすい。color/colour,center/centreなどのようにアメリカ英語とイギリス英語が異なるということもあるし、複数形、単数形などやたらとややこしい。potato(ポテト)の複数形はpotatosではなくpotatoesだ。 別にesがつこうがsがつこうがどっちだっていいじゃねえか、と中学生ぐらいの時に思ったものだったが、これがどっちでもよくないのである。たとえば第44代アメリカ合衆国副大統領ダン・クエールはpotatoesの単数形を「po

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  • 最後の一秒まで楽しかった──『けものフレンズ』 - 基本読書

    ようこそジャパリパークへ(初回限定盤) アーティスト: どうぶつビスケッツ×PPP出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2017/02/08メディア: CDこの商品を含むブログ (8件) を見る全12話、たいへんおもしろいアニメだった。 それだけでなく、わけがわからんぐらい物凄い話題になった。なぜこんなに物凄い話題になったのか、というのは運も絡むところであるし、「これだ!」と原因を言い切っても仕方がないが、少なくともつまらなければこの結果はなかっただろう。 全体的に予算があるとは言い難い。動くはずのところが動かない、アクションがあまりにショボい、など幾つもの要素が"安い"が、明確なコンセプト、洗練されたキャラデザ、細かな感情や空気感の伝わってくる脚/動物たちの仕草、"安く"とも"目指す志"の伝わってくる絵作り/構成などいくつものプラスの要素があった。その結果としていくつ

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    equalsu
    equalsu 2017/03/31
  • 本を読んで変わる人生 - 基本読書

    人を動かす 文庫版 作者: D・カーネギー,山口博出版社/メーカー: 創元社発売日: 2016/01/26メディア: 文庫この商品を含むブログ (7件) を見る大学生で暇で暇でしょうがなかった時、学内新聞をつくろうと思ったことがある。*1 立派な大学なら学内新聞の二つや三つあるだろうが(偏見かもしれない)三流の私大だったからそんなものはなかったし、僕は文章を書くのが好きだったから、できるだろうと適当にアイディアをまとめてつくってみることにしたのだ。 読書人生が変わった経験がありますか? ブログを始めたのは大学一年生の頃ですでに書く方については経験もあったから、(二年の頃つくろうとした)学内新聞には僕がいくつかの書評とコラムを書こうというのがまず決まった。第一号ではそれに加えて教授陣へのインタビューを実施することになった。その中の設問に、どういう理由で入れたのかよく覚えていないのだが「読書

    本を読んで変わる人生 - 基本読書
  • 天才を地理から理解する──『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』 - 基本読書

    世界天才紀行――ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで (ハヤカワ・ノンフィクション) 作者: エリック・ワイナー,Eric Weiner,関根光宏出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/10/21メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る天才はいつだって「常人には理解不可能」であるからこそ、それを理解したいと思う人々によって議論の俎上に載せられ(天才とは何なのかという自分定義がそこら中に名言として残されている)、結局理解できないので何度も話題に上がり続ける。 そもそも天才(創造性や知能)をどう精確に定義すんねんという問題もあるし、なかなかにハードルの高いテーマなのだ。しかし、著者はそこで諦めずに、かつてカリフォルニア大学の教授サイモントンが行っていた「天才の出現は場所と時間に影響される」という計量歴史研究に目をつけ、この分野をさらに追求してみようと決意する。 天

    天才を地理から理解する──『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』 - 基本読書
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