バブルに踊った「雪国」の舞台、1室数千万円だった豪華マンションが今や10万円 「東京都湯沢町」とも呼ばれた人気リゾート地の現在 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった―。川端康成の小説「雪国」の舞台として知られる新潟県湯沢町。バブル景気の狂乱に巻き込まれた山あいの温泉街はスキーブームにも乗って、高層マンションが立ち並ぶ近代的なリゾート地へと一変した。 昭和末期から平成の初めにかけ、首都圏から猛然と押し寄せたヒトやカネは地域に何をもたらしたのか。東京からの交通の便が良く「東京都湯沢町」とも呼ばれた「楽園」の今を現地で追った。(共同通信=中尾聡一郎) ▽豪華マンションが「捨て値物件」として取引 1室10万円。超高級ホテルでは1泊分にも満たないような金額だが、現在の湯沢町ではマンションが買えてしまう。苗場地区に物件を抱えるオーナーは「分譲時は数千万円した部屋が今は二束三文。10万円でもなかなか