読み聞かせをする人が偏っていないか “読み聞かせ”というと、日本では「桃太郎」「浦島太郎」「はなさかじいさん」といった昔話をはじめ、メッセージ性のある物語を読むことが多いでしょう。 これは、ストーリーを通して道徳的な意識や価値観を育てようという目的が大きいと考えられますが、一方、アメリカでは読み聞かせははっきりと「勉強のため」であり、絵本は教材と考えられています。 そのため、言語教育のための「ダイアロジック・リーディング」という読み聞かせの手法も開発され、確立しているのです。 私は、ハーバード教育学大学院で「子どもとことば」という第一言語習得に関する研究を続けてきました。現在も「絵本を通してのことばの発達」を研究課題とし、日本でも「ダイアロジック・リーディング」の普及活動を行っています。 その中で、読み聞かせの手法はもちろんですが、読み聞かせる“人”によっての違いについても注目しています。