出版取次大手の日本出版販売が、逆風下の書店業界を活性化させる取り組みを本格化させる。入場料のかかる書店「文喫」などの事業を切り出して新会社を設立し、全国の主要都市に展開する。新型コロナウイルス下の外出自粛で多くの書店が苦境に直面したが、文喫は健闘している。コロナ後を見据えて出店を増やし、人口減少やデジタル化の波で縮小が続く書籍の取次事業をてこ入れする。文喫は入場料がかかる新しい形の書店だ。平日
東京神田の神保町は日本随一の本屋街として知られていて、それぞれに専門分野を持った古書店が集まっている。 ちょっと昔の東京ガイドブックを見ると、日本の知がここに集まるなんて紹介の仕方がされていたものだ。 そんな神保町も、さまざまな変化のせいで、どうやら専門書街ではなくなりつつあるという話。 かつて神保町には洋書の専門店がたくさんあった。とくに目抜き通りの靖国通り沿いには、神保町を象徴するかのような老舗の洋書専門店がある。けど最近の神保町では、洋書専門店は絶滅危惧種だ。 そのうちの一件は、今年になってから金土日のみの営業になった。「コロナ禍による人員削減」と貼り紙が表にしてある。 もう一件の洋書店は、建物は壮麗だが、実態はもう洋書店ではなくなりつつある。店に入ると一階は児童書コーナーを兼ねたカフェになっている。洋書コーナーは2階にあるが、店内から直接行くことはできず、脇の小道から上がるようにな
アンドロメダ病原体-変異- 上 作者:マイクル クライトン,ダニエル H ウィルソン発売日: 2020/05/26メディア: Kindle版テクノスリラー&SFの傑作マイケル・クライトンの出世作『アンドロメダ病原体』の、別の著者による正統的な続篇がこの『アンドロメダ病原体-変異-』である。 『アンドロメダ病原体』は架空の病原体をめぐる5日間の騒動を描いた小説である。通常の語りとは異なり事態の進行を客観的に記録した報告書のような体裁で、写真や図など具体的な資料が随所に挟み込まれている、特殊なスタイルの小説であった。この『変異』も、そうした小説上のスタイルをきちんと受け継いでいる。 とはいえ、元はマイケル・クライトンの出世作になったことからもわかる通り、科学面でのノンフィクション的な語りなど、氏のスタイルが色濃く出ている作品で、続篇とはいっても難しい面もあるんじゃないかなあ……昔あったコンテン
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