現在、政府は、「証拠に基づく政策立案」として、EBPM(Evidence Based Policy Making)を推進しており、正しい情報やエビデンスに基づいた政策の議論が重要となってきている。 このような状況のなか、この関係で筆者が気になっているのは、政府関係者や民間有識者らで構成する「人口戦略会議」が、2024年4月24日に公表したレポート(『地方自治体「持続可能性」分析レポート』)である。人口戦略会議のメンバーのリストには、議長(日本製鉄名誉会長)の三村明夫氏や、副議長(日本郵政㈱代表執行役社長)の増田寛也氏、内閣官房参与の山崎史郎氏、元日銀総裁(青山学院大学特別招聘教授)の白川方明氏など、錚々たる顔ぶれが並ぶ。このため、この団体からの情報発信は強力なパワーをもち、マスコミにも相当な影響力がある。 このような構図のなか、今回のレポートでは、出生率が低い一方、域内人口の増加分を他地域