このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 東京大学大学院、ピティナ音楽研究所、高知工科大学、京都大学大学院に所属する研究者らが発表した論文「MIDIピアノを用いたピアノコンクールの合格者と不合格者の演奏における拍間隔変化の比較」は、ピアノコンクールにおける参加者のピアノ演奏をMIDIデータとして取得し、複数の審査員による合否基準とどのような結び付きがあるかを分析した研究報告である。 これまでの演奏研究では、主に波形データが使われてきたが、これには演奏時の打鍵・離鍵のタイミングを正確に捉えることができないという限界があった。 特に、演奏の個性や速度変化を詳細に分析する上で、波形データ
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 ペンシルベニア大学などに所属する研究者らが発表した論文「Information content of note transitions in the music of J. S. Bach」は、音楽作品を情報ネットワークへと変換し、作品が内包する情報量と伝達効率を調査した研究報告である。この研究では、バッハの楽曲を情報ネットワークとしてモデル化し、楽曲が持つ情報量とその情報をいかに効率よく伝達するかを定量的に評価する。 手法の第一歩として、楽曲の各音符をネットワーク上のノードとして捉え、音符間の遷移をエッジで結び付けている。このエッジは指向
文:いちむらまさき *この記事は書籍『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』(リットーミュージック刊)の内容を転載したものです。 A: 少し音楽理論的な話になりますが、確かに本来の7番目となる音はM7(長7度/メジャー7th)です。ルートがCの場合、CM7コードの構成音“ドミソシ”の“シ”が7番目の音となります。 例えばCコードは3番目の音の“M3(長3度/メジャー3rd)”が構成音に含まれますが表記からは省略されています。その変わりCmコードの時は3番目の音が“M3”ではなく“m3(短3度/マイナー3rd)”ですよ!ということを表記するためにmがついているのです。 しかし7番目の音である“M7”、“m7(短7度/マイナー7th)”の場合は、その3番目の音の時とは逆の表記方法になります。 CM7はコードに含まれる7番目の音がM7であり、そのことを示すためにMがついてい
森 @mori_de_kurasu 日本科学未来館に行ってきたんだけど、音楽の過去現在未来みたいな展示物で「AIが作曲した音源に人が手を加えて発表するようになり、クリエイターもコンテンツも増えるが楽曲を他人に聞いてもらうことは難しくなる。音楽はAIと自分とで作った曲をAIに聴いてもらうものになる」と言っていて、食らった 2023-07-31 17:12:44 森 @mori_de_kurasu 「もはや人間が作るのか機械が作るのか、人間が聴くのか機械が聴くのかすらも些細な違いにすぎず、そこに何らかの感動があればよくなる」と締めくくっていて頭がめちゃくちゃになりながら帰ってきた 2023-07-31 17:22:16 リンク 日本科学未来館 (Miraikan) 日本科学未来館 (Miraikan) 日本科学未来館-Miraikan-の公式サイト。最新テクノロジーから日々の素朴な疑問、地球環
毎日、様々なジャンルの新曲がリリースされている。音楽好きには嬉しいだろうが、できるだけ人気のある曲を流したいストリーミングサービスやラジオ局にとって、今の新曲ラッシュは人気になる曲の選定が難しく、悩みの種でもある。 これから人気が出る曲をどうやって見分ければよいか?もちろん、企業が莫大な資金を投入し、熱心なプロモーションを行った曲なら流行る可能性は高い。SNSのインフルエンサーの影響もあるだろう。 だが、それ以外にもヒット曲を特定する方法があるという。そう、AIである。 アメリカの研究チームは、AIとスマートウォッチを使うことで、97%の精度でヒット曲を言い当てることに成功したそうだ。その結果を『Frontiers in Artificial Intelligence』(2023年6月20日付)で発表している。
www.u-tokyo.ac.jp ワタシは柳瀬博一さんの Facebook 投稿で知ったのだが、あまり話題になってないのでここでも取り上げておきたい。 いや、だって、東京大学学位記授与式の総長告辞でドナルド・フェイゲンの「I.G.Y.」の歌詞が引用されてるんだもの。 「I.G.Y.」とはなんぞや? これは総長告辞を引用させてもらおう。 科学技術の発展に対する疑問をよく表した曲として、私の大好きなアーティストであるドナルド・フェイゲンが1982年に発表したI.G.Y.という曲があります。I.G.Y.とは、先ほどの国際地球観測年の英語名International Geophysical Yearの頭文字を取ったものです。この曲は、科学技術が高度に発展した一見便利に思われる未来社会を、皮肉たっぷりに歌っています。人々は、海底トンネルでニューヨークからパリまで90分で移動し、簡単に宇宙を旅行し、
研究者は、人がある曲を好きになったり嫌いになったりするまでの時間を調査しました。その結果、人は通常、曲を聴いてから数秒以内に好きかどうかがわかることが判明。一目惚れという言葉がありますが、音楽は“一聴惚れ”であるという。 ニューヨーク大学のデータサイエンスセンターの神経科学者パスカル・ウォリッシュは、人がある曲を好きになったり嫌いになったりするまでの時間を知りたいと考えました。そこで、彼と研究チームはプレイリストを作成しました。 プレイリストには、さまざまなジャンル(8つのジャンルと7つのサブジャン)の計260曲を選びました。アーティストは、モーツァルト、ベートーベン、エルヴィス・プレスリー、マイケル・ジャクソン、セックス・ピストルズ、カニエ・ウェスト、ポルカのフランキー・ヤンコヴィックなどが含まれています。 研究チームは、これらの曲を3120の短い断片にカットし、600人以上のボランティ
高校生・高専生が自由研究の成果を競うコンテスト「JSEC(ジェイセック)2022(第20回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」の最終審査会が10、11日、東京・お台場の日本科学未来館で開かれた。全国166校の617人から、過去最多となる339研究の応募があり、最終審査会には高く評価された30研究が出場、研究を発表して競った。 上位入賞した研究は、来年5月に米国・ダラスで開かれる国際学生科学技術フェア(ISEF(アイセフ))に日本代表として挑む。JSECの最終審査会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で20、21年ともオンラインで開催されたが、今回は3年ぶりに多くの学生がリアルで交流した。 文部科学大臣賞の田中翔大さん=市立札幌開成中等教育学校5年 弦にそっと触れて高音を奏でるバイオリンの「ハーモニクス奏法」。数百年の歴史で誰も解き明かしていなかった、その弾き方にまつわる秘密を、数理モデルを
ダンスフロアや激しい音楽ライブでは低音のビートが響いており、低音は「思わず体が動いて踊り出したくなる」印象があります。そのような低音とリズムの感覚について、カナダのマックマスター大学の研究者らによると、ダンスフロアを盛り上げるには「低音がすべて」であり、さらにそれは低音だからノりたくなるというようなものではない「意識を超えたもの」であると研究で示されました。 Undetectable very-low frequency sound increases dancing at a live concert: Current Biology https://doi.org/10.1016/j.cub.2022.09.035 Bass instinct: low notes really do get people dancing, research finds | Neuroscience |
声優の小岩井ことりさんは9月15日、明治大学の森勢将雅専任准教授らと共同執筆した論文が電子情報通信学会で船井ベストペーパー賞を受賞したと発表した。作曲で音声合成分野の研究に貢献した。 受賞した論文は「レアなモーラを含む日本語歌唱データベースの構築と基礎評価」。著者は小岩井さん、森勢専任准教授、ライターの藤本健さん。内容は、AI歌声合成技術などの研究に使えるオリジナル曲を集めたデータベースを作成したというもの。 収録したオリジナル曲には、日本語の音素をできる限り含んだ歌詞、さまざまなパターンのメロディーが織り込んである。これまで歌声合成の分野では、著作権などの問題から童謡を使うことが多かったが、オリジナル曲のみでデータベースを構築することで利用条件の緩和を目指した。
「日本語ラップはダサい」。2005年ごろネットでこうした議論が盛り上がったことをご存知だろうか。曰く「日本語はラップに向いていない」。英語の母音はたくさんあるけど、日本語の母音は5つしかない。しかも、英語は子音で終わる単語がたくさんあるけど、日本語にはそのような単語がないーーというのが、こういう主張をしていた人の言語学的な言い分だ。 これに真っ向から挑んだのが、ドラクエ、ポケモン、メイド喫茶など、あらゆるテーマを対象に言語学的な分析を行い、反響を呼んでいる気鋭の若手学者、川原繁人氏である。新著『フリースタイル言語学』より、日本語ラップに惚れ込んだ筆者が「日本語ラップはダサい」という議論に学術的に対抗する。 この記事の写真を見る ■人生を変えたZeebra、ライムスター すべての始まりは、大学生の時に幼馴染みがくれた1本のミックステープであった。彼とは幼稚園時代からの幼馴染み。大学に入って学
同氏は前日、Spotifyと独占契約している人気ポッドキャスターのジョー・ローガン氏が自身の番組で新型コロナのワクチンについて誤った情報を流していると批判していた(その公開書簡は削除されている)。 「Spotifyは最近、新型コロナに関する嘘によって大きな損害を与える力になっている」「誤った新型コロナ情報を聞いているリスナーのほとんどは24歳くらいだ」とヤング氏。「私は、音楽を愛する人々に命を脅かす誤情報を流すSpotifyをサポートし続けることができない」。 ローガン氏のPodcastについては、昨年12月31日、科学者、医療専門家、教授などのグループが「新型コロナのパンデミックを通じて、誤解を招くような誤った主張を繰り返し広め、科学と医学への不信感を引き起こした」として、Spotifyに対し、プラットフォーム上の誤情報を管理する明確なポリシーを至急作成するよう求める公開書簡を送った。本
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映画『AKIRA』の劇伴音楽で世界に衝撃を与えた芸能山城組を率いる音楽家として、あるいは情報環境学、感性科学、生命科学などの分野を越えて活躍する科学者として、国内外のメディア表現に大きな影響を与え、第23回文化庁メディア芸術祭で功労賞を受賞した山城祥二(本名:大橋力)さん。その多岐にわたる活動の全体像が、メディアで語られる機会はほとんどありませんでした。東京五輪の「中止」などまさかの「予言成就」が話題を呼んだ「AKIRAイヤー」の終わりに、山城さんと芸能山城組の足跡の意義について、じっくりと伺いました。 合唱団から生まれ、合唱団の枠組を超えていった「芸能山城組」 ──まずは改めまして、2020年3月に発表された第23回文化庁メディア芸術祭での功労賞受賞、おめでとうございます。同賞の顕彰対象である2019年は、奇しくも山城さんと芸能山城組が劇伴を担当された大友克洋監督の映画『AKIRA』の劇
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米マサチューセッツ工科大学(MIT)とMIT-IBM Watson AI Labの研究チームが開発した「Music Gesture for Visual Sound Separation」は、楽器を演奏する複数人の動きを深層学習で分析し、個々の楽器の音を分離する手法だ。ピアノ、フルート、トランペットなどの楽器を複数人で同時演奏した場合に、その映像から演奏者それぞれのメロディーを抜き出す。 映像解析ネットワークと視覚音声分離ネットワークの2つからなる「自己教師あり学習」を採用。映像解析ネットワークでは、人体のキーポイント18点、手のキーポイント21点を抽出。次に身体の動きと前後関係を統合し、
ドイツの科学者たちが8月22日、混雑した屋内イベントにおいて新型コロナウイルスがどのように広がるかを学ぶため、ボランティアで満員のコンサート会場でライブを開催した。 今回のプロジェクトは「Restart-19」と呼ばれるもので、ライプツィヒのコンサートホールに約2000人を集めて実施され、ドイツ人シンガーのティム・ベンツコ(Tim Bendzko)が出演した。 全てのボランティアはコンサートの48時間前にPCR検査を行い、マスクや蛍光塗料入りの消毒剤を含むハンドジェルを渡された。さらに、他の観客との接触の頻度や互いの距離を電子的に測定するための接触トレーサーも配布された。 当日は3つのショーが開催された。まず1つ目はパンデミック前のイベントを再現したもので、2つ目はパンデミック後の衛生管理を意識し、ある程度の距離を置いたもの、3つ目は観客数を半分程度に抑え、厳格な社会的距離を義務づけたもの
クラシック音楽などを演奏する際に飛まつが広がる範囲を楽器ごとに実験したところ、最も多く測定されたトランペットでも前方に集中していることなどが明らかになり、調査にあたった団体は、演奏会を従来の形に近づけるための科学的な根拠になるとしています。 この実験は、クラシック音楽の公演に関わるオーケストラや企業などで作る「クラシック音楽公演運営推進協議会」などが、先月、長野県茅野市の研究施設にあるクリーンルームで行いました。 トランペットやバイオリンなど12種類の楽器の演奏者、合わせて36人が、医師などの専門家の監修のもとそれぞれ演奏を行い、前後左右に設置した9台の測定機器で飛まつの量を測定しました。 その結果、飛まつが最も多く測定されたのはトランペットで、音の出る先端では6秒間に最大でおよそ1万2000の粒子が確認されましたが、演奏者の左右や後ろではほとんど確認されず、飛まつは前方に集中していること
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