■マシュー・ボーンの「白鳥の湖」 バレエである。「白鳥の湖」である。なにをトチ狂ったのかこのオレがバレエ「白鳥の湖」を観に行ったのである。とは言ってもクラシックのそれではなく、コンテンポラリー・ダンスと呼ばれる、いわゆるバレエの現代的解釈版というやつだ(多分)。演出・振付はマシュー・ボーンという方。この『マシュー・ボーンの「白鳥の湖」』は、1995年に初演された演目であるらしい。この日は東急シアターオーブへ相方さんと二人で観に行った。 バレエのバの字も知らないオレが、この舞台を観に行くきっかけとなったのは相方さんが興味を示していたからであった。「なんじゃいな」と思って調べたところ、この『マシュー・ボーンの「白鳥の湖」』、男性が白鳥となって踊っているのである。「ほう」とオレは思った。この段階で英国の匂いがぷんぷんする。英国流の批評と皮肉、そして同性愛的な性向が見え隠れする。あにはからんや、マ