マンガに関するmokkei1978のブックマーク (1,116)

  • たかぎ七彦『アンゴルモア 元寇合戦記』 - 紙屋研究所

    元寇づいていて申し訳ないが、元寇のマンガの話である。 作のメインタイトル『アンゴルモア』は、ノストラダムスの『予言書』に出てくる謎の言葉として有名で、ノストラダムスより300年前にヨーロッパを灰燼に帰したモンゴルの侵攻を表す言葉ではないかという説がある。いわば「この世の終わりほどの恐怖」としての「モンゴルの日侵攻」の意味を込めて、タイトルがつけられている。 元寇を描いたマンガというのは、学習マンガ以外にあまり知らない。それくらい珍しい。 しかし、描いているのは、その中でも文永合戦(文永の役)の緒戦にあたる対馬での戦闘である。 なんともマイナーな題材の選び方だ。 が、これは、「圧倒的不利な状況下での戦争」を描くために、作者・たかぎ七彦が選りに選ってつかみだした舞台だ。 元寇における対馬戦争にフォーカスし、流刑人として送られてきた元御家人・朽井迅三郎の活躍を描く。 http://comic

    たかぎ七彦『アンゴルモア 元寇合戦記』 - 紙屋研究所
  • 最近読んだコミック - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

    ■暗黒神話 完全版 / 諸星大二郎 暗黒神話 完全版 (愛蔵版コミックス) 作者: 諸星大二郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2017/03/17メディア: コミックこの商品を含むブログ (4件) を見る『暗黒神話』。諸星大二郎の名を伝説にまで高めたあの超名作が「完全版」となって登場である。オリジナルが1976年発表というから、これはもう40年を経た逆襲と言わざるを得ない。これはもう買って、そして読まねば話にならない。内容についてはもはや説明しない、漫画というメディアを愛する方ならあまねく読むべき作品であり、凄まじいイマジネーションで生み出された魂凍える恐るべき物語である。なにより今回の「完全版」はオリジナルより100ページ余り加筆しての作品である。ここからして既に書を読んだ方も所有している方も再び購入して読まねばならない理由である。さらに丸背ハードカバー箱入り上製だ。装丁は祖父江

    最近読んだコミック - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
    mokkei1978
    mokkei1978 2017/07/27
    暗黒神話 完全版 / 諸星大二郎
  • サザンウィンドウ・サザンドア : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    団地マンガ ・・・ような気がする。 雑貨屋兼屋みたいな、オサレブックストアでは団地ものの特集棚が組まれているし。 団地をリフォームして、こんなにオサレに!みたいな写真もよく見かける。 ま、実際のところ、団地に若い世代が集まっているのかというと、そんなことはないような気もするのだけども。 それはそれとして、団地っていう存在に何かしらのノスタルジーを感じる人が一定量いるってのは事実なんだろう。 幼年期を団地で過ごし、最近までもずっと、団地に住んでいたものとしては、この現象はこそばゆい。 というのも、実際の団地ってのはオサレでもなんでもない。 まあ、大都会の近くのニュータウンとかなら違うのかもしれないけども。 人口減とともに、だんだん衰退しつつある地方都市の団地にあるのはただの生活だ。 また、ノスタルジーなんてものも当然ない。 なぜなら、今、団地で生活する人にとっては、団地とは懐かしむべきもの

    サザンウィンドウ・サザンドア : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • 小林薫『娘が不登校になりました。 「うちの子は関係ない」と思ってた』 - 紙屋研究所

    時々学校に行きたがらないぼくの娘 うちの小4の娘は基的に元気に学校へ行っている。 「基的に」というのは、時々行きたがらなかったり(いわゆる「登校しぶり」)、ほぼ毎日のように微妙な遅刻をしたりするからだ(1時限目が始まる前の時間に登校する)。 3年生の1学期から2学期にかけてが、親としてはけっこう大変だった。 理由は今ひとつよくわからないんだけど、教師(担任)の粗暴さへの不満とか、宿題が面倒くさくてやっていないことへの不安とかを、渾然一体によく表明していた。 「もしもの日」 ぼくら夫婦は娘に二つ提案した。 一つは「もしもの日」をつくった。 これは吉野朔実のマンガ『ぼくだけが知っている』に由来する。 吉野朔実『ぼくだけが知っている』 - 紙屋研究所 小学4年生の主人公夏目礼智(らいち)と母親との間でだけ勝手に設けられた「月に1度だけ無条件に学校を休んでいい日」である(図、吉野『ぼくだけが知

    小林薫『娘が不登校になりました。 「うちの子は関係ない」と思ってた』 - 紙屋研究所
  • エッチする直前こそが人生だ『初情事まであと1時間』

    タイトルまんま「初エッチするまであと1時間」のカップルを描いた、シチュエーション恋愛オムニバス。ニヤニヤが止まらないまま進んでいくと、初々しさにほっこりしたり、健気さにほろりときたり、切なさに撃ち抜かれたり。 あくまでも、エッチするまでの1時間なので、性行為そのものは描いてない。「あと50分」「あと31分」といったカウントダウン的なナレーションが入るが、「スタート!」以降は「ご想像にお任せします」状態となる。だから表紙に「成人向け」マークは入っていないのだが……のだが、これが読むほうにとってはとってもドキドキもの。 なぜなら理由は2つある。 一つは、典型的な「やれる」パターンの場合。「両親が旅行の彼女の家に招かれました」など、リビドー全開のシチュエーション。にもかかわらず、二転三転する様がワクワクを加速させる。もう一つは、どう考えても「やれない」パターン。こじらせ処女、腐らせ童貞、生命の危

    エッチする直前こそが人生だ『初情事まであと1時間』
  • 雑草たちよ 大志を抱け : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    池辺葵が描く、目立たない女子高生達の群像青春もの・・・・って、そんなの素晴らしくないわけがない!! その健気さがときに、強烈に胸を打つ。 そもそも、少女マンガに於いて、「地味」という属性は非常に描きにくい属性だ。 というのも少女マンガに於いてビジュアルの問題は非常に扱いにくい問題だからで。 少女マンガでは基的に、大きくキャラクターの造形を崩すことができない。 まあ、そりゃあそうだわな。 いくらルックスが地味で、それにコンプレックスがある主人公だったとしても、それを生々しく描写すると読者は戸惑う・・・というよりも共感はするけども、そういうのを読みたくて少女マンガを読むわけではないから、そっとページを閉じる。 河原泉の素晴らしいところは、その地味さを魅力に変えたところだろう。 ささいなやりとりだとか、しょうもない笑い、そしてちょっとした涙。 つまりは、冴えない僕らの日常生活に転がっている小さ

    雑草たちよ 大志を抱け : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • 読者ハ読ムナ(笑): いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    しごくまっとうなマンガ家入門にして、社会人入門。 だからこそ、NHKの「漫勉」なんて番組が成立するわけだ。 もっと言えば、マンガ家になる方法すらも多種多様で。 どの雑誌からデビューするのか。 それは月刊誌なのか週刊誌なのか。 あるいは雑誌を介さないのか。 同人誌経験はあるのか・・・・ それこそ、100人マンガ家がいれば、100人のデビュー話があるのだろう。 そういう意味で、マンガ家入門なんてのはあまり意味をなさなくて。 まあ、マンガ家でもない私が偉そうに語るのもどうかとは思うが。 おそらくマンガ家入門を熟読する暇があるなら、一作作品を仕上げる方がよほどデビューに近づくのではなかろうか。 ただ、作に関してはマンガ家を志す人は一度は読んでおいて損はないのではないかと思う。 というか、そもそもマンガ家を目指していない人も、読んで損はないだろう。 特に若い人は。 というのも作は、マンガ論であり

    読者ハ読ムナ(笑): いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • 本当にひでえマンガ、あるいはリアルさるまん「アガペ」 : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    ひっさびさに、心の底から駄作だと断言できるマンガに出会えた。 さるまんのとんち番長を彷彿とさせる、ダメ加減。 目にする何もかもが一定レベルのクオリティを保っていることが当たり前の現代日において、ここまでのダメを見れるとは思わなかった。 いやあ、ひどい。 これ、原作と作画が別なの。 で、作画が、今をときめく石黒正数。 で、どう考えても石黒が原作に憎悪を持っていたとしか思えない壊しっぷりなんだわ。悪ふざけにもほどがある。 回をますごとに無意味に(そして確信犯的に)ボリュームアップしていく主人公の乳。(スタートはアヤナミレイ、ラストはエイケンって言ったら通じる??) 無意味すぎて、ギャグにしか見えないパンチラ。 崩れまくるキャラクター達の顔。最近じゃ、ギャグマンガでもここまでくずさんぞってくらい崩れるから、コマによっては誰なのかわからない。 そして、ジョジョよりえげつないポージング。 おそらく

    本当にひでえマンガ、あるいはリアルさるまん「アガペ」 : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • 『史群アル仙のメンタルチップス 不安障害とADHDの歩き方』 - 紙屋研究所

    タイトルにある通り、不安障害、ADHDを抱えた作者の自伝であり、「メンタルチップス」、つまりメンタルの面でのちょっとした(自分流)対処法である。 うまく学校や社会になじめず、生活が破綻し、死ぬ直前まで追い詰められる様は『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』の永田カビを思い出す。 ただ、永田カビの方を読んだときは永田の苦悩の天よりも、性が自分を解放するカギになっていて、「フーゾク」(この場合「レズ風俗」)がその解放の契機となる可能性について驚かされた。そしてそれは説得力があった。 史群アル仙(しむれ・あるせん)の書については、もっとまっすぐに、障害をもった自分がどう社会に「適応」するのか、という点が読む者に伝わってくる。 ぼくが興味を持ったのは、第29話「ADHD、働く」である。 ADHDと診断されても、「何か変わるワケではありません」(書p.129)。つまり、そのまま職場がその診断を

    『史群アル仙のメンタルチップス 不安障害とADHDの歩き方』 - 紙屋研究所
  • どぶがわ : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    とんでもないものを読んだ。 良すぎてちょっと、唖然としちまったもんなぁ。 とりあえず読後しばらくは放心状態。 で、それは今もなんとなく微妙に続いてしまっている。 しばらくマンガはいいやっていうくらい。 さてさて内容。 臭いのキツイどぶがわのほとりで、毎日、日光浴をしながら中世のお城暮らしを妄想する老女と、その周りの人々の生活を描いた群像劇。 ・・・・・って、のがあらすじといえばあらすじなんだけども、なかなかピンとこない話ではある。 くわえてこのタイトル。 どぶがわて。 ってなことで、おすすめされたのに、なかなか指が動かなかったのだ。 少なくともキャッチーではないだろう。 でもまあ、なんとなく気にはなっていて。 ふとGWに読んでみた。 で、先の反応に繋がるわけ。 茫然というか、放心というか。 とにかく、しつこいけれども、とんでもないマンガだったのだ。 これは、10年に一度とか、そういうレベ

    どぶがわ : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • ジェフ・ダロウの超絶描き込みアメコミ作品3作〜『ザ・ビッグガイ』『少林カウボーイ』『ハードボイルド』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

    ■ジェフ・ダロウというアーチスト アメコミ・アーチスト、ジェフ・ダロウのコミック2冊が日でも立て続けに発売されることになり、ここでザックリと紹介してみたいと思う。彼のプロフィールについてはこちらやこちらのリンクを参考にしてもらうとして、このジェフ・ダロウ、なにしろ物凄いアーチストなのである。何が凄いって、それはグラフィックのとんでもない描き込みの量なのである。 それはフォトリアルな緻密な描き込みというのではない。ジェフ・ダロウの領はまずモブ・シーンで発揮する。ページ4分の1ぐらいの大きさのコマに40人ぐらい平気で描き込むし、これが見開きページともなると100人200人は優に超える人間を描き込む。この辺、コピペもあるのかもしれないが、この人だったら実際に全部描いてるんじゃないのかと思わせるような膨大な人物量なのだ。 そしてもう一つは破壊描写の際の、空中を舞いさらに地面にばら撒かれる、破砕

    ジェフ・ダロウの超絶描き込みアメコミ作品3作〜『ザ・ビッグガイ』『少林カウボーイ』『ハードボイルド』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
  • 伊勢田哲治・なつたか『マンガで学ぶ動物倫理 わたしたちは動物とどうつきあえばよいのか』 - 紙屋研究所

    日経新聞によれば、イタリアの法律では、 生きたエビを氷の上に載せておくのは虐待に当たり、禁錮刑や5000ユーロ(約67万円)から3万ユーロ(約400万円)の罪になる。 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO95101870U5A211C1NZ1P00/ という。 動物の命を奪っていいのか。あるいは、どういうふうになら奪っていいのか。あるいは、そんな問い自体が無意味なのか。 小4の娘といっしょに劇を見に行ったのだが、「命」を考えるというその劇の中で「『いただきます』と言ってべよう、命をいただくのだから」的なセリフが出てきた。 親子で見たその劇の、教条ともいうべき薄っぺらさが気になった。 「いただきます」と「感謝」さえすれば、命を奪っていいのだろうか。 ペットや実験動物の虐待には反対するが、害獣は殺していいのだろうか。 外来生物は生態系を壊すというが、その生

    伊勢田哲治・なつたか『マンガで学ぶ動物倫理 わたしたちは動物とどうつきあえばよいのか』 - 紙屋研究所
  • キン肉マン「完璧超人始祖編」のベストバウトを5つ選んでみる。 - 脳髄にアイスピック

    キン肉マンの新シリーズ「完璧超人始祖編」がついに完結してしまった。 キン肉マンである。元々の連載は30年前に終わってしまったキン肉マンである。 一般的にこの手の2世ものだったり、続編だったりは、だいたい当時の勢いが失われていたり、昔に比べて絵が衰えていたりしがちで、漫画そのものの面白さよりも当時を懐かしんで楽しむという意味合いが強かったりするのだが、キン肉マンは別だった。 当時の読者だって、この30年で数々の漫画を読んで、すっかりすれっからしになっていたはずだ。キン肉マンより面白い漫画だってたくさん目にしただろう。歳を取って嗜好もある程度変わっただろう。 それなのに、多くの読者が毎週毎週更新直後のキン肉マンを読んでは、日曜に深夜にリアルタイムで熱狂していたのだ。 この大成功には様々な要因がある。 まず、ゆで先生の絵が格段に上手くなっている。 たとえばこのプラネットマンを見てほしい。 右から

    キン肉マン「完璧超人始祖編」のベストバウトを5つ選んでみる。 - 脳髄にアイスピック
  • 正直どうでもいい(移転しました) 一生の恋を確信する瞬間、そして誰かを裏切る。『あげくの果てのカノン』2巻

    私の『希望』は、先輩の苦しみや、彼のを、踏み台にして、やっと『恋』になる。 「あげくの果てのカノン」2巻が出ています、結構前に。遅くてすんません。 今年1巻がリリースされた作品の中でもかなりお気に入りな一作。 不倫恋愛×SFという悪魔的合体、そして主人公の暴走とともにストーリーもカオス。 崩壊した世界でたっひとつの想いに振り回される、かわいらしい、悪党の物語だ。どうしようもない片思いの顛末の物語だ。誰かを不幸にすることでしか完結しない恋だ。誰かを。己を。 前回→炸裂する無垢なる狂気 『あげくの果てのカノン』1巻 1巻がとんでもない所で終わったのですが、しすかに幕を開ける第2巻。 呆然としたまま、変わりない日常にもどるかのん。 あの一件の後になるとその日常が守られてることの価値を、痛いほど感じる。 変わらない世界の代償に、変わって変わって変わり果てていく先輩に、胸が締め付けられる。 そんな

  • アオアシ : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    今年一番はまったマンガかも・・・ なんだろう、久しぶりに先が気になって気になって仕方ない。 単行にして七巻分を一気読みしてしまった。 さてさて、何が面白いのかってことなんだけども。 このマンガは表紙を見れば誰でもわかるようにサッカーマンガだ。 ただ、舞台をユースチームにしているところにオリジナリティがある。 まあ、オリジナリティなんて言っちゃっても、そこまでそれが新しいのかどうかは、サッカーマンガにあまり詳しくない自分にはよくわからない。 ただ、自分はユースチームものって知らないし、そもそもユースチームってのがどういうものなのかもよくわかっていないので、それだけでも目新しい面白さはあった。 ただ、まあ目新しさってのはこのマンガの面白さの質ではないだろう。 このマンガの面白さは、つまるところ「主人公の才能」にある。 まあ、多くのスポーツマンガは多かれ少なかれ主人公の何かしらの『隠された才

    アオアシ : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • BEASTARS : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    ひさしぶりのマンガレビュー。 擬人化された肉獣と草獣が共存する世界が舞台で。 それぞれの動物は、それぞれのサイズだから、でっかい動物はでかいし、小さい動物は小さい。 したがって、例えば学園内のトイレでは、それぞれの動物に合わせてサイズの違う便器が置かれている。 草獣たちは、肉獣を野蛮な種族としてどこか差別しており。 肉獣たちもまた、その差別の目を意識しながら共存している・・・・・・・・ ・・・・・・って、これ、まんまズートピアやないかい!! ってのは読んだ誰もが思う感想だろう。 まあ、作者のあとがきを読む限り、作に関してはかなり長い時間温めていたみたいだから、簡単にここで「パクリだ!」なんて言うことはできないのだけども。 でも、まあ似たような設定であることは間違いない。 似たような・・・・っていうか、ところによったら「まんま」であることも間違いない。 で、だ。 ここで、このマン

    BEASTARS : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • 最近読んだコミック - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

    ■ヘルボーイ:地獄の花嫁 / マイク・ミニョーラ ヘルボーイ:地獄の花嫁 作者: マイク・ミニョーラ,リチャード・コーベン,スコット・ハンプトン,ケビン・ノーラン,今井亮一出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2017/01/30メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見るマイク・ミニョーラの大傑作オカルト・コミック『ヘルボーイ』、この巻で一応のラストであるらしい。正確には前回刊行された『ヘルボーイ:疾風怒濤』がヘルボーイ・サーガの大団円となり、この『地獄の花嫁』は『疾風怒濤』以前のヘルボーイの活躍を辿った短編集の形となっている。6作が収められているがミニョーラがグラフィックを描いたのは1作のみ(『ウィッティア家の遺産』)で、あとは原作に留まりグラフィックは別アーチストが描くことになる。これら別アーチストの手になる作はミニョーラ原作の雰囲気を上手く伝え

    最近読んだコミック - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
    mokkei1978
    mokkei1978 2017/02/22
    『ヘルボーイ』『ラストマン』
  • 五十嵐健三『匿名の彼女たち』 - 紙屋研究所

    『匿名の彼女たち』は、正直に言えばわりと楽しみにしているマンガの一つである。 風俗が好きな33歳のさえない独身サラリーマン男性が、全国に出張するさいに、ほうぼうの風俗店に立ち寄り、そこであった出来事を淡々と、主人公の視点から言えばペーソスを交えて描いていく作品で、「全国風俗図鑑」の役目をはたしている。 まず、なぜ既婚男性であるぼくが、この作品を「楽しんで」いるのか、その側面を書いてみる。 作についてネットでいろいろ見たところ、レビューもいくつかあり、ぼくが考えていたことをすでに述べてくれているので、それを手がかりにしてみる。 知らない人のための最強風俗教「匿名の彼女たち・第2巻」 - 無駄話 そもそも風俗情報を知りたければ、風俗情報誌を読めばいいんです。そうではなく、風俗に興味はあるけどよく知らない人が“パッと見で風俗漫画だと分からない表紙”の漫画を買うことに意義があると思うのです。こ

    五十嵐健三『匿名の彼女たち』 - 紙屋研究所
  • 正直どうでもいい(移転しました) きっと今は自由に、空も 『魔女くんと私』

    これって 魔法のせいじゃないのかな 警戒心のつよい怯えた小動物を、デレッデレになるまで、なつかせたい 一発目から欲望ダダ漏れになりましたが「魔女くんと私」の感想です。 縞あさと先生の初コミックスにして初連載作。いきなりハイレベルなデビュー作。 これがですね・・・めっちゃ破壊力強くて、ちょっとヨロメキましたよね・・・ ファンタジー要素もある青春ラブストーリー。さくっと読めてオススメです。 主人公の女子高生・凪のクラスに、とある少年が転入してきました。 真白というその男の子は実は魔法のちからを秘めた、魔女の一族。 男でありながら「魔女」と呼ばれる彼にはしかし、重大な秘密があります。 男の魔女は単体では魔法が扱えない。 魔力の源は女にあり、男の魔女は、女に接触した状態でないと魔法を使えないのだ。 にも関わらず。男の魔女になったばかりに散々な扱いを受け続け、 真白くんは女子アレルギーとなってしまっ

  • 志村貴子『娘の家出』 - 紙屋研究所

    志村貴子『娘の家出』5巻を読む。 『娘の家出』は、家出をしたがる年頃の思春期の少女たち、およびそこからつながっている老若男女たちのオムニバスストーリーである。 Pちゃん 「Pちゃん」に目がいく。 「P」はネットゲームのハンドルネームである。小さなオフ会仲間をつくっているうちの一人の女性で、2児の母親である。 5巻でオフ会仲間の千秋こと「ロキ」に酒場で会うシーンに登場する「Pちゃん」の顔がとても素敵(志村同書5巻、集英社p.156、右図)。美人で知的。 だけどやわらかい感じがするのは、p.163で「ロキ」から惚れてしまったと告白されて、戸惑っている顔、そしてそのあとの柔軟なやり取りに、まいってしまうからだ。 困難とか戸惑うようなことに直面した時にする、人間的な反応だから、じゃないかな、と思う。 驚きすぎる、クールすぎる、という反応を、今ぼくは欲していないのだろう。 「そりゃ、母性的な包容力を

    志村貴子『娘の家出』 - 紙屋研究所