フラワーデモの参加者に共通する願いは、刑法の見直しだ。昨春、無罪判決が続出した背景には、二〇一七年の改正後もなお、刑法が性暴力の実態を反映していない欠陥がある。「被害者をさらに苦しめるのはもうやめて」と訴える。 (出田阿生) <お母さん パパが私を女性としてみてるらしいの>。そんなLINE(ライン)のメッセージが愛知県に住むかずみさん(44)=仮名=に当時十三歳の長女から送られてきたのは、一昨年五月のことだった。「まさか離婚した元夫が娘に手を出していたなんて。この時は想像もできなかった」 数日前、元夫は長女をイベントに誘った。長女は七年ぶりに父親に会い、帰りの車の中で、胸をなめられ、下着に手を入れられた。数カ月後、通っていた中学校のスクールカウンセラーに被害を打ち明け、かずみさんに連絡が入った。 がくぜんとするかずみさんに、親族が「刑法も変わったし、届けてみては」と助言した。刑法は二〇一七