本紙・藤倉善郎主筆の暴露本『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島新書)が本日、発売されました。やや日刊カルト新聞を創刊する前からカルト団体を取材してきた藤倉主筆の取材エピソードと、抗議などをしてきたカルトとのやりとりの裏話集です。末尾には、カルトからの抗議に対抗する上でのコツも書かれており、インターネット上でカルトウォッチをするためのハウツー本も兼ねています。藤倉主筆は本紙のインタビューに対して、「これ1冊あれば、誰でもカルトから訴えられることができます」と豪語します。 ──多田文明さんの『ついていったら、こうなった―キャッチセールス潜入ルポ』のパクリみたいなタイトルですが。 「本当は、丸パクリで『取材したらこうなった』にしたかったんですが、良識ある編集さんの助言で『こうだった』にしました。多田さんには、力及ばず申し訳ないと言いたい」 ──学生時代に初めてカルト的団体から抗議を受けた
★進化の運命〜孤独な宇宙の必然としての人間/サイモン・コンウェイ=モリス ざっと読んだ。私にとっては最も知りたいような問いがまさに問われているので、もう1回くらい、今度は精読しようと決意。 どのような問いか。自分なりに言い換えつつまとめておく。 【問1】進化の歴史を巻き戻したら、 人間はまた出現するのだろうか これが根幹の問い。もともとカンブリア紀に生物が爆発的に多様化したことをめぐって浮上したこの問いに、スティーブン・ジェイ・グールドと著者サイモン・コンウェイ=モリスはのちに考えが激しく対立。それは40年も続いたという。その怨念がこの本のモチーフにもなっているようだ。 その場合「人間のようなもの」とは、どれくらいの生物を指すのだろう? 著者は、2本足で歩き赤い血液が流れ花の美しさをめでるような心と言葉をもつ別の存在について最後に空想しているが、これは比喩的な話なのか、あるいは本気でそう思
以前は、堀米庸三の「正統と異端」(参照)ではないが、キリスト教の正統とは何かという観点から私は西洋史を見てきた。その観点でローマの宗教も考えていた。だが次第に異教のほうが面白く思えるようになり、また、率直なところキリスト教の教理における正統は正統としても、実態は異教とされてきた諸宗教とそれほど差違はないどころか、異教が独自の変化をして西洋キリスト教になった側面が大きいのではないかという疑念もあり、少し概論的なものを読み直してみようと思うようになった。とりあえず選んだのは、「ローマ帝国の神々―光はオリエントより (小川 英雄)」(参照)である。読みやすく、よくまとまっており、また抑制が利いているので、通説はこのあたりなんだろうということがよくわかる好著だった。 古代ローマ帝国の盛衰は長期に渡り、版図を広げつつ異文化を積極的に取り入れたが、それは当然、人間の交流を伴うものであり、ギリシャ、ペル
・宗教とは何か 日本におけるこの本の位置づけはリチャード・ドーキンス『神は妄想である』に対する反論本である。 宗教の現代的な価値を擁護する内容。日本人にはない問題意識のため、この神学論争は国内の論者ではほとんど見かけない。利己的な遺伝子やミームの提唱者として日本でもよく知られるドーキンスだが、今は宗教批判の先鋒に立っているのだ。宗教は迷妄であり愚かだとしてめった切りである。それに対して著者は、科学もまたある種の信仰だと切り返している。 「重要な意味において、科学者は信仰者であると同時に美学者でもあるとわたしは考える。あらゆるコミュニケーションは信頼[=信仰]をふくんでいる。」 信念はあらゆる知の土台になるという論を展開している。アリストテレスやカントや野中郁次郎の、「知識」は信念であるという言葉と同じだ。 「そもそも信仰は───どのような種類であれ───選択の問題ではない。なにかを信じるに
宗教で読む戦国時代 (講談社選書メチエ) 作者: 神田千里出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/02/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (20件) を見る宗教で読む戦国時代 神田千里 講談社選書メチエ 宣教師も驚いた戦国日本人の高度な精神性。その「ゆるやかな宗教性」のバックボーンとしての「天道」思想をキーワードに、一向一揆、キリシタン論争から島原の乱まで、日本人の心性に新たな光を投げかける。 序盤から釘付けになって読んでしまった。今年の第一四半期最大の収穫、と自信を持ってオススメできますよ、これは。以下、twitterのメモを元に目次順に内容を紹介します。 1章 宣教師の見た日本の宗教 イエズス会の宣教師たちは、戦国日本が単一言語(都の言葉が共通語)の国と捉えていた。日本通信では改竄されたが、元の書簡では諸大名は国王に、将軍
2009年11月12日04:30 カテゴリ書評/画評/品評Love 神なき教えは宗教か? - #書評_ - The God Delusion The God Delusion Richard Dawkins [邦訳:神は妄想である] このニュースを受けて、@kirikと談義した際に読み返した。 「キリスト教は独善的」と小沢氏、仏教は称賛 - MSN産経ニュース 民主党の小沢一郎幹事長は10日、和歌山県高野町で全日本仏教会の松長有慶会長と会談後、記者団に宗教観を披露した。この中で小沢氏はキリスト教に対し「排他的で独善的な宗教だ。キリスト教を背景とした欧米社会は行き詰まっている」との見解を表明。イスラム教については「キリスト教よりましだが、イスラム教も排他的だ」と述べた。 そして実に興味深いことを発見した、というより「それ」を発見できないことを発見した。 本書"The God Delusion
2009年01月02日01:00 カテゴリ書評/画評/品評Love 「人類最大の敵」 - 書評 - 人類は「宗教」に勝てるか 長いこと書評しそびれていたのだけど、 人類は「宗教」に勝てるか 町田宗鳳 実に苦く、そして「いい」タイミングでもあるので。 404 Blog Not Found:News - 開けたくもないし、ましてやめでたくもないけど 数多い「反」宗教本の中で、最強の一冊である。 本書「人類は「宗教」に勝てるか」は、神学者による反宗教本、いや非宗教本。 それも、ただの神学者ではない。 著者略歴 町田 宗鳳 1950年京都府に生まれる。14歳で出家し、以来20年間、京都の臨済宗大徳寺で修行。1984年に寺を離れ渡米。ハーバード大学神学部で神学修士号およびペンシルヴァニア大学東洋学部で博士号を得る。プリンストン大学東洋学部助教授、国立シンガポール大学日本研究学科准教授、東京外国語大学
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