1 日本史と世界史の両方を高校で履修できるか片方しか履修できないかは、年代によってバランバランで、私は高校時代、片方しか履修できなかった。この時日本史と世界史のどっちを履修しようか相当悩んだんだが、当時まだ若かりし我が老母は「日本史が判らなければ世界史が判るはずがない」とえらく説得力のある言葉を吐いたが、私は世界史を選択した。世界史を選択したことはものすごい正解だった。その後、大学で歴史学の方へ進まなかったのは後悔だが。 世界史の基本を学習したい、という方にはマクニール『世界史』をお勧めする。ハードカバーだと一冊。たしかシカゴ大学の世界史の教科書。 世界史 上 (中公文庫 マ 10-3) 作者: ウィリアム・H.マクニール,William H. McNeill,増田義郎,佐々木昭夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/01/25メディア: 文庫購入: 37人 クリック: 1,
英雄伝 (叢書アレクサンドリア図書館) 作者:ネポス国文社Amazon 英雄と呼ばれる将軍がずらずらと紹介される世界最古の偉人伝。 どっちも登場 / ヒストリエ(7) (アフタヌーンKC)より 戦術書 (叢書アレクサンドリア図書館 (6))を買ったら薦められ、ついでと思い買ってみたらこれが意外に面白い。古代ギリシャからローマにかけての将軍について、それぞれの逸話とそれに伴う教訓が書かれている。 登場する人物の多くは日本では馴染みのない者だが、読めばなぜ取り上げられたか納得できる。どいつもこいつも敵を打ち破り、都市を攻略し、地域を平定する。ウェイバー・ベルベットの言葉を借りれば「こいつら……一騎一騎がサーヴァントだ……」というやつだ。歴史的資料としての価値は微妙らしいが、物語としての価値はある。 そして読んで思った。『ヒストリエ』読んでいてよかった。 概要 ざっくりながらもこの本についての背
今週のお題は「最近おもしろかった本」ということで、こいつを取り上げる。 ヒストリエ(9) (アフタヌーンKC) 作者:岩明 均講談社Amazon 最新刊が発売された『ヒストリエ』の主人公にしてアレクサンドロス三世の書記官である、カルディアのエウメネス。とは言っても今回紹介するのはマンガではない。お題のとおり、俺が読んだエウメネス関連の本をつらつらと紹介していく。ただ何でもかんでもというのは面白く無いので縛りを2つ設けた。 俺が読んでいる 古典である 9巻を読み終えて10巻が待ちきれないという人向けにオススメだ。なお、ヒストリエの先の展開が含まれるかも知れないが、問題はないだろう。なにせ今から2300年以上も前の話だ。気にするほうがどうかしている。 エウメネスが登場する本 まずはエウメネスが登場する本である。基本的に彼のことについてはディアドコイ戦争以前、特にマケドニアに来る前のことについて
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ども、てらかっぱです。 ゆうきまさみはお好きですか?私は好きです。 究極超人あ~るが連載されていたころ、ゆうきまさみの漫画はヤマトタケルの冒険などみのり書房から出されていたメジャーデビュー以前の初期作品集を除けばまったくありませんでした。 そこで、ゆうきまさみがイラストだけでも描いていればいいじゃないか。ということで手にとったのが、この集英社コバルト文庫から出版されていた、スター☆ライトダンディ。これが、大当たりでした。作者は火浦功、ゆうきまさみの作品にたまに登場するサングラスの小説家です。 「俺のことはボギーと呼んでくれ」 一行目から「はぁ?」ですよ。 小説の設定は未来、宇宙開拓が進んでいた頃のお話。主人公ボギー(自称)は宇宙開拓局のエージェント。そんな未来に時代遅れのハードボイルド。そう現代で言うならちょんまげのサラリーマンが「拙者のことは新衛門と呼んでくだされ」と言ってるよなもの。何
こんにちは、林です。電子書籍の普及が進むにつれて、「いったい誰がどんなふうに使ってるの?」という興味、関心が高まっているのか、実態調査を目にすることが多くなってきました。先日は、日経さんでこんな記事が。 “文部科学省の委託で浜銀総合研究所がまとめた調査結果によると、電子書籍で読書をする高校生の割合は学校のある日で15.8%、休みの日で16.8%で電子書籍の浸透はまだ一部であることが分かった。ただ、電子書籍を読み始めた生徒の約3割が 読書量が増えた」と回答。読書への関心を高めるきっかけになっている。” 元データは文科省のウェブサイト(PDF)で公表されていました(フリーライターの鷹野凌さんに教えていただきました。多謝!)。「高校生の読書に関する意識等調査報告書」。なんと、2015年4月に公表されていた調査が、今頃記事になったのですね。 電子書籍業界は、Amazonをはじめ、なかなか利用実態を
gendai.ismedia.jp 日本より先を行くアメリカで、電子書籍の勢いが落ちているという記事。 アメリカと日本の事情は随分と違う。 だから同じとは言えないけれど。 電子書籍をしょっちゅうポチり、読むのが追い付かずひたすら電子積読を増やしている身としては、かなり温度感が違うんだが、そんなヘヴィー目のユーザーから現実を見ても電子書籍の未来はそれほど明るいとは感じない。 【スポンサーリンク】 【目次】 かまいたちの夜 遅配 未対応 チープ 電子書籍の普及 かまいたちの夜 kindou.hatenablog.com 先日話題になったが、電子書籍ではグラビアがくり抜かれたりする。 ジャニーズはその辺厳しく昔からそうなので、スクラッチみたいにどれだけ塗り潰されていても「いつものこと」だが、先日は佐々木希のセクシーグラビアということで広く話題になった。 POTATO (ポテト) 2015年 10
いま、PCゲーム業界、いやゲーム業界全体で最もホットな企業と言えば、「Valve」を置いて他にいないだろう。 元々、『Half-Life』という一本のFPSからスタートしたこの企業は、やがてアクティブユーザーが1000万人を超えるPCゲーム用ダウンロードツール「Steam」を開発し、 更には、賞金総額22億円の大会が開催された『Dota 2』や『CS:GO』のようなe-Sportsタイトルまで介入し、衰退しつつあったPCゲーム業界の可能性を引き上げた。 さりとて、この大企業「Valve」によるイノベーションはどのように生まれたのか。そして同時に、ごく僅かの採用枠を勝ち抜いた新入社員たちには、どのような活躍を期待されるのか。 少なくとも、この新入社員用マニュアルからは、Valveの求める人材の水準がどれほど高いものか、窺い知ることが出来ると思う。2万字以上に及ぶ長大な内容だが、もし読んでいた
Inc.:いざというときに頼りになるのは、自分の頭脳だけです。日頃から鍛え、脳の潜在能力をフルに引き出せていますか? 今回ご紹介する5冊の本は、脳の改善にとても役立ちます。脳のパフォーマンスをピークにもっていきましょう、人生の競争を勝ち抜くために! (引用文は日本語版書籍からのものではなく、英語版書籍を部分的に翻訳したものです) 1. 『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』 5秒でわかる要点 人生で成功を収めるカギは、脳の働きを理解することです。脳の働きには2種類あり、1つは直感的・感情的である「ファストな思考」、もう1つは論理的にじっくり検討する「スローな思考」です。 読むべき一節 チェスで次の一手を考えるとか、株に投資するかどうかを決めるといった問題に直面したときは、直感的な思考が本領を発揮します。問題に関する専門知識があり、置かれている状況を認識できるなら、頭に浮か
古典的でお堅い名著とされるものが、実際に読んでみると「まるでラノベみたいに(褒め言葉です)波乱万丈でキャラが立ってて純粋に面白いじゃん!」となることはよくあります。 …よくあるのですが、まさか「ルワンダ」とはねえ。いや、実に感服した。感服のあまりまとめた。 また、ファンタジー・SFの中に、以前から「文明を異世界に持ち込んで大活躍!」というジャンルがあるようです。(「文明無双」ものとも言われる?)そういう興味からも、この「総裁日記はラノベ的に読める」という視点は面白く感じました。 (ついでに手前味噌で、そういう話につなげます。) ※あと、ルワンダというと90年代に吹き荒れた民族虐殺のイメージが大きいのですが、この本で書かれているのは、その前の時代です。また、現在は極めて内情が安定、経済成長をしているとのことです
前作『驚きの介護民俗学』(医学書院)読んだ衝撃はとても大きかった。民俗学者である著者が、新たに選んだ仕事の場所は老人ホームだった。ルーティンの仕事に追われるある日、ふと聞いた昔話に民俗学の背景を見た。若いころの経験や仕事、恋愛、結婚のことを老人たちは嬉々として語ってくれたのだ。「傾聴」が大切と言われる老人介護だが、その方法は本当にあっているのだろうか。 そう問いかけた前作は多くの人から支持され、20以上の媒体で書評として取り上げられ、第2回日本医学ジャーナリスト協会賞も受賞した。 『介護民俗学へようこそ!「すまいるほーむ」の物語』は仕事場を小規模デイサービスに変えた著者が見つけた発見と驚きを綴っていく。 以前の大規模な老人ホームと違い、ひとりひとりとの関係は密接だ。年齢も病歴も家族関係も、要介護度も様々だが、スタッフたちが心がけるのは「すまいるほーむは楽しい」と思ってもらうこと。著者の六車
対談本はこの世に数多く出ているが、質的にはピンからキリまで玉石混交なジャンルである。最悪のケースとしては、忙しくて文章を書いている暇もない人気の著者や著名人を組み合わせて、その場で即興の言葉を拝借する。お互いのことをよく知らないまま表層的な会話に終始し、それっぽいまとめがあって終わってしまい、読後には釈然としない気持ちが残ることになる。 いやなに全ての対談本がそのような粗製乱造された、低コストで売れる本──であると言っているわけではない。何を隠そう本書『世界の辺境とハードボイルド室町時代』も対談本である。もちろん本書の場合、「お手軽に売れる本をつくりましょうぜグヘヘ」などという経緯を辿っていない(そんな経緯は本書に限らずどこにもないと思われるが)。 それではどのような経緯があったのかといえば、本書『世界の辺境とハードボイルド室町時代』は、たまたま編集者が同席した場でノンフィクション作家であ
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