私は立花隆の熱心な読者とは言えないが、それでも「臨死体験」や「宇宙」に関する彼の著作については興味を持って読み、その貪欲な好奇心のエネルギーに対して敬意さえ抱いてきた。しかし、立花が「nikkeibp.jp」で開始したに連載コラム「メディアソシオ・ポリティクス」における「ホリエモン」の金脈、人脈に関する記事のひどさには目を疑ってしまった。 立花隆が月刊文藝春秋で田中角栄の金脈問題を取り上げ、緻密な分析と論証の積み重ねによって時の宰相を退陣にまで追い込んだのが20余年前。以来、金脈追求は立花隆のオハコ分野なのかも知れないが、ホリエモンの金脈に関する限りその論評はあまりにお粗末であった。 この文章で立花はホリエモンについて色々述べ立てているのだが、発信しているのは唯一「ホリエモンは、あやしい奴だ」というメッセージだけだ。それは、時の宰相の身辺や金脈があやしいと指摘したこととは全く持つ意味が異な