タグ

ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (13)

  • なぜ日本の鉄道は世界で一番正確なのか?「定刻発車」

    そもそも、なぜ日の社会は鉄道に正確さを求めるのか? そして鉄道人たちは、どのようにして世界一の正確さを実現させているのか? 「定刻発車」をアタリマエとする文化とそれを支える巨大システムについて、真っ向から取り組んでいる。 切り口が非常に面白い。鉄道サービスのサプライヤ側の技術紹介に閉じておらず、歴史や地勢、文化の面からの目配りも効いている。定刻発車がなぜアタリマエなのか? といった根源的な問いは、鉄道という枠を越えて日社会論まで踏み出している。 まず、「定刻発車」の源は江戸時代までさかのぼる。不定時法とはいえ全国規模の時報システムを持ち、「一刻」とか「半刻」とかいう時間感覚を持っていたことは大きい。あの頃から時刻に敏感な国民性だったんだね。 さらに、参勤交代制が日の「駅」のありようを決めたという。人が一日で歩ける距離をベースに「駅」の間隔は決められ、日の都市は鈴なりになって発展する

    なぜ日本の鉄道は世界で一番正確なのか?「定刻発車」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ラノベの元祖は川端康成「夕映え少女」

    ライトノベルの最初の一冊は? 世間を席巻する前からジャンルとして確立されており、ヤングアダルトとか、ジュブナイルとして、いわゆる「児童書」とは区別されていた。朝日ソノラマ文庫や早川JA文庫が入口だった人もいるはず。 ややもするとラノベの定義まで遡及するかもしれないので、ここではコバルト文庫の最初の一冊として川端康成「夕映え少女」を読む。思春期の少女の微妙な心理から、成熟した女性のひたむきな想いを、7つの短篇におさめている。百合やら超能力者が普通に出てくる、立派なラノベですな。右端の書影は新風舎の新装版。コバルト版は少女処女してる。 白眉は「むすめごころ」、物よりも乙女心を理解していたのかしらんと言いたくなるぐらい、もどかしさとせつなさを上手く描いている。女学校の寄宿舎での語らいを思い出して。 でも、いっしょに腰をかけて、さてなにをしようというのだろう。私はただ幸福なだけだ。涙ぐんでなにか

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ラノベの元祖は川端康成「夕映え少女」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「最近の若者は本を読まない」本当の理由

    最近の若者は、を読まない。ネットやケータイに毒されており、まともな文章を読む能力に劣るのが、イマドキの若者だそうな。そのため、文を書く能力も、相手の話を理解する能力も、ひいてはコミュニケーションそのものが著しく劣っている。このままでは日が亡ぶ ―― って、ホント? しかもこの説、かなり昔からもてはやされている。「最近の若者は…」といいだすオヤヂ連中が「最近の若者」だったころも、この言説はマスゴミ紙面の埋め草となっていた。 昔から語り継がれるこの命題について、調べてみた。 結論からいうと真逆で、最近の若者ほどを読んでる。これは二重の意味でYESといえる。つまり、昔に比べて今の方がは読まれている。さらに、オヤジ連中よりもむしろ、若者世代の方がを読んでいる。 その根拠は、読書世論調査。毎日新聞社が1947年から行っている調査で、全国の16歳以上の男女を対象とした「読書世論調査」と、小・

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「最近の若者は本を読まない」本当の理由
  • 郵政民営化のシステム開発は、デスマーチになっているのではないか?

    プロジェクトの火消し屋を長年やっていると、キナ臭い匂いを感じ取れるようになる。郵政解散までやって耳目を集めた「郵政民営化プロジェクト」、中の人はとってもデスマーチだと勝手に忖度して、合掌、礼拝、南無~。 先週、日郵政公社は、かなり重要な決定を下した。 つまりこうだ―― 「2007.10.1の民営化スタートまでに、システム開発が間に合わないと判断された場合、閣議決定を経て民営化を半年延期する」―― 郵政民営化法には、こんな特例条項がある。社会的に巨大なインパクトを持つプロジェクトだから、GO/NOGOは法律+閣議決定を要する。 しかしだ、1末時点での開発状況を分析した結果、「一部のシステム開発に遅れがあるものの計画の日程には十分間に合うと判断し、この条項を適用しないことを決めた」という。郵政公社の生田総裁によると、「開発はおおむね順調で、民営化の工程が押されるものではない」(※1)。要する

    郵政民営化のシステム開発は、デスマーチになっているのではないか?
  • 「モテるコンサルティング戦略」は強力なケーススタディ

    第1問目をアレンジ、正解はどれ? Q:アキバ系の君がモテたいと思った。最初に何をするべきか? 男は内面が大切。読書や習い事で人間性を深めたり礼儀作法を身につける まず外見から。メンズエステに通ったり、髪型・ファッションから脱アキバを図る 女は数打ちゃ当たる。ネット&リアルの出会い系に登録しまくり、実践で男を磨け 答えはもちろん2.で、外見がむさくるしいと、何をどうしてもダメ。顔や体型が全て、と言っているのではない(そんなものは服やエステでいくらでも"加工"できる)。重要なのは、最低限クリアすべき条件を満たしていない場合、他のどんなに優れた資質を持っていても、見向きもされないということ。これを、どんな経営学の教科書にも載っている、ハーズバーグの動機付け(衛生理論)とからめて説明しているところが面白い。 とりあえず↑に正解したなら、読む必要はないだろう。不正解だったり、解説にナットクできない方

    「モテるコンサルティング戦略」は強力なケーススタディ
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 日本のプログラマは、世界一優秀である

    じゃ、なぜ優秀なプログラマがいる日のソフトウェアビジネスがパッとしないの? 答:それは品質重視の工場型モデルを(相も変わらず)採用しているからにほかならない。「良いものを作れば売れる」主義を信奉するあまり、ビジネスの質から離れてしまっているから。 例えば、欧州企業にとってソフトウェアは「科学」として扱われる。コンピュータサイエンスとしての「ソフトウェア・ビジネス」であるがゆえに、形式的手法やオブジェクト指向分析・設計手法が重視される。また、米国企業にとってソフトウェアは「ビジネス」そのものとして扱われる。会社をつくって「まぁまぁ良質」の製品を作り、業界標準を打ち立て、その過程で大儲けしようとたくらむ。 しかし、日企業にとってソフトウェアとは「工場出荷製品」そのもの。文字通り「ソフトウェア・ファクトリー」を目指している。標準化された設計開発工程に則り、仕様からほとんどブレない製品を粛々

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 日本のプログラマは、世界一優秀である
  • せんせがいるから、この世界は地獄じゃないの。この世界は間違ってなんかいないわ、あたしが言うんだから本当よ

    せんせがいるから、この世界は地獄じゃないの。この世界は間違ってなんかいないわ、あたしが言うんだから当よ まさかラノベをスゴとして紹介することになろうとは──いちばん驚いているのはわたし。ふつうラノベは30分で片付けているにもかかわらず、「円環少女」はたっぷり2時間、夢中に没頭させられた。 ツンデレサディストつるぺた美少女、美乳女子高生(ハルヒ以上に世界を改変できる)、ツインテールで綾波な魔獣使いといったキャラも魅力的だ。あるいははらわたと脳髄飛び散る血ミドロ壮絶バトル←→ほのぼのお茶の間・六年一組との往還も面白い。 しかし、これは【魔法】世界設定【体系】がスゴいのよ。 普通人の視線で発動しなくなる「魔法」を背負って地獄(この世)に堕とされたウィザードたちの永き世にわたる闘いは、何のメタファーになるだろうか? 迷わずあたしゃ、「良識」と「個性」との闘争に置き換えたぞ。筆者は世界設定に何の

    せんせがいるから、この世界は地獄じゃないの。この世界は間違ってなんかいないわ、あたしが言うんだから本当よ
    nekotank
    nekotank 2006/08/10
    たしかに(2)→(3)→(1)で読むべきだったと。まぁ~(3)まで読んだあとに(1)をもう1回読むという手でいくかね
  • ラノベの奇書「円環少女」

    つるぺた小学生(美少女)。呼びかけは「せんせ」(≠せんせい)。授業中に手サインで「大好き」を送ってくる。地獄(という名のこの世界)に堕とされた魔法使い、という設定だけど、どう見てもエスパーです、ありがとうございました。 あたし強くなって、せんせが心配なんかしなくていいように屈服させたげるから。せんせは毎日、あたしが作った手料理を、あたしの手からべて生きていくの ヒロインはツンデレサディストロリ。ロリ好きなら破壊力満点。そうでない方には、豊乳女子高生(美少女)もとりそろえてある。萌え学園モノかと思いきや、灼熱のウィザーズ・バトルが謳い文句(←宣伝に偽りなし)。 バトルはスゴいの一言。魔法戦というより超人ロックのノリ。あるいは幽波紋の頃のJOJOか。命の奪り合いの真ッ最中に、素っ裸の女子高生が降ってきたりする発想が面白い。ジョジョの奇妙な冒険のみならず、鋼の錬金術師をホーフツとさせるネタに微

    ラノベの奇書「円環少女」
    nekotank
    nekotank 2006/08/10
    とりあえず(1)を買ってみた
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 本ばかり読んでるとバカになる

    の探し方についてのエントリ「を探すのではなく、人を探す」において、「目的を持って読む」と書いたが、具体的に何をどうすりゃいいのか、書いてない。を選ぶまでが前回のエントリなら、ここでは、選んだをどうやって読んでいるかについて、書く。 最初に やはり長くなりすぎたこのエントリのまとめ↓ 読書は他人にものを考えてもらった結果をなぞるだけだから、自分のアタマでものを考えなくなる。そうした受動的な読書を打ち破るために、オキテを作って実践している。 オキテ1:読むだけの読書にしない、オキテ2:読んだら表現する、オキテ3:読んだらフィードバックする、の3つ。その結果、読書の対象に広がりと奥行きと深みが増した。特にオキテ2を強力にオススメする。 まとめ終わり。文どぞ。 ばかり読んでるとバカになる ショウペンハウエルが「読書について」でいいこと言っている。読書は他人にものを考えてもらうこと。だか

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 本ばかり読んでるとバカになる
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: もしあなたが週60時間以上働いているとすれば、父親として役に立たない。息子が問題をもつようになったら、それはあなたのせい

    もしあなたが週60時間以上働いているとすれば、父親として役に立たない。息子が問題をもつようになったら、それはあなたのせいだろう お題は次の文に続く──「父親はきちんと家に帰ってきて、こどもと一緒に遊んだり、笑ったり、じゃれあったり、ものを教えたりする必要がある」 のっけからショッキングな断定文が続くが、読み進めて納得した。「男の子って、どうしてこうなの?」は、異性である息子を育てるのに途方にくれる母親たちへの福音書かもしれないが、父親が読むと考えを改めさせる指南書なのかも。 けれども会議が、出張が、締め切りが、なんて抗議の声は上げられる。生活を成り立たせるための仕事を放り出したりすれば末転倒ではないかと。同意、わたしもそうだから。それでもココロのどこかで知っている、ものごとには、取り返しがつくものと、つかないものがある。そして、代替の利くものと、利かないものがある。取り返しがつかないもの

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: もしあなたが週60時間以上働いているとすれば、父親として役に立たない。息子が問題をもつようになったら、それはあなたのせい
    nekotank
    nekotank 2006/08/08
    なっとく
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: コンピュータの名著100冊

    仕事でコード書いてた頃の話。 机上に「」というメディアは無かった。プログラミングといえばお手のコピペ&手直しで仕上げてた。だから、せいぜい入門書やリファレンスといった辞書的なやつだけで、3年もすれば「古い」と引き出しの中へ。 だから、いつまでたっても上手なのは「お作法」だけ。あたりまえだ。仕様を実装したコードに「似た」コードやパターンを探し出す→コピペがプログラマの仕事だと思ってたから。ネットの情報が「全て」であって、「考える」とは、「いかにお手に合わせるか」だったから。 プログラマというよりも、むしろ「コーダー」。その辺は「プログラマになれなかったわたし」[参照]に書いた。 ここでは、「コンピュータの名著・古典100冊」の既読リストで恥さらし。いかにちゃんとしたを読んでいないかがよっく分かる、なさけない。 書はプログラミングに限らず、ソフトウェアエンジニアとしての libera

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: コンピュータの名著100冊
  • ツンデレ小説ベスト

    1. 春琴抄(谷崎潤一郎) 2. きみとぼくの壊れた世界(西尾 維新) 3. 涼宮ハルヒの憂(谷川 流) 「春琴抄」は日文学屈指のツンデレ。昨今のブームに便乗した作品と比較しても、最高のツンデレ(ツンデレスト)だと断言できる。というのも、ツン→デレの彼我を超えるために彼がしたことは、とても常人では真似のできないことだから。 抜き差しならぬ関係が露見しても素っ気なく否定する場面なんて萌える。小説の悦びは、読み手の想像力にはたらきかけることにある。書いてない部分を妄想を逞しく補完するトレーニングとしてもGood!谷崎潤一郎やりおる! 「きみとぼくの壊れた世界」もスゴさは負けてない。ツンデレな妹と、ツンデレな同級生が出てくる。それぞれツンは普通だが、デレの鬼気迫る壊れっぷりを堪能すべし…てかこれこそが作のメインディッシュ。 ツンデレ妹なんだけど、主人公も(表面上は)距離をおいた態度を取る

    ツンデレ小説ベスト
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 女の言う「あなたは何も分かっていない」の正体

    彼女もちの諸君!春だ!別れの季節だ。 女ってぇ奴ぁ年がら年中情緒不安定だといわれるが、長年付き合った彼女が別れ話を切り出してくるのは春と相場が決まっている。振り返ってみ給え、彼女が別れるとか言い出すのは、たいていゴールデンウィーク前だったろ。 これには理由がある。春は学校職場が変わる、生活環境が変わる、心機一転、ついでにオトコも変えておこうという発想だ。五月病の厄落としともいう。例えば、学生時代の彼女が、新社会人になって職場の「オトナのオトコ」を発見して、学生気分の抜けない彼に愛想をつかすなんて話、聞かないか? で、(途中をはしょって)修羅場。ここでは、ヒートアップしたとき女が言ってくる最終通告「あなたは何も分かっていない」という問いかけについて、その戦略と対策について書く。 「あなたは何も分かっていない」の当の意味 これを字義どおりに受け取ってはいけない。これは彼女の戦略なのだ。意識/

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 女の言う「あなたは何も分かっていない」の正体
  • 1