マキァヴェッリ: 『君主論』をよむ (岩波新書) 作者: 鹿子生浩輝出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2019/05/22メディア: 新書この商品を含むブログを見る 鹿子生浩輝『マキャヴェッリ』から。 ニコラ・マキャヴェリ*1 が手段を択ばない権謀術数という意味での「マキャヴェリズム」の提唱者であるという誤解の起源を巡って。 (前略)フランスにおける一五七二年の「聖バルテミーの虐殺」は、マキャヴェッリに対する痛烈な非難を生じさせた。ユグノーに対するこの虐殺の首謀者は、カトリーヌ・ド・メディシスであると目されている。彼女の名前をイタリア語読みすれば、カテリーナ・デ・メディチであり、彼女の父親のロレンツォ・デ・メディチこそ、かつてマキャヴェッリが『君主論』を検定しようとした人物である。そのためマキャヴェッリは、メディチ家に虐殺を指示した極悪人であるかのように考えられたのである。 こうした事